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佐渡の翼

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ついにもぐりの代行業者が網にかかった   投稿者:投稿者:メシュラン覆面調査員

2009年09月25日 05時02分34秒 | 佐渡のスナック・キャバクラ
僕が「あのお~、この代行業者はもぐりじゃないですよねえ~」と確認を求めたら、おやじは「いや、ここは認可を受けているはずだから大丈夫ですよ」と胸を張った。するとおねーさんが「あのお~、この代行、認可を受けてはいないんですけど」と声を潜めながら白状した。するとおやじは「ああそうか、そんならもぐりだ」アッハアハア~とまたしても高笑い。そしておやじは「この連中、もぐりのくせに名刺配って歩いてるんですよ」と続けた後、「もぐりでもここの代行はしっかりしとる。へんな運転はしないし、料金も一番安い。もし問題があるようなら佐渡の警察署前で降ろすように言って下さい。警察署の前なら何も言えませんから。実際そうした人もいますしねえ~。もし何かあったら、うちに言うてきて下さい。うちが責任をとりますから」と妙な太鼓判を押した。おやじは水割り2杯の領収書を差し出しながら、「もぐりの代行ならこんな領収書は切れんだろうなあ~、ちゃんと領収書が切れるようにしておけと連中に言うときますよ。佐渡はそういう出鱈目な島なんです。なにせ流人が住んでた島ですから、勘弁してやって下さい」アッハアハア~と、またしても高笑いで締めくくった豪快なおやじ。店名の「酒泥棒」というのがふるっている。本来ならば、酒を盗んででも飲みたくなるほどの旨い料理を出すお店という意味だが、ここまで大胆不敵に言われると、逆に爽快感すら感じてしまうから不思議だ。いや実に面白いおやじだった。

ほどなくして代行車がやってきた。もぐりのくせにセルシオなんかで乗り付けてきた。持ち主は首に金鎖を巻きつけ、黒のTシャツを着ていた。助手席からはダルビッシュにちょい似の20代の若者が姿を現した。セルシオの後部座席に座るとタバコの臭いが充満していたし、ちゃっかりサンルーフまで備えていた。このセルシオに僕の車が置いてあるところまで連れていってもらい、そこで自分の車に乗り換えた。ダルビッシュはもぐりで稼いだのかどうかしらないが、ルイヴイトンのモノグラムではなくダミエ柄の財布を持っていた。目的のホテルまでの道すがら、ダルビッシュは一言も話しかけなかった。そりゃそうだろうなあ~、下手に話しかけて言質をとられたらもぐりがばれかねないからだろう。僕が「代行なのにセルシオに乗ってるなんて珍しいですね」と言うと、お兄ちゃんは「そうっすねえ~」、「そうっすねえ~」を2~3回繰り返した後、「多分、油代かなりかかると思うんっすけどねえ~、あの車、どっかから持ってきたんでしょうね」と続けた。そして僕が「スナック「酒泥棒」さんって知ってました?」と尋ねたら、「いや自分達はあの店に飲みにいった事はまだないっす」と答えたのであのセルシオの持ち主が親玉なのだろうと思った。「最近の代行は忙しいですか?」の僕の問いにダルビッシュは「いや、若い人は代行を使いません。それに今頃皆さん稲刈りに忙しくて飲みに出る暇がないんじゃないですか」と答えた。目的地に到着し料金を尋ねたら、セルシオと相談した後、通常なら5000円の距離だが4800円でいいと言った。確かにもぐりは少し安い!佐渡の翼さんなら、違法行為に加担し、更にそれを助長する行為だと激怒するのを承知の上で、僕は自腹を切りお釣の200円をチップとしてお兄ちゃんに差し上げた。僕は相当なお人好しかもしれない。このセルシオは料金を受け取るや否や、「有難うございます」と言い残し猛然とバックした後、佐和田方面へと舵を切り、猛スピードで立ち去った。

白タク行為が横行したり、もぐりの代行業者が暗躍するのは警察の取り締まりが甘いからだ。しかし、もぐりや白タク行為に対し見て見ぬふりをする寛容な佐渡の警察署の気持ちも分かる。警察が彼らを厳しく取り締まれば、安価で便利な代行業者が激減し、高額な業者だけが生き残る。その結果それを嫌気して飲酒運転に走る島民が増え交通事故の可能性が増大しかねない。そう考えた警察側があえて取り締まりを緩めているのかもしれない。考えてもみよ、れっきとした売春防止法がありながら、ソープランドでは売春が堂々と行われており、警察はそれらに対し形式的な査察しか行っていないではないか。運転が丁寧でしかも安いとくれば、もぐりだろうが何だろうが一円でも安い業者を選びたくなるのが人情というもの。その心情は充分理解できる。ただ声高に原理原則を叫べばよいというものでもなかろう。警察は「違法行為を摘発する努力はしているが、摘発するのは非常に難しい」と言い訳をするだろう。僕は決して違法行為を容認するわけではないが、その言い訳を受け入れる方がむしろ現実的ではないのかなと思う。僕は佐渡の翼さんのような原理主義者ではなく現実主義者だからだ。


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