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筆者はみちこさんとみなみさんにヘネシーを振舞ってあげた。みちこさんは「ヘネシーを飲むのは12~3年ぶりかしら」と言った。みなみさんは「お酒の香りがいいわ。す~っと入っていくね。やっぱり高い酒は違う」と言った。みなみさんは筆者が持参したクリケット社製の傘をめざとく見つけ、「その傘の、グリーン生地にピンクストライプと言うデザインが洒落てますね。柄の部分の革も同色の二色で合わせている。う~ん、傘の裏生地はどうなっていますか?」と聞いた。筆者が傘を開き裏生地も同様のストライプ柄になっているのを示すと、「う~んやっぱりねえ~」と感心した様子で漏らした。
みちこさんは「ママが10時になると店に出勤してくる。いっぺんママを見てもらわんと」と言い、みなみさんは「うん、ママは可愛いよ」と言った。そのママが9時40分頃に店に姿を現わした。見るとラブジャンキーズのママにそっくりな顔をしている。しかし見た目の年齢と体型が全く違っていたのですぐに別人だと分かった。ママの差配で筆者はレデイースのLサイズの「愛」のTシャツを手に入れる事ができた。ママと会話する機会はなかったが、ご尊顔を拝すればそれで充分である。筆者はここが潮時と判断し、お会計を御願いした。楽しかった2時間の宴のお代はTシャツ代も含めて25,300円。筆者は3万円をカウンターの上に置き、「お釣りはチップだから、ホステスさん達で分けなさい」と言い残した。筆者のニューヨーカーの水色のスプリングコートを見たホステスさんの誰かが「うわあ~高級そうなコート」と言ったが、これは5年前に3万かそこらで購入したもので、この5年の間、クリーニングに出したのは一回だけだ。春先に2~3回ほど着て終わりになるようなヘビロテさせない使用法ゆえ、新品同然で良質そうに見えたのであろう。
筆者にコートを着せる時にママさんが筆者の腰の辺りを見ながら「細いですねえ~、ウエストの幅、もっとあるかと思ったあ~」と言った。筆者はTシャツ越しにママさんの下腹を右手の手背で二~三度軽く叩いてからこのお店を去った。みなみさん、みちこさん、キャピキャピギャル、そしてママさんの4人が店の外に出て筆者の乗ったタクシーを見送ってくれた。再訪したにも関わらずスナック「愛」のスタッフ全員が当方を佐渡の翼と見破る事はなかった。珍しい事だが、そんなうぶな対応が実に心地よく響いたスナック「愛」さんだった。