佐渡の翼

佐渡の観光名所紹介、佐渡の宿泊施設の宿泊記、佐渡の全飲食店と東京都内高級レストランの食べ歩記、ヨーロッパ及び国内旅行記事

ヘブンズキッチンのパスタのお味      投稿者:佐渡の翼

2011年08月06日 05時19分49秒 | 佐渡グルメ美味しい食べ歩記

筆者はカウンター席の左端に陣取った。この位置からは左方の厨房内が丸見えである。よほどお料理に自信がないと、こういう造りにはできない。筆者はパスタが出来上がるまでの19分間、つぶさにママさんの調理過程を観察してみた。ふと見たら、冷蔵庫の扉には三個のタイマーがセットされていた。ママさんはこの三個のタイマーを交互に器用に操りながらパスタを仕上げていく。多分これらのタイマーのセット時間は、寸胴の中のパスタの茹で上がり時間、ソースの仕上がり時間、ベーグルの焼き上がり時間をそれぞれ示しているのではないだろうかと筆者は推量した。ママさんはフライパンの中でソースを調整すると、それをスプーンで掬い上げ味見した後そのスープをお水を入れたピッチャーの中に戻し、更にそのピッチャーの水を頻繁に取り替えていた。そして茹で上がったパスタとソースを混ぜ合わせた後、ソースの絡まり具合を確認するために、パスタを挟み上げるための先端がくしの歯状になった特殊な調理器具で器用に1本のパスタを掬い上げ、次いで素早くそれを左手で掴み取り口の中に入れ味見をしていた。そしてこの動作を数回繰り返していた。これを長年やっていると太るだろうなあ~と余計な心配をしつつ、ママさんの、鍋の中でパスタを引っくり返す華麗なる鍋さばきを見つめていた。ベーグルの表面には艶出しと柔らかさを増すために何かの液体を霧吹きで吹き付けていた。調理過程には、渋谷のセルリアンタワー東急ホテルの中華レストランのコックさんが見せたような、思わず文句をつけたくなるようなお行儀の悪いしぐさは一切認められず、完璧な調理パフォーマンスだった。

 

肝心のパスタのお味はと言えば、リヴェラという外国産のパスタを使用しているようで、湯で加減はアルデンテだった。ソースとの絡み具合は絶妙で、佐渡の他のレストランでよく見かけるような、皿の底にソースが残るような仕上がり具合ではなかったので、都心の一流イタリアンレストランのパスタと遜色がなかった。ただ、やや胡椒とタカノツメの効かせ具合がきついかなと感じたが、佐渡島内のパスタ屋さんとしてはこれで充分合格であり大変に美味しかった。ランチの量は程よいと言う人もいるが、筆者はパスタとレタスサラダだけで充分で、ベーグルは一口齧っただけで残してしまった。帰り際にママさんが「これでお腹一杯になりましたか?もしよろしければベーグルをお持ち帰りになりますか?」と申し出てくれたが、筆者はその申し出を丁重にお断りしておいた。佐渡島内で、東京の原宿や青山あたりのお洒落なカフェやイタ飯屋で出されるパスタと同レベルのパスタを賞味できるお店は、羽茂の「プトーアンデイカテール」、佐和田の「丸美亭」、そしてここ「ヘブンズキッチン」さんの三軒であろう。このお店、別にS-lifeなどに広告を出さなくとも自然に口コミで客が集まる、そう予感させるほどのパスタの出来具合だった。



最新の画像もっと見る