佐渡の翼

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栄国屋(佐渡市藻浦)     投稿者:佐渡の翼

2010年10月15日 04時32分11秒 | 佐渡のお宿評価
7月中旬のとある日の午後7時40分、筆者は藻浦集落にある民宿「栄国屋」さんの玄関前に辿りついた。網戸になった玄関ドアを開けたが人っ子一人いない。おかしいなあ~と訝りながら、ふと後ろを振り返ると一台の軽トラックが停まった。中からおじさんが出てきたので「栄国屋」さんですか?と問うと、「そうだよ」との返事。「あのお~予約している者ですが」と遠慮がちに言うと、おじさんは「えっ、予約う~、聞いてねえなあ~」と意外なご返答。筆者が「確か3月頃に電話で予約しました。その際おばあさんが電話にお出になりましたけど」と食い下がると、「え~っ、聞いとらんぞお~」を繰り返した。筆者が「えっ、じゃなくて確かに予約したんです。おばあさんに聞いてみて下さいよ」となおも食い下がったら、おじさんは、渋々電話の受話器を取り上げどこかへ電話をかけた。すると、電話口の向こうからおばあさんらしき人の「あ~、あの一人の人なあ~、確かに聞いとるよ」という声が聞こえてきた。筆者が「そうでしょお~」と勝ち誇ったように言うと、おじさんは「失礼しました、ではお二階へどうぞ」と先導し始めた。おじさんは海の見える部屋に筆者を招きいれ、コインタイマー式のエアコンの料金箱を開けて何やら操作した後リモコンのスイッチを入れた。エアコンは6時間200円の設定で最初の6時間の電気代は宿負担だが、それ以後のエアコン使用時にはいちいち200円を料金箱に投入せねばならないシステムだった。コインパーキングと言うのは都内ならどこにでもあるが、コインエアコンなどというものは初めての経験だった。ま、佐渡らしいといえば佐渡らしいのだが。。

ところがだ、リモコンのスイッチを入れても一向にエアコンが作動しない。生暖かい風が吹いてくるだけだ。筆者が「エアコンの室外機にカバーをかけたままと言う事はないでしょうね」と確認すると、おじさんは「カバーはかけていない」と言った。他の部屋のエアコンを試してみたが同じ事。おじさんは「今年はガスの調整をしていないからエアコンが作動するかどうか分からんぞ。最悪扇風機だけかもな」と不気味な事を言った。宿泊当日は梅雨明け直後で猛烈な暑さだった。いくら佐渡最北端の地とは言えども、とてもエアコン無しでは過ごせない。筆者は「何とかエアコンが効くようにして下さい。御願いしますよ」とおじさんに懇願した。筆者は仕事でもプライベートでも普段、人に傅(かしず)かれる事はあっても、お願いのために相手に傅く事などは滅多にない。こうなれば恥も外聞もない、何とかおじさんにエアコンを作動させてもらわなくてはと、祈るような気持ちで3部屋目のエアコンの作動状況を見守った。おじさんが「今度は大丈夫」とOKサインを出した。エアコンの吹き出し口に手をあててみたら、確かに涼しい風だが「ガンガン」という感じではない。筆者は念のため、エアコンの蓋を開け、フイルターを取り出してみた。案の定、フイルターの表面にはゴミがびっしりとこびりついていて目詰まりしている。だから効きが弱いのだ。筆者は「掃除機でフイルター表面のゴミを取り除いて下さい」とおじさんに依頼した。そしてすっかり綺麗になったフイルターをはめ込んだら、ようやくガンガンに冷えた冷風が流れてきた。リモコンの電池も新しい物に取り替え、これでやっと一息つけた。筆者は佐和田のパワーズフジミで購入したカクテルパートナーを飲みながら、酔った頭で今日一日の行動を反芻してみた。


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