LH1928便は先発の飛行機が離陸するまで滑走路上で待機した
ゲートに到着したら、ビジネスクラスの優先搭乗レーンに経済席の客たちが行列を作っていた。そのため、係員がやって来て、「経済席客の並ぶ場所はあちら」と顎で指図して行列を移動させた。筆者は経済席客達を尻目に優先レーンの先頭に移動し、今や遅しと搭乗のアナウンスを待った。15時10分になると、まず子供連れ客の優先搭乗が始まり、ベビーカーを押した母親がゲートを通過して行った。次いでビジネスクラスの優先搭乗となり、筆者は今度はトップでゲートを通過した。搭乗橋はエスカレーターで1階下った2階にあるが、経済席への入り口付近で、搭乗客が皆無なのに不安を感じたらしい先程の親子が立ち止まっていた。そしてこちらを振り返りながら「私達はナポリへ行きたいのだけど本当にこの飛行機でいいの」と言いたげな表情で「Naples?」と筆者に尋ねた。筆者は「Oh, yes, economy class passengers have to go straight on!」と言って教えてあげた。
前方に、その母親が写っている。
座席は2Aに指定されており、筆者は着席後、搭乗橋の方を見続けた。当日のビジネスクラスはほぼ満席で、経済席も同様らしくなかなか経済席客の搭乗が完了しない。出発予定時刻の15時30分を少し過ぎた頃にようやく経済席客の搭乗が完了した。だが、機体は出発予定時刻を過ぎたと言うのにpush backを開始しようとしない。やがて韓国人機長がハングル訛りの英語で、「Air trafficが少々混雑しており、オーストリア航空の出発が遅れているため、その影響で当機の出発は10分ほど遅れる」とアナウンスした。機体は10分遅れでpush backを開始したものの、runwayの途中で止まり、離陸待ちの飛行機行列に加わる羽目になった。一機の出発が遅延するとドミノ倒しのように後続の航空機が順繰りに遅れて行く。16時02分になってもまだ滑走路上で待機する状態で、ようやく16時05分頃に離陸を開始し予定よりも20分ほど遅れてしまった。このLH1928便が定刻通りに運航していれば、ナポリ到着は17時10分で、それから荷物をピックアップしてタクシー乗り場まで急げば15分で済む。空港からナポリ港までは渋滞がなければ20分だから、ナポリ港発18時15分の高速船に何とか間に合う計算だったが、その目論見はもろくも崩れた。
恥ずかしがりやのCAさんは撮影を拒否して奥に引っ込んでしまった
2A席
コクピット方向
ビジネスクラス席
昨日のお弁当
