2月中旬のとある日、筆者は銀座2丁目にある、無国籍料理のお店「キハチ銀座本店」を訪ねてみた。午前11時半丁度にお店にお邪魔した。カリフォルニア風のポップミュージックが流れる店内はかなり広く、数組の客がいただけだが食べ終える頃には満席となる盛況ぶりだった。筆者は4人掛けのテーブル席へと案内された。カウンター席もあり、一応「カフェ&バー」と言う位置付けらしい。椅子とテーブルは木製だが、テーブルクロスなどはなく、テーブル表面には無数の擦り傷跡が付いていた。ナプキンとおしぼりも紙製なので、高級レストランと言うよりもCPを重視したビストロ的なお店のようであった。筆者は、前菜、ハーフパスタ、メイン、デザートから成るコース料理(3675円)を注文した。銀座にしては割安な感じであり、客層もそれに合わせて中流の下程度の所得者層であった。
注文後、ほどなくして前菜が運ばれてきた。筆者は寒ぶりのカルパッチョを選んだ。オリーブオイルがほどよく効いた脂の乗った寒ぶりである、いや実に美味い!パンはイタリアのフォカッチャが供されたし、パスタやピザが選べるコース仕立てであるのを見ると、このお店はイタリアンのカテゴリーに分類すべきかもしれない。パスタにはボロネーゼ風味のミートスパゲッテイを選んだ。何故か半熟卵が乗っかっている。味はまあまあかな。ひき肉を残したらウエイトレスが「おや、あまりお口に合いませんでしたか?」と問うたので「いえ、豚肉が苦手なんですよ」と答えておいた。そうこうするうちに筆者の隣に20代の三人娘が着席した。その中で一番可愛い子が「エストラゴンてなあ~に?」と尋ねたら、すかさず一番可愛くなさそうな子が「ヨモギの一種よ」と答えた。一番可愛い子は「わあ~、凄お~い!脳味噌交換しよう」と叫んだ。「天はニ物を与えず」とはよく言ったものだ。メインには「平スズキのポアレと手長海老」(画像)をチョイスした。ソースがイカ墨仕立てと言うのがいかにもキハチらしい無手勝流である。白身の魚のポアレと、黒いイカ墨ソースの相性評価は多分好みで相当に分かれるだろう。焼き手長海老は、殻から容易に身を剥がせたので食べ易かった。一応全量を完食した。デザートには「当店名物の壺プリン」なるものを選んだ。「名物に美味い物無し」と言うが、取りあえず、お店ご推奨の品を選んでおけば間違いないだろうと言う単細胞的な考えでチョイスしただけである。表面に生クリーム、その下にプリンがあり、最下層にカラメルソースが敷かれていた。確かにこのプリンは美味しかった。最後に紅茶を飲み干して終了!安いくせに、超高級ホテル同様、テーブルで会計を済ませるシステムであり、高級と中流が綯い交ぜになったキハチ銀座本店だった。