2月上旬のとある日、筆者は佐和田のラーメン屋「トッキチ」さんを訪ねてみた。両津方向から行くと、労金さんのある交差点を左折し、次いでオートバックスと割烹「よねやま」の間の道へと右折したらすぐ右手にこのお店があった。11時半丁度にお店にお邪魔した。店内には、10席のカウンター席以外には4人掛けのテーブル席が三卓あるだけで座敷席などは無かった。厨房内にはおやじさんがいて、一人でお店を切り盛りしていた。メニューにはラーメン以外に、チャーハン、カレー、餃子などがあった。
筆者は味噌ラーメン(700円)を注文した。おやじさんは、まず湯を沸かし、次いでそれを、ラーメンのスープの素が入った丼に注ぎ、ゆがいた麺を湯切りなどの動作をせずに静かに丼の中に入れた。そして具をトッピングして出来上がり!7分ほどで出来上がった。スープを啜ってみたら、チェーン店のどさんこと似たような味で美味しい!麺は中太のストレート麺だ。具のチャーシューは小さくてしかも硬く、とてもじゃないが食べられる代物にあらず。茹で卵は冷たいままだし、具はこれ以外にはワカメとネギとコーンだけ。もやしなどの野菜も入れればいいのにと思ったが、単価が700円のラーメンである、これが限界かもしれない。格別突き上げてくるこだわりを感じさせない凡庸なラーメンである。トッピングする具材を暖かいままで保管するために、それらを保管ケースに入れておく出世街道さんの爪の垢を煎じて飲ませるか、「麺好や ゆうじ」さんへ、そのとろけるようなチャーシューの作り方を修業させに行かせるかしなければこれ以上の客足の増加は望めまい。店主のご努力は多としたいが、残念ながらそう感じざるを得ない「トッキチ」さんだった。例によって筆者の懐と頭の中は温かかったが、食べ終わるまで誰一人として客が来る事はなく、地吹雪が舞う外の天気同様、寒々とした店内であった。