読書感想文。

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「傲慢と善良」を読んで。

2019-07-17 22:27:23 | 作家さん/た行
辻村深月さんの「傲慢と善良」を読了しました。

今作はすごく胸に刺さりました。
感情移入してしまったり、気付かされたことが有り、もうちょっと10年くらい前に読みたかったな、と思ったり。
ラストはキレイ過ぎるな・・・と思ってしまいましたが、孤独じゃないラストが羨ましくなりました。
満足度は85%です。

「ピンとこない、は魔の言葉だ。それさえあれば決断できるのに、その感覚がないから、どれだけ人に説得されようと、自分で自分に言い聞かそうと、その相手に決められない。」
「ピンとこない、の正体は、その人が、自分につけている値段です」
「値段、という言い方が悪ければ、点数と言い換えてもいいかもしれません。その人が無意識に自分はいくら、何点とつけた点数に見合う相手が来なければ、人は、”ピンとこない”と言います。-私の価値はこんなに低くない。もっと高い相手でなければ、私の値段とは釣り合わない」

胸にグサッと刺さりました。
あぁ、自分もこんな恥ずかしい考え方をしていたのかと愕然としてしまいました。

「自己評価は低いくせに、自己愛が半端ない。諦めてるから何も言わないでって、ずっといろんなことから逃げてきたんだと思う」

これも自分に当てはまってしまい、もう今さらながらワーッとなりそうです。

今作は久々に学びが有ったと言うか、気付きが有った作品でした。

それでは、また。