遠い地平線が消えて
深々とした夜の闇に心を休めるとき
はるか雲海の上を音もなく流れ去る気流は
たゆみない宇宙の営みを告げています
満天の星をいただく、果てしない光の海を
ゆたかに流れゆく風に心を開けば
きらめく星座の物語も聞こえてくる
夜の静寂の、なんと饒舌なことでしょう
光と影の境に消えていった
はるかな地平線も瞼に浮かんでまいります
午前0時、ジェット機の噴射音とともに、フランクプールセルの「ミスター・ロンリー」の優しい旋律が流れ、パイロットが静かな口調で語り始める。
『JET・STREAM』
1967年7月、東海大学の実験局「FM東海」と日本航空(現日本航空インターナショナル)が深夜の音楽番組としてスタート、その後「東京FM」に。
グレゴリー・ペックなどの吹き替えで、洗練されたセンスと渋い語りで定評のある城達也氏がナレーションを務めた。
「ジェットストリーム」は昼間に収録を行うのだが、昼間だとどうしても声が明るくなってしまう。そのため、城氏は部屋を暗くし、夜の雰囲気の中で番組を作っていたという。
1994年12月まで、城氏はFM番組としては異例の、実に27年間、ナレーションを務め上げ、1995年に他界された。
ラジオから流れる美しい散文詩のようなナレーションとストリングス・メロディーを聴きながら夜更かしをしたその時代とともに
今、懐かしい思い出が蘇る。