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道南の空を飛ぶ (15) - 函館山

2009-09-29 | 北海道
函館山が地図から消えた。

1899年(明治32年)から敗戦(昭和20年)までの約50年間、函館山は全山要塞地区となる。
当時国内最大の造船所を擁する函館港を守るために、フランス技術の力を借りて要塞施設を築き始めたのだ。
山全体が要塞という軍事施設になり、国家機密の地となったため、1899 年を境に、一般の地図から函館山は空白となった。

函館山は一般人立入禁止となり、信仰のための入山も、測量も、学術調査、撮影、スケッチもいっさい禁じられ、ことごとく山の様子は秘密にされた。

その後、津軽海峡の防衛のため、北海道側の汐首岬と白神岬、青森県側の大間岬と龍飛岬とともに、津軽要塞に編入されて強化されることになる。

1941年、太平洋戦争が勃発したが、要塞施設は旧式で実線には役立たず、45年4月、高龍寺山に陸・海軍の観測所、高射砲陣地などを設けた。
7月14・15日の空襲の際には、これらの高射砲が発砲したが、撃墜したのは戦闘機一機のみであった。

太平洋戦争が終わった1946年5月。函館山の要塞は米軍により破壊され、 1946(昭和21)年10月、函館山は市民に開放された。


皮肉なことに、この日本軍の強引な政策が、この山にある数百種の動植物をなにひとつ損なうことなく自然のまま保存してきたことである。
現在では、600種類の植物、 150種類の野鳥が生息する豊かな自然の山となっている。

こんな歴史を持つ函館山と砲台跡は、近代軍事施設の砲台跡や発電所や観測所という貴重な遺構であることから北海道遺産に選定された。



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1 コメント

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Unknown (芋焼酎)
2009-09-30 00:12:08
sogoさん

 こんばんは。
 函館山、一度も行った事がありません。というより函館市にも行ったことがありません。sogoさんの函館山の写真、とてもきれいですね。もちろん、函館の街並みの美しさの素晴らしさも十分窺い知れました。山全体が色づく頃の姿も観たいですね。

 今、ジェットストリームが始まりました。やっぱり城達也とは雰囲気が違いますが、夜間飛行の気分は十分堪能できます。スポンサーは今でもJALなんですね。経営危機に陥っているJALがいまだにジェットストリームをやっているとは・・・あっぱれ日本航空です。無性にウイスキーが飲みたくなりました。



 
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