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道南の空を飛ぶ (7) - 津軽海峡 <青函トンネル>

2009-09-21 | 北海道
青函連絡船が80年の歴史に幕を閉じてから20年が過ぎた。

国鉄青函連絡船は津軽海峡をはさんだ本州青森-北海道函館間113kmを約3時間50分で運航していた。 1908年(明治41年)の「比羅夫丸」の就航に始まり、1987年4月(昭和62年)JR北海道に移管され1988年3月(昭和63年)「津軽海峡線」の開通で廃止となる。 

青函トンネルは、「洞爺丸遭難事故」を受け、太平洋戦争前からあった本州と北海道をトンネルで結ぶ構想が一気に具体化し、船舶輸送の代替手段として、長期間の工期と巨額の工費を費やして建設されることとなった。青森県東津軽郡三厩村(画面左)と北海道松前郡福島町(画面右)を結ぶ西ルート、青森県下北郡大間町と北海道亀田郡戸井町を結ぶ東ルートが検討され、当初は距離が短い東ルートが有力視されたが、東ルートは西ルートよりも水深が深い上、海底の地質調査で掘削に適さない部分が多いと判定されたため、西ルートでの建設と決定した。

映画『海峡』(1982年 森谷司郎監督 木村大作撮影 主演:高倉健、吉永小百合他)は、青函トンネル工事に携わった人々の30年近くにわたる人生の歩みを、青函トンネル技術調査員を中心に見事に描いている。

現在、青函トンネルはできたものの、津軽海峡の航路はいまだ健在である。青函トンネルは自動車の通行ができないため、北海道へ渡る車は、フェリーを利用しているのだ。津軽海峡を通らない長距離フェリーもあるが、青森―函館(青函)間にも実に20往復以上が運航されている。また、下北半島の大間と函館の間にもフェリー航路がある。


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3 コメント

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Unknown (芋焼酎)
2009-09-21 20:30:02
sogoさん

 こんばんは。青函トンネル建設を描いた映画「海峡」いいですよね。ありふれた言い方で申し訳ないのですが、この映画は「男のロマン」を感じます。私は、学生時代に高倉健主演の「網走番外地シリーズ」を結構観ていました。「網走番外地」での高倉健の渋い演技は、この「海峡」でも変わりなかったのはちょっと笑えました。

 私は、この「海峡」をはじめ「黒部の太陽」「超高層のあけぼの」など技術系の映画は必ず観るようにしています。ずいぶん前にコメントで書き込んだ「伊能忠敬―子午線の夢―」もこの技術系の映画と言ってもいいと思います。

 ただ残念なのは、「黒部の太陽」は石原プロが製作していて石原裕次郎の遺言で、今後一般公開しないことになっているそうです。もちろんビデオやDVDにもなっていません。「伊能忠敬―子午線の夢―」は劇団俳優座が版権を持っていて、これもビデオ化しておりません。観る事はかなり困難な映画です。その点青函トンネル建設を描いた「海峡」は今でもレンタルビデオ屋さんに置いてあり、観ることは簡単です。この間なんか、ブックオフでかなり安い価格で売っていました。

 技術の進歩はそれはそれでいいことなんですが、あまりにも便利になりすぎて風情というものが薄れてきているのは残念でたまりません。私は青函連絡船には乗ったことはないのですが、船旅は何度か経験があります。船に乗ると何というか、船旅独特の雰囲気が味わえ、旅心を大いにくすぐられます。船での旅はまだまだ風情を味あう事が出来そうな気がしますね。 
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Unknown (芋焼酎)
2009-09-22 11:26:29
sogoさん

 おはようございます。
 津軽海峡について興味深い解説、勉強させてもらっています。
 戦前から青函トンネルの構想があったと言っても、ある意味実現不可能な夢の世界の話だったようですね。それが戦後、土木技術の発展によって実現可能な話になりGOサインが出たようです。その陰には国鉄の磯崎総裁(だったかな?)の強い熱意があったということらしいです。もちろん巨大国家プロジェクトですから、ある程度の利権も絡んではいたようですが。

 急速な土木技術の発展と一つとして、「シールド工法」や「水中セメント」の導入があります。「シールド工法」は地下鉄工事なんかで広く知られることになって、もう特殊な工法ではなくなりましたが、考えられたころは画期的ものとして注目を浴びました。

 ドーバー海峡の英仏トンネル建設に日本の間組が中心的役割を果たせたのは、この「シールド工法」先駆者だったからです。この工法で従来考えられないようなスピードでトンネルが掘られ、かつ安全性まで兼ね備えているのだから革命的な発明だったのですよね。ただ、弱点は強固な岩盤には無敵であっても、破砕帯や砂層などにはとたんに難儀するところでです。

 津軽海峡は、気候的にも厳しく特に冬の竜飛岬は海上はおろか陸上でも厳しいところで有名ですね。映画「海峡」でもこの厳しい自然がよく描かれています。津軽の海はこの厳しい自然環境のほかに、戦後や朝鮮戦争時で敷設された機雷が海流の関係で朝鮮半島から流れ着くとされていました。

 機雷の話が出たついでに、軍事的な話もあります。それは、公海である津軽海峡は冷戦時代のソ連の潜水艦が通過するので、それを探知するための設備を青函トンネル内に作るよう、アメリカ政府が日本政府に働きかけていたという噂です。これって結構リアリティーがある話のように私には聞こえるのですが・・・・。今でも青函トンネルの上にはロシア、アメリカ、中国あたりの国の潜水艦が通過し、そのエンジン音やスクリュー音を日本の自衛隊が特殊ソナーで探知している・・・・ちょっと考え過ぎですかね。

 また、青函トンネル関連のでは、ここで培った技術を韓国の釜山―対馬―九州に日韓トンネルを作ろうという話もあったそうです。これは夢のある話のように聞こえますが、利権の匂いがプンプンしてきます。ともかく巨大国家プロジェクトの陰で、建設業者と政治家が動き回るというのがこれまでの日本の姿でしたから。

 相変わらず、まとまりのない話ですみません!!
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Unknown (sogo)
2009-09-22 16:27:45
芋焼酎さま。
こんにちは。
いつもご覧いただきありがとうございます。

「青函トンネル」についてたいへん詳しく知ることができ参考になりました。

芋焼酎さん、ご専門は、「土木工学」でしたね!

映画「海峡」は、ずいぶん前に見たので、詳しくは憶えていませんが、高倉健が、冒頭、漁船で海底の岩石を採取したり、付近の山岳を調べたりしているシーンは、どういうわけかはっきり憶えています。
(その時、吉永小百合との出会いがあるんですよね! それからこの映画を撮った木村大作というカメラマンも大好きなんです!)

どんなに巨大なプロジェクトも、一人の人間の大きなロマンと小さな一歩からはじまるのだなぁ...と思いました。

「釜山と九州を結ぶトンネル」で、思い出しましたが、2年程前に、同じく『海峡』というドラマが某国営放送でやっていました。
こちらは、第二次大戦下の釜山で韓国人男性と恋に落ちた日本人女性が、日本と韓国の間の“海峡”に引き裂かれながらも、純愛を貫くという作品でした。


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