Tenkuu Cafe - a view from above

ようこそ『天空の喫茶室』へ。

-空から見るからこそ見えてくるものがある-

さらば青春! さらば “ジャンボ”! - (終)

2014-04-29 | その他


4月16日、羽田空港の805番スポットに駐機していたANAB747-400D(JA8961)は、21時02分にブロックアウトし、C滑走路から21時12分、テイクオフ、離日した。

同機は、フェリーフライト、NH9432便(9000番台は回送便)としてアンカレッジを経由し、その後はアメリカ・ミシシッピ州のテューペロ・リージョナル空港 (Tupelo Regional Airport)に向う。



テューペロ・リージョナル空港到着以後は、補修用に部品取りが行われた後、解体、リサイクル可能な各パーツが再利用されていくものと思われる。





これにより日本の航空会社が保有する旅客型のジャンボはすべてなくなり、日本貨物航空のFleighter(貨物型)と政府専用機のB747のみとなる。



















さらば青春! さらば “ジャンボ”! - (10)

2014-04-28 | その他


思えば、

「スーパージャンボ」の愛称で親しまれたANAのB747SR-100が就航したのは、1979年(昭和54年)、一足先に就航していた日本航空のB747SR-100とともに、所狭しと羽田空港に離着陸を繰り返していた。

JALのDC10やANAのL1011(トライスター)より一回り大きく,4つのエンジンをもった堂々とした一際目立つその美しい姿に、感動し、憧れ、夢をも託したものだ。


広い客室と、安定したフライトは、飛行機の旅をこの上なく快適なものにしてくれた。

国内も海外も、空の旅は、タイムテーブルを見て、ジャンボのフライトを好んで選んだ。


安心感なのか親しみなのか.....、大好きな飛行機だった。


青春時代をともにした飛行機だった......















さらば青春! さらば “ジャンボ”! - (9)

2014-04-27 | その他


408番スポットで、退役セレモニーを終えた後、B747(JA8961)は、第2ターミナルの送迎デッキへ集まった多くのファンのために、再度第2ターミナルの64番ゲートへと牽引された。

 
B747(JA8961)のコックピットのハッチを開け、藤村機長が顔を出し、手を振って送迎デッキへ向けて感謝の意を表した。


B747の最後の雄姿を一目見ようと展望デッキに駆けつけた人々は、全運航を終えたB747(JA8961)に別れを惜しんだ。








さらば青春! さらば “ジャンボ”! - (8)

2014-04-24 | その他

16時から始まったセレモニーでは、126便のPIC(Pilot in command)を務めた藤村機長が全日空 社長篠辺修氏に最終フライトの報告をした。


篠辺社長は、「無事に747型機最後のフライトが終了し、これによってANAが所有するすべての747型機のフライトが終了しました。これまで沢山のお客様に利用いただき、ありがとうございます。747型機は世界で初めてとなる2階建ての飛行機で、遠くから見てもすぐに存在が分かるとても印象深い飛行機でした。前身となるSR型機から35年ほど運航してきましたが、その間大過もなく運航できました。また長年にわたって安全運航をしてきた社員や協力会社に感謝します。今後もこの経験を活かして快適なフライトをお届けできるよう頑張っていきます」と述べた。


藤村機長は、「ラストセレモニーにお集まりいただきありがとうございます。本日は晴天に恵まれ、多くのスタッフらの支援をうけて無事ラストフライトを終えることができました。時代の流れとはいえ、大好きなジャンボジェットが退役するのは非常に残念ですが、この熱い思いを次世代の翼に託し、引き続き多くの皆様に安全で夢のある空間を提供できるよう社員一同一層努力していきます」と挨拶した。















さらば青春! さらば “ジャンボ”! - (7)

2014-04-21 | その他

定期便最後のフライトとなったB747、NH126便は、那覇空港を12時59分にブロックアウト、13時22分に同空港を離陸。

その後順調に飛行し、羽田空港へは15時13分、A滑走路/RWY34Lに着陸した。

到着予定のスポットには直接向かわず、まずは多数の航空ファンの待ち構える第2ターミナルへ向けてタキシングした後、退役セレモニー会場となる408番スポットに到着。定刻よりも32分遅れの午後15時30分であった。

到着したB747(JA8961)は、国土交通省航空局所属の消防車による放水で発生した虹の中をくぐるようにして花道を飾った。


408番スポットに到着した同機にはタラップが取り付けられ、最後のフライトを堪能した乗客らが降機。通常のフライトでは飛行機から降りたあとはすぐにターミナルへ移動することになるのだが、今回は特別なフライトであり、乗客らは時間をかけて機体のまわりで最後の別れを惜しんだ。










さらば青春! さらば “ジャンボ”! - (6)

2014-04-20 | その他


2階デッキ部を引き延ばした、SUD(=Suspended Upper Deck)タイプでは、普通席を一気に74席にまで増やした。これは、かつて日本の国内線で活躍した、国産旅客機のYS-11型の座席数に相当する。

かくして、ジャンボ機シリーズの中でも、導入当時は全座席数569席を数え、世界最大の座席数を誇る、ジェット機が出現した。発注を行ったのは、JALとANAの2社のみ、日本向けの特別仕様機である。



この巨大キャパシティを武器に、羽田を拠点とした新千歳・伊丹・福岡・那覇線へと就航。狭い日本の国土を、ジャンボ機が毎日何十便も飛んだ。まさに日本の経済を支える存在となり、日本人に「ジャンボ機=日本の空の象徴」であることを深く印象付けた。


世界で約1500機が引き渡されたジャンボ機、B747。
全2階建の超大型機、Airbus社のA380が、2007年にデビューするまで、長らく世界最大の旅客機の地位にあり続けた。











さらば青春! さらば “ジャンボ”! - (5)

2014-04-12 | その他


B747は、もともと貨物機としての転用を見越して設計されたため、貨物コンテナを前から積むことを考えて、機首部分の操縦席を上部デッキに配置するという特徴のある形状となった。そしてジェット旅客機としては、初の2階建て客室を持つ機体となった。

販売が開始された当時、2階デッキ部は豪華なラウンジとして使用されたが、B747の派生型の-300型、-400型において、2階部分を7.11メートル延長することで、さらに多くの客席を増やすことが可能となった。


1階機首部分は、多くの航空会社で ファーストクラス、ビジネスクラスなど上級クラスとなっており、機首部分の最先端にまで座席が配置されているのはB747のみである。











さらば青春! さらば “ジャンボ”! - (4)

2014-04-10 | その他


ANA NH126便(那覇→羽田)ラストフライト藤村機長のアナウンスです。



ご搭乗の皆様、こんにちは。機長の藤村でございます。
おやすみのところ失礼致します。

本日はこのボーイング747ジャンボジェットの日本でのラストフライトに
ご搭乗頂きまして誠にありがとうございます。

当機、本日の巡航高度39,000ft、約11,900mにて順調に飛行を続けております。
ちょうど先ほど、左手に奄美大島を通過したところでござます。

当機はこの先、本邦南洋上を北上致しまして
最終的に新島から房総半島経由にて目的地羽田空港へと向かってまいります。

現在のところ、皆様の羽田空港到着、遅れて恐縮ではございますが
20分遅れ、15時20分、午後3時20分前後を予定しております。

なお、この先の航路上の天候でございますが
昨日まで本邦を横切っておりました前線が通過いたしまして
比較的穏やかな中で目的地まで迎える見込みでございます。

ただまだ,強い偏西風の中での飛行でございますので
急に揺れる事もございます。
お座席にお座りの際は安全の為シートベルトをお願い申し上げます。

また最後になりましたが
このボーイング747ジャンボジェットについて少しお時間頂きたいと思います。

このボーイング747型機は、ANAにおいて今から35年前、1979年に導入されましたが
以来長きに渡りまして,ジャンボジェットの愛称で親しまれ,そして,
可愛がっていただきました事、改めましてお礼申し上げたいと思います。
本当にありがとうございました。

このジャンボジェットは現在世界で運航されています旅客機の中で
一番速い飛行機とも言われております。音速の約92%出すことができ
追い風時は、時速1,200kmに達する事も御座います。

また、揺れに強いと言われる飛行機でもあり
速さと居住性を両立させた本当に素晴らしい飛行機でございます。

私事で恐縮ではございますが、私はジャンボの操縦25年前に始めました。
当時、このジャンボジェットを初めて見たときは、この圧倒的な存在感に
ホントに私に、この飛行機が操縦できるのだろうかと不安に思ったのを
覚えております。以来、パイロット人生のほとんどをこのジャンボと過ごしてまいりました。
ともに多くの経験をし、そしてパイロットとして育てて貰った様に思います。

時代の流れとはいえ、この大好きなジャンボジェットが
退役する事は非常に残念ではございますが
このジャンボへの想いを,熱い想いを,次世代の翼に繋げ
引き続き多くの方々に安全でそして夢のある空間をお届けできる様
従業員一同努力してまいりますので、引き続き見守って頂ければ幸いでございます。

それでは、後1時間20分程の飛行になりましたが
この大きくて早くて、そして快適なジャンボジェットの空の旅を引き続き
お楽しみ下さいませ。改めまして本日のご搭乗ありがとうございます。

失礼致します。











さらば青春! さらば “ジャンボ”! - (3)

2014-04-06 | その他


乗客569人と乗員17人(運航乗務員2人、客室乗務員15人)を乗せた那覇発羽田行きNH126便は、定刻より24分遅れて午後0時59分に那覇空港32番スポットを出発した。


使用された機体(登録番号JA8961)B747-400Dは、1993年4月13日製造。総飛行時間は4万6160時間、ANAでは1979年のB747の導入以来、約35年間に渡って通算で47機を就航させてきたが、同型機のなかでANAが運航する最後の1機となった。



コックピット左席(PIC)はB747-400部長の藤村弘機長、右席には往路NH127便でPICを務めた神田丈司機長、チーフパーサーは千葉陽子CA。15名の客室乗務員は747-400就航当時の8代目制服を着用した。










さらば青春! さらば “ジャンボ”! - (2)

2014-04-03 | その他



日本の国内線で初めてB747が就航したのは、1972年8月1日、JALの羽田-那覇であった。そして2014年3月31日、ANAが同路線で、国内線旅客運航便としての最終運航を行った。

B747は実に42年近くにわたって運航され、沖縄と本土を行き来するための重要な移動手段としての役割を担ってきた。


国内線でのB747の運航は、まさに「羽田-那覇」に始まり「羽田-那覇」に終わることとなった。










さらば青春! さらば “ジャンボ”! - (1)

2014-04-01 | その他


「ジャンボジェット」の愛称で親しまれたボーイング747型機が31日、ANA(全日本空輸)の那覇―羽田便(NH126便)で最後のフライトを終えた。

JAL(日本航空)の同型機は、すでに2011年3月にすべて退役しているので、日本の旅客型のボーイング747型機は、ANAのこのフライトが最後となる。

日本では、日本航空の導入以来、各社で44年間運航されてきたが、老朽化などに伴い、日本の空から姿を消すことになった。