Tenkuu Cafe - a view from above

ようこそ『天空の喫茶室』へ。

-空から見るからこそ見えてくるものがある-

”筑波嶺の峰より落ちる男女の川...” - 筑波山

2008-11-29 | 関東
筑波山は、関東地方東部、つくば市の北端にある標高877mの山。美しい姿から富士山とも対比され、「西の富士、東の筑波」と並び称される。古くは万葉集にも詠まれた名山で、日本百名山の一つに挙げられている。山頂が2つ、西側に位置する男体山(871m)と東側に位置する女体山(877m)からなり、そこから生産のシンボル、神の住む山として、古くから多くの人々に愛され、信仰されてきた。また、山肌の色が朝が藍色、昼が緑、夕は紫と、一日にその表情を幾度も変えることから「紫峯」という雅称でも呼ばれる。ガマの油売りの口上でも有名。

天に架ける橋 - 天橋立

2008-11-26 | 近畿
天橋立は、宮津湾と内海の阿蘇海を分ける全長3.6km、幅20~170m、面積24haの砂嘴。丹後半島側の河川から流出した土砂が、日本海にうち寄せる波に運ばれ積もった貴重な砂浜で、今から4~3千年前に海面に顔を出したと言われている。天橋立を彩る松並木は、4~5千本とも言われ、白砂青松が海の青さに映え、古来から日本三景の一つとして知られた景勝地であった。その風景は、日本の文化景観の代表として古くから和歌や絵画など文化・芸術の題材となり中でも中世室町期の水墨画家・雪舟が描いた国宝「天橋立図」が有名。



晩秋の丹波路 - 篠山・大芋(おくも)

2008-11-23 | 近畿
篠山市(ささやまし)は兵庫県の東の端にあり南は大阪府、北は京都府と接していて、古来京都への交通の要として栄えてきた歴史があり、町並みや祭りなどに京文化の影響を色濃く残している。気候は盆地特有の寒暖差が顕著で冬季の寒さは比較的厳しく、夏は高温・高湿である。秋から冬にかけては盆地特有の濃い霧が発生する日が多く、低い山からでも眺められる雲海は「丹波霧」とも呼ばれ名物にもなっている。丹波黒大豆の生産が全国的にも有名となっている。

京都・洛北- 岩倉盆地

2008-11-22 | 近畿
京都市街の北東部、岩倉盆地周辺は、良質の粘土と燃料の薪に恵まれ、平安京造営以前から瓦製造が盛んだった。栗栖野瓦窯跡は平安時代の官営の窯跡群として有名で、この地で生産された瓦は、平安宮や平安京、東寺、西寺等の寺院へ瓦を供給し続けて来た。岩倉盆地の南半分は、深泥池や宝ヶ池が広がる。深泥池には中央にミズゴケなどでできた浮島があり、ミツガシワ、ホロムイソウなど氷河期からの植物が生息。池底には十数メートルもの泥炭層が積もり、十数万年の歴史を持つと推定されている。


天下分け目の天王山 - 京都・大山崎

2008-11-20 | 近畿
京都府の南西端に位置する大山町は、丘陵地が平野に近く迫り、そのふもとに桂川、宇治川、木津川の三川が合流し、淀川となるため、京都盆地の出口を押さえる軍事・交通の要衝として古くから栄えた。秀吉と光秀が天下を賭けて争った「山崎合戦」は大山崎町天王山が舞台となった。この故事から雌雄を決することや勝負の分かれ目のことを「天王山を迎える」と呼ぶ成句が生まれた。名水の地としても有名で、利休作の茶室・国宝「待庵」や、加賀正太郎が造営した大山崎山荘を前身とするアサヒビール大山崎山荘美術館など多くの文化財がある。

平城の陵(みささぎ) - 宝来山古墳・伝垂仁天皇陵

2008-11-18 | 近畿
奈良盆地の広い田園風景を眺め、秋篠川に沿って南下する。大阪への分岐点、大和西大寺駅を過ぎると、周囲を堀で囲まれた前方後円墳が現れる。宝来山古墳・第11代垂仁天皇の陵墓だ。垂仁天皇は、実在したかどうかは疑わしいが、皇女の倭姫命に天照大神の祭祀を行わせたり(伊勢神宮の起源)天皇の葬儀の際に殉死を禁じて埴輪を葬るよう定めたことなどが知られている。周辺は「西の京」と呼ばれ、唐招提寺、薬師寺といった古刹も多く、歴史の薫る街である。

4億年もの地質の差が合流する地 - 糸魚川

2008-11-10 | 関東
糸魚川市(いといがわし)は、新潟県最西端に位置し、北アルプスと頸城連峰が日本海に落ち込み、その山間を流れる早川、海川、姫川が日本海に注いでいる。糸魚川静岡構造線(フォッサマグナの西端)が通り、日本の東西の境界線上に位置する。糸魚川―静岡構造線の西側(奥)の地層は古く(4億年前~5千万年前)、東側(手前)の地層は新しい(1500万年~現代)もの。2800mの標高の差と4億年もの地質の差が合流する地なのだ。糸魚川は世界的にも珍しい翡翠の産地としても有名。

頸城アルプス - 妙高・火打・焼山

2008-11-08 | 関東
妙高連山は、妙高山2454m・火打山2462m・焼山2400mなどからなり、活火山の焼山、外輪山に囲まれた複式火山の妙高山、ゆるやかな山容の火打山など、個性的な山が揃っている。中腹には天狗ノ庭、高谷池湿原、黒沢湿原など大小の湿原が点在し、秋は草紅葉が、雪解け後には、ハクサンコザクラが湿原を彩る。妙高山は信仰の山としても知られている。背後に聳えるのは高妻山2352m。

標高2145mに広がる「棚田」 - 苗場山

2008-11-06 | 関東
苗場山2145mは新潟県と長野県の県境にまたがり、上信越高原国立公園の中心をなす山である。山頂は4Km四方におよぶ広大な高原状の台地で、オオシラビソの林に囲まれた大湿原に池塘が点在し、お花畑が広がる。高山帯の湿原に生えるミヤマホタルイが多く、初夏に湿原で苗田代のように芽吹くことから苗場の名が生まれたという。古くから稲作の守り神としての信仰を集め、山頂には伊米神社が祀られている。左上に見える湖は、野反湖(のそりこ)。


奥利根湖と上越国境の山々

2008-11-04 | 関東
奥利根湖は利根川の最上流部に作られた矢木沢ダムによる人造湖。 奥利根の利根川水系に作られたダムとしては他に藤原ダム(藤原湖)、奈良俣ダム(奈良俣湖)、須田貝ダム(洞元湖)がある。特に東京都で使用される水の約80%が利根川水系からのものであることから、「関東の水がめ」といわれる。紅葉に彩られた稜線は、巻機山、朝日岳を経て谷川連峰へと連なる上越国境の山々。

「天上の楽園」再び - 尾瀬・アヤメ平

2008-11-03 | 関東
アヤメ平は、尾瀬ケ原(標高約1400m)の南に位置し、標高1900mの高地に湿原が広がる。アヤメ平は昭和30年代に「天上の楽園」ともてはやされ、多くの入山者に湿原を踏み荒らされたため裸地化してしまった。昭和44年からミタケスゲなどを植えたりして湿原の回復作業を続けているが未だ完全には回復していない。現在では尾瀬自然破壊の象徴になってしまっている。アヤメ平にはアヤメはなく、群生していたキンコウカの葉をアヤメと見間違えて付けられた名前らしい。

至仏山と草紅葉の尾瀬ケ原

2008-11-01 | 関東
10月中旬、尾瀬の湿原では草紅葉がピークとなり、一面を紅に染めていた。尾瀬ケ原は、標高約1400m。周囲を2000m級の山並に囲まれた東西約6㎞、南北約2㎞の広がりを持つ本州最大の高層湿原である。原は、上、中、下の3つの田代に分かれ、上田代は原西端の山の鼻から、尾瀬ケ原に突出した小さな尾根状の牛首付近までで最も水気が多い。至仏山2,228mは、尾瀬ケ原の西端に位置し、東の燧ケ岳とともに尾瀬を代表する名山である。ミズバショウのバックに残雪の至仏山がそびえる写真はよく目にする。温和で女性的な山容や素晴らしい眺望、高山植物の豊富さなどで登山者の人気を集めている。