Tenkuu Cafe - a view from above

ようこそ『天空の喫茶室』へ。

-空から見るからこそ見えてくるものがある-

Cafe belvedere - (24)

2014-05-20 | Cafe 



パリの南に位置するモンパルナス(Montparnasse)。

“ラ・ロトンド(La Rotonde)”というカフェがある。

1903年創業、パリにある有名な老舗カフェの一つである。





当時、モンパルナス界隈は街外れの新興地だったため家賃が安く、多くのアーティストが暮らしていた。

ピカソ、ジャン・コクトー、モディリアーニ、藤田嗣治といったアーティストが、このカフェの常連で、毎日のように店に通ってきては酒や煙草を楽しみながら芸術論を戦わせ、お金がないときには、飲食代の代わりに自作の作品を置いていったという。



その当時の作品が、今でも店内のあちこちに飾られている。










Cafe belvedere - (23)

2014-05-18 | Cafe 


「わたしが表現しようとしていることは、運動の感覚です。
動物園で動物たちが歩きまわるとき、私自身も動物になります。
わたしの興味をそそるもの、それは動きまわっている動物の姿なのです。」




ルネッサンス以来、毛並みや、複雑な筋肉の起伏を細かくす再現するような写実的表現が主流であった動物彫刻に、なめらかで洗練された輪郭線をもつ作品を生み出し革新をもたらしたポンポン、その歴史的意義は大きい。



ボリューム感があって、なめらかな曲面をもつ、愛らしい表情をしたポンポンの動物たち。
見る者を思わず微笑ませてくれる。











Cafe belvedere - (22)

2014-05-11 | Cafe 




故郷のソーリューに、ポンポンの名を冠した小さな美術館があり、またディジョン美術館にはポンポンの作品を集めた一室もある。


実物大石彫「シロクマ」は、パリのオルセー美術館が購入し、そのコレクションはとりわけ有名である。




また、アメリカ・メトロポリタン美術館もポンポンの作品(大理石)を所蔵しており、昨年日本においても東京都美術館で「シロクマ」が展示され好評を得た。












Cafe belvedere - (21)

2014-05-09 | Cafe 


その後、ポンポンは、動物をモチーフとした彫刻に専念する。


彼は、極端なまでにフォルムを単純化し、なめらかに磨くことで、単純なフォルムをさらに強調するという作風を確立した。

それぞれの動物の忠実な再現よりも、形態の本質を追究する新しい動物彫刻を生み出したのだ。




そして、1922年、あの実物大彫刻「シロクマ(Polar Bear)」を発表。

革新的な動物彫刻として、広く認められることになる。



ポンポン、67歳であった。










Cafe belvedere - (20)

2014-05-06 | Cafe 



フランソワ・ポンポン 



何とも、あたたかみのある、愛らしい名前だろう。


フランソワ・ポンポン(François Pompon)は、1855年、フランスのブルゴーニュ地方の中心都市ソーリューに生まれた。


木工職人であった父のアトリエで木工の手ほどきを受けた後、大理石職人のもとで石工として研鑽を積む。
同時に、美術学校で建築や版画、彫刻を学んた。



そしてパリへ。

モンパルナス墓地近くの葬儀屋で墓石作りの仕事するかたわら、彫刻と解剖学を学んだ。解剖学の先生と動物園へ行き、動物の動きに魅せられる。

1890年、ロダンのアトリエに入り、大理石職人として、ロダンやカミーユ・クローデルの制作に協力。長い間、他の彫刻家のために働いた。


ポンポンは、当時パリで展示された日本やエジプトの平面的で、単純化されたアートに深い影響を受けた。














Cafe belvedere - (19)

2014-05-05 | Cafe 







五月、カキツバタの開花時期になると、毎年訪れるカフェがある。









京に、居場所がないと思った、平安の歌人、在原業平は、同じ気持を抱いていた友と、京から東の国へ下り、三河の国、八橋にたどり着く。

川のほとりで食事していると、目の前には燕子花が咲き乱れていた。
そこで友から“かきつばた”の5文字を入れて、歌を詠めと促された業平はこう歌った。



からころも

きつつなれにし

つましあれば

はるばるきぬる

たびをしぞおもふ



『伊勢物語』の九段目「東下り」のよく知られた歌である。





  
江戸時代の画家、尾形光琳は、この歌をモチーフに、『燕子花図屏風』を描いた。

総金地の六曲一双屏風に、燕子花の群生が、濃淡の群青と緑青によって鮮烈に、そしてリズミカルに描かれている。
















Cafe belvedere - (17)

2014-05-01 | Cafe 




First of May



When I was small, and Christmas trees were tall,

we used to love while others used to play.

Don’t ask me why, but time has passed us by,

someone else moved in from far away.


Now we are tall, and Christmas trees are small,

and you don’t ask the time of day.

But you and I, our love will never die,

but guess we’ll cry come first of May.


The apple tree that grew for you and me,

I watched the apples falling one by one.

And I recall the moment of them all,

the day I kissed your cheek and you were gone.


Now we are tall, and Christmas trees are small,

and you don’t ask the time of day.

But you and I, our love will never die,

but guess we’ll cry come first of May.

When I was small, and Christmas trees were tall,


do do do do do do do do do…

Don’t ask me why, but time has passed us by,

someone else moved in from far away.







今日から五月。


毎年、若葉が萌え始めると思い出す曲がある。

往年の名ポップグループ、ビージーズの歌う First of May。

1969年発表の「odessa/オデッサ」 に収録されている。


淡い初恋の切なさを唄った曲で、
イギリス映画「小さな恋のメロディー」(Melody:1971))の挿入歌にもなった。

トレーシー・ハイドとマーク・レスターが手を繋いで墓地を歩くシーンが蘇る。