Tenkuu Cafe - a view from above

ようこそ『天空の喫茶室』へ。

-空から見るからこそ見えてくるものがある-

琉球弧の島々を飛ぶ (33) - 与那国島

2009-09-06 | 沖縄
日本最西端。台湾まで111㎞。
年に数回は台湾の島影が見えるという国境の島、与那国島は、古くから“渡難(ドゥナン)”と呼ばれていた。
切り立った断崖に囲まれた島の周囲の海は荒れやすく、かつての渡海は大変な困難を伴ったという。
一方この絶海の孤島の周囲には、フィリピン沖で誕生した豊かな黒潮が流れ、様々な大型回遊魚が集まる。

与那国島の久部良を舞台に、一人の漁師を追った記録映画『老人と海』(1990年)が製作された。
小さなサバニを操り、カジキマグロと格闘しながら釣り上げる老人の姿がドキュメンタリーで描かれている(主人公の糸数繁さんは映画完成後、サバニでカジキ漁中に亡くなった)。

1986年、島の南側にある新川鼻(あらかわばな)岬の沖合100mほどの海底で1986年、巨大な一枚岩が発見された。「一枚岩」は周囲数百メートルに及ぶ巨大なもので、人工的に切り出したような跡や、階段状の壁、柱が立っていたと思わせる穴など、人が加工しなければできないかのように思われる形状を備えていたため、遺跡ではないかと報道された。
そして、この海底地形を巡っては、グスクと呼ばれる城塞だという説、神殿、水中の墓、石切り場だったという説から、与那国島の海底遺跡こそムー大陸の一部だったという説まで、実に様々な説が唱えられるようになったのである。