Tenkuu Cafe - a view from above

ようこそ『天空の喫茶室』へ。

-空から見るからこそ見えてくるものがある-

群馬の秘境 - 丸沼・菅沼

2008-10-30 | 関東
丸沼高原は、群馬県片品村の北東に位置し、標高1,400mの高原。周辺には、ブナやミズナラなどの原生林で囲まれた神秘的な湖、丸沼や菅沼がある。丸沼は海抜1,430m、日光白根山の爆発溶岩によって堰き止められてできた湖である。菅沼は丸沼からおよそ9km離れたところにあり、丸沼と同じ堰き止め湖で、湖面の高さは1,731m。透明度の良さとともに、その高さは日本有数の湖として名高い。紅葉の時期には全山紅や黄色に染まる。幸田露伴の名作「対髑髏」(ついどくろ)の舞台になったところとしても知られる。

奥日光の秋- 男体山・中禅寺湖 

2008-10-28 | 関東
奥日光は男体山の噴火活動などにより劇的に地形を変えてきたエリアである。湖や滝、草原や湿原などさまざまな顔がまるで箱庭のようにそろっている。昭和9(1934)年に国立公園に指定された。中禅寺湖は2万年前に男体山の噴火でできた堰止湖。人造湖を除く湖としては、日本一標高の高い場所にある湖である。湖のすぐ北には男体山がそびえ、北西には戦場ヶ原が広がる。2005年11月、上流の湯ノ湖、湯ノ湖から流れ出る湯川、下流の小田代原と共に、奥日光の湿原としてラムサール条約登録湿地となった。

秋色の室堂平と立山

2008-10-27 | 中部
立山は、浄土山2831m、雄山3003m、別山2880mを含めた連山の総称で立山三山と呼ばれる。雄山山頂の西側にある山崎カールは幅約400m、長さ約600mの小さな圏谷。1905年、地理学者山崎直方により日本で初めて発見され、日本に氷河時代が存在したことが証明された。氷河期には立山も室堂もすっぽり氷河に覆われていたという。室堂2450mは、アルペンルートの最高所で立山への登山口ともなっており、雷鳥平には立山火山の火口湖「みくりが池」があり、「地獄谷」は今も水蒸気を噴出している。

錦秋の黒部平

2008-10-25 | 中部
北アルプス中央部の3000メートル級の山々が連なる立山連峰と後立山連峰に挟まれ、コバルトブルーの水を湛える黒部湖。この黒部の谷を仕切るコンクリートの壁は、日本最高の標高(1448m)に位置するアーチ式ダムである。1956年建設が開始され、7年の歳月と難工事の末1963年に完成した。扇沢から赤沢岳(2678m)の山腹をトロリーバスが貫き、錦秋ののタンボ平のなだらかな大斜面をロープウェイがつなぐ。

黒部源流の峰々- 三俣蓮華岳・黒部吾郎岳

2008-10-23 | 中部
三俣蓮華岳2,841mは、北アルプスのほぼ中央部に位置する。比較的なだらかな山容で、高山植物が咲き乱れるお花畑の豊富な山として知られる。雪渓とお花畑、モレーンや日本の氷河遺跡では珍しいといわれる羊群岩なども見ることができる。北アルプスの他の山にない独特の景観がある。槍穂高連峰から続く主稜線は、ここから、後立山連峰と立山連峰に分かれる。 長野県、岐阜県、富山県の3県の境の山でもある。画面中央部には双六岳、右上は黒部五郎岳2,840m。

大伽藍の衛兵 - 焼岳

2008-10-20 | 中部
焼岳2455mは、北アルプスの槍ヶ岳から連なる稜線の南端に位置し、唯一の活火山。穂高連峰をバックにした上高地にあって、茶色いトロイデ型の焼岳は一種独特の存在感がある。深田久弥は、「群雄の大伽藍の衛兵のようだが、なかなかのくせもので表面は穏和を装いながら次に打つ手を考えているかもしれない」と述べている。大正4年6月の噴火で、梓川をせき止め、それがのちに大正池と命名されたことはあまりにも有名である。この時期 梓川の流れと黄金色に色づく落葉松林を前景にして上高地から仰ぐ焼岳は、ひときわ美しい。

沸き立つ山肌 - 槍・穂高主脈

2008-10-18 | 中部
槍ヶ岳から北穂高岳へは、大喰岳3101m、中岳3084m、南岳3032mなど3000m以上の高峰が南北にいくつも連なる。この一帯は、かつて東西両斜面に氷河が発達した地域であり、特に東斜面は氷河の発達が著しく、現在は河川の源流部に氷河が削った巨大なカールが数多く分布している。東鎌尾根や横尾尾根など長い尾根と、槍沢や横尾本谷などの渓谷が複雑に構成されており、この時期これらの氷河地形と紅葉が創りだす風景美は圧巻である。


山岳氷河が削った爪痕 - 穂高主稜線

2008-10-15 | 中部
奥穂高岳より涸沢岳、北穂高岳へと続く穂高連峰の主稜線を望む。奥穂高岳と涸沢岳の鞍部、白出(しろだし)のコルへは、ザイテングラード(ドイツ語:Seitengrat)と呼ばれる支稜が、北穂高岳へは、南稜とゴジラの背と呼ばれる東稜が伸びている。穂高には、スケールといい、険しさといい、人間の想像を超える造形美がある。

燃える岩峰 - 穂高連峰

2008-10-13 | 中部
「涸沢の紅葉を見ずして 穂高を語ることなかれ」 今、穂高連峰は紅葉のピークを迎えている。穂高連峰は、日本列島の中央部に連なる飛騨山脈、通称北アルプスと呼ばれる山岳エリアの南部に位置し、主峰奥穂高岳(標高3190m)をはじめとして、涸沢岳(3,110m)、北穂高岳(3,106m)、前穂高岳(3,090m)、西穂高岳(2,909m)などからなる。 難易度の高い縦走路、登攀ルートを数多く抱え、その迫力ある急峻な岩稜、稜線からの大パノラマ、また涸沢カールからのヨーロッパを思わせる壮大な眺めなどが多くの登山者を魅了する。


日本有数の穀倉地帯 - 十勝平野・帯広

2008-10-08 | 北海道
十勝平野は帯広を中心に南北120キロにわたる。ジャガイモや小麦の畑が広がる日本有数の穀倉地帯で、まっすぐな防風林に区切られた畑が碁盤の目のように広がる。 明治の半ばに始まった開拓で原生林が切り開かれた。十勝開拓の歴史で特徴的なことは多くの開拓は官主導で行われたのに対し「晩成社」をはじめとする民間の開拓団により進められたことである。十勝開拓の祖・依田勉三が商品化した道産第1号バターがマルセイバタ。「マルセイ・バターサンド」は、その時のラベルを復刻したもの。


日高山脈、秋色

2008-10-07 | 北海道
9月下旬、秋色に染まる日高山脈上空を飛ぶ。北海道の中央部を南北約150kmにわたって走る日高山脈は、「幌尻岳」を最高峰とする海抜1,500~2,000m級の山々が連なる。1300万年前、海底から隆起して出来た山並みは、長い時間をかけ雨や風、雪に浸食され、鋭い峰々を見せている。氷河の痕跡「カール」、稜線の鋭く切れ込んだ「ナイフリッジ」などの地形が特徴。

東日本最大の吊り橋 「白鳥大橋」

2008-10-06 | 北海道
白鳥大橋は、室蘭湾をまたぐようにかかり、室蘭と東室蘭を結ぶ。関東以北では最大の全長1,380mの吊橋である。構想は昭和26年まで遡る。そして60年に着工し、平成10年に念願の開通が叶った。 名前の由来は室蘭湾が別名で白鳥湾と呼ばれていることから。その昔、多くの白鳥が飛来したことに由来するという。

母なる大河 - 石狩川河口

2008-10-05 | 北海道
石狩川は、大雪山系石狩岳に源を発し、流路延長は268kmで信濃川・利根川に次ぐ日本第3位。大小70余りの支流の水を集め、最後にたどり着くのは、北海道の道花「ハマナス」で有名な石狩浜。川から運ばれた砂が長い年月をかけて積もり、砂丘を築いている。「神々の庭」で生まれた一滴は、多くの流れを集めながら、北の大地と暮らしを潤す大河となり、ハマナス、ハマヒルガオ、ハマエンドウなどの花が咲く浜の河口からやがて日本海へと注いで行く。

石狩川水系・当別川

2008-10-04 | 北海道
石狩川の名前は、「曲がりくねった川」を意味するアイヌ語「イ・シカラ・ペッ」に由来する。石狩川流域の発達の歴史は、そのまま明治・大正期における北海道開発の歴史となるほど開拓史に占める地位は大きい。石狩当別は1871(明治4)年に、仙台支藩岩出山藩の伊達邦直主従が、原始林で覆われた石狩川上流に入植したことから始まる。繰り返す石狩川の氾濫に苦しめられながらも、開拓を続ける人々の姿は、本庄陸夫の小説「石狩川」で生き生きと描かれている。

石狩川・三日月湖 - 袋地沼

2008-10-03 | 北海道
砂川市・奈井江町のあたりでは、北海道一の大河「石狩川」からできた多くの「三日月湖」を見ることができる。水の勢いで川の曲がり方がだんだん激しくなり、やがて川が氾濫し、大きく蛇行して流れた川が、運ばれてきた土砂で自然に堤防が作られ、取り残された所が三日月湖となる。袋地沼は、石狩川最大級の三日月湖である。長い北海道の冬の終わりを告げるように白鳥が飛来するのは3月中旬。本州の湖沼で冬を越し、遠くシベリアへ向う。袋地沼は、長旅の重要な休息場所となっている。