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道南の空を飛ぶ (3) - 奥尻島 <蘇生>

2009-09-17 | 北海道
島の最南端青苗地区には、北海道南西沖地震により被害を受けたこの地域を公園として整備し、「奥尻島津波館」や慰霊碑「時空翔」がある。
地震で犠牲になった方の慰霊碑であり、壁に犠牲になった198名の名前が刻まれ、奥尻出身の詩人麻生直子氏の詩『憶えていてください』が刻まれている。

復興宣言をした奥尻島は、新しい町並みも完成し、以前の活気に満ちた姿へと戻りつつある。


1993年7月12日午後10時17分、奥尻島民にと
っては永遠に忘れることのできない日となった。
自然の恵みにつつまれた平穏な島のたたずまいが大地の
鳴動とともに一瞬にして廃虚と化したあの日、あの時の悪
夢を…。
焦燥と悲惨さにあえぎ、さながら“瓦礫のマチ”をさす
らった島民が、その再起、再生の悲願に燃え、立ち上がっ
たのは全国から差しのべられた救援のあたたかい手のぬく
もりであり、島民にとっては決して忘れることのない人間
の愛の尊さだった。
人は苦しみ、悲しみを時として忘却の彼方に追いやる。
しかし、家族や友人など198名の尊い人命を失った冷厳
な事実を、私たち生きながらえた島民は、長く後世に語り
継ぐ責務がある。
私たち島民は、あの辛さ、苦しみに耐え、希望と勇気を
今、21世紀の新しいスタートに向け、未来「奥尻創造」
の大いなる理想に英知と総力を結集することを誓い、ここ
に完全復興を宣言する。
(『北海道南西沖地震復興宣言』より)