中村亮太の活動日記

加古川市のために走り回る中村亮太のブログです

川西市子どもの人権オンブズパーソン制度

2013-03-23 22:49:52 | 活動
今日は川西市まで行ってきました。
川西市子どもの人権オンブズパーソンの年次報告会を聞きに行くためです。





この組織は14年目になるもので、90年当時、学校内でのいじめが問題となり、そこから全国に先駆けて
川西市で設置されたものです。

89年に国連の「子どもの権利条約」に日本も批准しており、それを守ることが活動のベースにあるとの
ことです。
条約の内容としては、子どもの人権の擁護と人権侵害の防止です。

ちなみに、日本は、この条約に批准しているにも関わらず守っていないということで、3回の警告を
受けています。

さて、この組織はいわゆる第三者機関で、子供や保護者、教員などから電話などで相談を受けると、
独自に動きながら関係各所に働きかけて解決を目指していきます。

今年度は198案件、延べ687件の相談を受けたそうで、過去最高だとのことです。

要因としては、やはり大津の事件に端を発するいじめの問題があります。

ただ、いじめに限らず、子供の人権侵害を元に受け付けているため、不登校や家族間の問題も相談として
あるとのこと。

いじめに関しては、その事象のみで捉えてしまっては本質を見失うことがあり、その背後をとらえることが
必要だとの話がありました。
そこには子どもの居場所がなく、生き辛いと感じていることがあるとのことです。
その要因は経済的な問題であったり、家庭の問題であったりケースバイケースなのですが、大事なのは、
「本人」を見てあげること。
ですから、被害者・加害者の二項対立で話してはいけない。

もちろん加害側が悪いのですが、被害者が次は加害者になることもあり、その子をまずは受け止めてあげる
ことが大事ということでしょうか。

そうしたことを、ケーススタディも交えて講演がありました。

印象に残ったのは、子どもの居場所の話。
何かしら問題を起こしてしまう子には、家庭や学校内などで居場所がない場合が多く、話してみると素直で
良い子だったりするケースが多いそうです。

また、人権侵害についても居場所がキーとなるようです。
特に中卒・高校年代は「エアーポケット」と表現しており、相談などの受け皿が少ないことが問題と捉え
ているとのことです。
中学は卒業したが、家庭の事情で一時進学せず、高校に行きたいと思い直したときには相談するところが
ないなどが例です。

このあたりも、子どもの人権を考えれば、社会として整備しなくてはならないところだと感じます。


子どもの人権といったときに誤解してはいけないのは、決して甘やかすことではないことです。
何となく、子どもは守られる存在であり、保護者もいることから、人権も大人と同じではなく小さくて
然るべきというようなイメージがあります。

ですが、人には生まれながらにして誰にも侵されない権利を持つものです。
それを保障している(国に保障させている)のが憲法であるわけです。
(これは前に、自民党の憲法論議の件で書きましたので詳細は省きますが)

子どもの人権も、大人と同じように考える。
むしろ成長・発達の権利を考えると、子どもの方が権利が大きいとの話もありました。


少し話が広がってしまいましたが、例えばいじめといった一つの事象だけに縛られることなく、人権侵害
からの救済という広い視点を持つ必要があるとの認識を持てました。

そうした第三者機関について考える必要もありそうです。

コメント
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