ロイス ジャズ タンノイ

タンノイによるホイジンガ的ジャズの考察でございます。

地震の343号線

2012年12月09日 | 徒然の記
日本列島が強震に揺れた先夜のこと、343号線を海側へ走っていた。
そのとき車内に奇妙な振動がおこり警告音が鳴った。
路肩の事業所前のスペースに停め、携帯の緊急連絡から大地震発生を知ったが、Royceのオーデイオ装置は、盛んに揺れているのか。
しばらく待っていたが回線混雑で通話できなかった。
そのとき、なんてこった、何者かが当方の車を道の反対側から探照灯照射している。
おまけに再び地震がユサユサと始まり、このゆれで津波は?引き返すのか。
だが周囲に停電はまだおこらず、ふたたび竹駒方面にすすむと、峠下の町から避難しているらしい車の長い列を見た。
ただごとではない。
前方の暗い夜景には電飾ライトを回転させた業務車両が遠くに見えて、反射装束を纏った1台が行く手に現れ、高田の海岸道路に近寄らないようにマイクで広報している。
では、大船渡に入るには隧道を行くのか。
そこはむかし道を間違えてゴミ焼却場の広場にはまりこんだところで、あのとき係員が走ってきて「すみませーん、ご苦労様でーす」と声をかけられたのが?いまもって謎であるが、土地勘のない者にすべてパズルである。
しばらく上下や左右に曲がった迷路を走ると、トレーラーが二股道の半分を塞いで、いなせな若い衆がハンドルを動かしており、そこで当方もハンドルを左に切った。
街に警報の長いサイレンは鳴りわたって、やっと夜の大船渡朝集殿に着いてみると、目の前の広場は、かって通信パラボラアンテナ車両はじめ多数の車両で埋まっていた騒然としたあの日がまぼろしのようだ。
いま見る静かな周囲は警報が解かれているらしく、業務を終えた若い女性が一人、また一人門柱の鎖を超えて帰って行く。
当方が次に満員のコンビニから出たあとで、いつもの駐車場に乗り入れた暗がりのヘッドライトに浮かぶもの、この地にめずらしい熊本ナンバープレートを見た。
震災の応援に火の国から遣わされた人が居ると、あとで聞いたものである。
343号線を帰路、笹の田峠のループ橋を過ぎたあたりで、ラジオからめずらしい『リナ・ホーン』の歌うムーン・リバーが流れてきて、しばし耳を傾けたが、地震のおさまった夜道は凍ったマイナス2度であった。
寒さの森にひそむ鹿や狸に、先人の翁と合作によって一句詠む。

旅人と 我が名呼ばれむ 白い月




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