ロイス ジャズ タンノイ

タンノイによるホイジンガ的ジャズの考察でございます。

『ナグラSNST』

2011年12月04日 | タンノイのお話
熟した柿が自然に落ちる。――茶室のタンノイはおそらくそういう音を鳴らしている。
TEACz-6000というカセットデッキを昔、中古を買ったが、そのまま忘れていたのはナカミチ700を使っているからである。
ナカミチはデザインも音も当方の好みで申し分ない。
プチとスイッチを入れて、何かをしながら聴くときはナカミチにする。
ナカミチ社には、さらに性能の良いカセットデッキがあるとお客各位に教わって調べてみたが、使ってみたいデザインは無い。
音が良いデッキなら、アイワのシュトラッサーという金属テープを使う製品が、これまでのカセットデッキの時代をいっぺんに過去に葬り去った凄い音で引き出しに有るので、音は、このさきにあの業務用『ナグラ』が控えている。
これらは茶室の音の話であるが。
携帯タンノイに『ナグラSNST』でもつないで鳴らせば、未来の茶室の理想の完成図である。
あるとき思い立って忘れていたz-6000を、ドッコイショとつないでカセットを鳴らすと、どうもおかしいではないか、ナカミチ700より気品のある音がした。
書類をみると、当時TEACの技術の粋をあつめた最高デッキであると自慢げに目録にあり、ナカミチ700よりはるかに高額である値札に驚いて、本当かなと内部を開けてみると、部品物量がぎっしりと付いている基盤が縦にこれでもかと差し込まれ、前世紀の人知を結集した手仕事に恐れ入った。
持っている人は一度蓋を開いて内部を見ることを勧める、万が一にも音が良くないとすれば、シジュホスの岩である。
当方の音の良い定義は、車のアクセルをグイと踏んだとき、ブルンと唸りつつ何の振動もなく、静かにあっさりと高速で、いつのまにか左右の車が後方にいるような静かな安定感のことを言う。
だが、この音がよいz-6000については、様子が茶室向きではない。
高性能を訴求する見栄えが、勘違いだろうかどうも高級にみえない。
それゆえ届いた品を一目見て、やっぱり安い中古だと思い、忘れていたのだ。
あらためて聴いた音を気に入ってしばらく鳴らしていたある暑い日、突然、ブランデンブルグかマイルスであったかの最中に音がスッと停まった。
パネルは光っているが、この状態はフライホイールのゴムベルトが伸びてメカが空転し「もう休ませてください」といっている、中古品である。
それ以後ずっと休んだままで、またナカミチ700に戻った。
のんびり何かをしているときは、カセットテープが良い。
そういえば、水戸の御仁達が連れ立って登場し、インターネットで応募した五味先生のオートグラフを聴くキップを3度目にして入手できたと申されていた。
五味先生は、おそらくごくろうさんと言いつつ、復元するなら浄と掛かった書斎の様子ごと五味記念館にして、そのうえ鎌倉の御仁の蔵書付き復元館も並んでいたら江戸の名所ではないか。
このまえ関が丘の哲人の部屋を携帯写真で見せていただいたが、壁の書棚のたたずまいといい、新型パソコンも置かれた新境地に御仁はあっさり住まっていて、気分の良さにおどろいた。
その意味でまだ訪問していないが、先夜10分だけ現れたV6アウディの御仁は、こんどはブルーのジャガーに乗って来ましたヨ、といい、そぼふる雨のなかを当方同道に橙色の前後のライトの発光具合など指し示し、しばらく満足を堪能した。
そのときふと、以前目黒で見た同じ青いジャガーについて、ドアの立て付けが名刺一枚の隙間もないような密着構造であったのは年代価値的に言ってどうなのか、質問すると、
「フッフ何をおっしゃる。この間隔こそが良いのです」と眼が申されている。いかにも左様であった。
昨日たまさか「約束のワインをいただきにきました」とシャコンヌ氏が現れて、当方は惜しみつつ96年の隠匿御物を譲り渡してしまったのでいまシャコンヌ氏宅にあるが、開栓はおそらくクリスマスか、正月か。






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