ロイス ジャズ タンノイ

タンノイによるホイジンガ的ジャズの考察でございます。

ロン・カーターのMY PRINCE WILL COME

2010年06月15日 | 徒然の記
80年代に、2800円したカセットテープも、いま購入すれば300円と書いてある。
そのころの為替レートで勘案すると100円かもしれない。
これをナカミチの縦型デッキで聴いてみた。
ケニー・バロンのピアノが遠慮がちにポロポロンとやって、J・デジョネットのドラムスがシュン・シュンとやっているバンゲルダー・スタジオのコマーシャル録りだが、やはりそこはロン・カーターである。
一緒にコマーシャル録りしたウイスキーを片手に、一杯やろうといっているロン・カーターのポスターがまぶしい。
この80年代のころ、われわれの日常はどうだったか?
そこに、いまは独立されて事務所を構える御仁が入ってきた。
二枚の見積書を並べ、こちらの選択を待っている相当な手際の良さだ。
「明細については、本店のウエブサイトでご確認くだされば、幸甚です」などと言いながら、説明書発送は極力省略するように、訓令されているのであるそうだ。
――あの、わざわざ来ていただいて嬉しいが、外交と事務所の来訪とどちらが多いのでしょう?
「85パーセント、わたしがそとに出掛けて営業します。事務所に来る人は、まず、いませんね」
ロン・カーターは、すかさずベースの運指を多彩に変化させて、人々が、その後の夏や風雪にくりかえした記憶を一瞬のまぼろしのように弾き流した。





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