自民党一強時代に変化の兆し?2023年政治トピック振り返り|統一地方選、マイナ保険証問題、自民党裏金疑惑、野党勢力支持率の変化……。2023年の政治重大ニュース・トピック振り返りと2024年の展望
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安倍派・二階派を強制捜査
自民党政治を終わらせよう
政治の責任で真相解明し 法の大穴ふさげ
小池書記局長が会見
東京地検特捜部が自民党の「清和政策研究会」(安倍派)と「志帥会」(二階派)の事務所に強制捜査に入ったことを受け、日本共産党の小池晃書記局長は19日、国会内で記者会見し、「自民党全体が組織ぐるみで、システマチックに裏金づくりをしていたというものだ。極めて重大であり、戦後最悪の金権腐敗事件だ」と批判しました。
小池氏は、問題の事件の悪質さについて、1994年に「政治改革」と称しながら企業・団体によるパーティー券購入を認めた政治資金規正法改定が行われたことに触れ、「その『法の大穴』をくぐって、企業から賄賂をもらうのではなく、自民党側が錬金術のように資金をつくったのが今回の事件だ」と指摘。リクルート事件やロッキード事件などの企業側から賄賂が提供され政治がゆがめられた事件とは異なる悪質さがあると強調しました。
さらに、岸田文雄首相が「捜査の進展とともに、全容や原因、課題などが明らかになると認識している。推移を見ながら必要な対応を講じていきたい」と述べているが、「まるで人ごとで、検察の捜査に丸投げだ」と批判。「自民党総裁として真相解明の陣頭指揮に当たり、徹底した改善をする責任がある」と述べました。
また、自民党の茂木敏充幹事長が「大変遺憾だ」と言いながら、「(キックバックは)自制・自粛すべきではないか」と発言していることにも触れ、「出口で『自粛』すればいいという話ではなく、入り口からシャットアウトする必要がある」と指摘。「パーティー券を企業や団体が購入することを禁止するという形でシャットアウトする―『法の大穴』を完全にふさぐことが政治の責任だ」と述べました。
その上で、「ロッキード事件の時には、検察の捜査とともに国会が国政調査権を発動し、検察と国会が『車の両輪』となって真相解明が進んだ。証人喚問なども含めて徹底した国会としての役割の発揮が求められている」と強調。野党各党に協力を呼びかけていくと表明しました。
記者から岸田政権の退陣について問われた小池氏は、「これだけ重大な事件が起きている以上は“責任を取って総辞職を”という声が上がるのは当然だ」としつつ、「自民党の中での政権のたらい回しでは問題は解決しない。大臣の辞職や内閣総辞職だけでは解決しない段階にきている。自民党の政治を終わらせることが必要だ」と強調しました。
また、日本共産党が国会に提出した「企業・団体献金全面禁止法案」について各党に協力を呼びかけるかと問われ、「野党各党に党としての提案も示し、賛同を求めていきたい」と述べました。
下村氏 不記載問題告発の最中 資金集め
都内のホテルでクリスマス会
安倍派の元事務総長
自民党派閥の政治資金パーティー収入を巡る不記載問題で東京地検特捜部が捜査を進めるなか、安倍派(清和政策研究会)の事務総長を務めた下村博文元文部科学相の政治団体が18日夜、東京都内のホテルで会費を徴収したクリスマス会を開きました。不記載問題で下村氏は政治資金規正法違反(不記載)の疑いで刑事告発されています。その最中にイベントを開き、資金を集めていたことになります。(丹田智之)
クリスマス会はホテルメトロポリタン(東京都豊島区)の宴会場で開かれ、下村氏の資金管理団体「博文会」と後援団体「博友会」が共催しました。
記者が宴会場のフロアを訪れると、受付でスタッフが参加者を名簿で確認し、会費を徴収していました。下村氏は宴会場の扉の前で参加者を出迎え、笑顔で会釈していました。
スタッフは「マスコミには公開していない」との理由で取材を拒否。記者が「招待制ですか?」と聞くと、別のスタッフは「コメントはしません。会場には関係者しか入れない」と述べました。
参加者とみられる人物のフェイスブックによると、クリスマス会の冒頭で下村氏が議員としての「熱意」や「覚悟」を述べました。ステージ上で下村氏が発言する写真に続き、出演者が歌や楽器の演奏を披露する動画も投稿されていました。
博文会の政治資金収支報告書によると、2016年のクリスマス会は308万円の収入がありました。経費の234万8496円を差し引くと、73万1504円の利益を得たことになります。
本紙が入手した13年の受付名簿には参加者の所属先として、大手ゼネコン清水建設、日本たばこ産業、統一協会(世界平和統一家庭連合)関連メディア「世界日報」などの名称がありました。
クリスマス会のほかに同会は、大規模な政治資金パーティーやホテルでの「勉強会」と称する会合を開いています。いずれも利益が政治資金になります。
安倍派の政治資金問題で神戸学院大学の上脇博之教授(政治資金オンブズマン代表)は、18年のパーティー収入の不記載に事務総長として関与した疑いがある下村氏を東京地検に告発しています。
ついに東京地検特捜部が安倍派と二階派の事務所に強制捜査が入るなど、大きく動き出した裏金問題。報道によると、パーティ券収入の超過分の不記載が直近5年だけでも10億円にのぼるといい、その悪質性が浮き彫りになってきている。
最大派閥として権力をほしいままにしてきた状態から一転、泥沼に陥った安倍派。ところが、そんな窮地に立たされたなかでなぜか存在感を高めている人物がいる。14日に政調会長の辞表を提出した萩生田光一氏だ。
萩生田氏といえば“安倍派5人衆”のひとりで、5人のなかでも安倍派の“親分”である森喜朗・元首相にもっとも食い込んでおり、「総理にいちばん近い男」と呼ばれてきた。そして、今回の裏金問題でも、キックバックを受けた安倍派幹部として萩生田氏の名が取り沙汰されており、キックバックによる裏金は数百万円と見られている。
他の幹部にくらべると裏金の額は小さいが、言うまでもなく、たとえ数百万円でも違法性が問われる不記載であることには変わりはない。ところが、萩生田氏は疑惑の渦中にありながら、むしろ自身のプレゼンスを高めるような言動に出ている。
たとえば、萩生田氏は岸田文雄首相が人事で安倍派を閣僚から一掃する方針だと報じられた直後の11日、「今回のことが原因で、閣僚や副大臣などが辞めるならば、政調会長の私の責任も同等に、またそれ以上に大きなものがある。人事は首相の専権事項だが、出処進退については自分で決めたい」と発言。疑惑の渦中にありながら一掃人事に牽制をかけ、結果として岸田首相に政務官5人の続投を決定させた。
この期に及んでも影響力を誇示するとは厚かましいにも程があるが、この萩生田発言について、『ひるおび』(TBS)や『報道1930』(BS-TBS)などの番組で政治ジャーナリストの田崎史郎氏は、「(萩生田氏は)政務官を守ろうとしていた」「萩生田さんとしては他の人が辞めているのに自分だけ残って美味い飯を食うわけにはいかんだろう、と。冷や飯を食うときは(一緒に)冷や飯を食わなくてはいけない(という思い)」などと解説。しきりに萩生田氏の“男気”をPRしたのだ。
あの田崎史郎が萩生田光一をやたら擁護・持ち上げ 「総理はいちばん頼りにしている」
そもそも、萩生田氏の発言は安倍派が受けるダメージを少しでも和らげようとする保身でしかなく、国民からの批判を完全に無視したものだ。その上、安倍派による組織的犯罪を黙認し裏金づくりに勤しんでいたと考えられるような人物を、あたかも“若手議員思いのリーダー”であるかのように持ち上げるとは……。
さらに、田崎氏は「『(予算編成が終わったら)辞表を渡させてください』という萩生田さんを岸田総理が慰留した」「総理は(萩生田氏を)残したいという気持ちが強い。党でいちばん頼りにしていますから」「岸田さんと萩生田さんの関係は依然として良好。さまざまなことの相談相手になっている」と、やたらと萩生田氏の存在感の大きさを強調したのだ。
だが、驚くべきことに、萩生田氏を持ち上げるジャーナリストは田崎氏だけではない。他の大手メディア政治部記者らからも「安倍派解体で萩生田派結成か」「萩生田氏は永田町で株をあげた」「将来の総理の目も残っている」という見方までもが出てきているのだ。
「永田町の常識は世間の非常識」とはよく言われるが、リクルート事件以来の一大疑獄の当事者のひとりと見られる人物を“総理候補”などと褒めそやすとは、異常としか言いようがないだろう。
しかも、気になるのは、田崎氏の発言だ。じつは田崎氏、「僕は日曜日にも月曜日にも萩生田さんとちょっと話したんですけど」などと萩生田氏と密に連絡をとっていることを口にしているのだ。
田崎氏といえば、安倍晋三氏や菅義偉氏、岸田首相といった時の権力者にすばやく食い込んで、「直接、電話で話した」などと関係を誇示。その時々のキーマンとパイプを持ち、相手を利する情報を垂れ流すことで関係をさらに強固なものにしてきた。いわば、芽がある人物に擦り寄り、芽がないと判断するや否や見切りをつけるという“目利き力”で現在の立場を築き上げてきた。
そんな田崎氏が、いま萩生田氏と距離をかなり縮めているという事実を考えれば、「安倍派解体からの萩生田派結成、将来の総理へ」という信じられないような展開が現実味を帯びているといえるだろう。
しかし、あらためて言うまでもなく、萩生田氏は安倍元首相の“悪い部分”をすべて継承しているような人物である。そんな人物が、安倍派が解体したあとに派閥を立ち上げても、それは安倍派の存続にほかならない。
安倍晋三そっくりの歴史修正主義と圧力体質! 差別発言の杉田水脈を重用、メディアに圧力
実際、萩生田氏は、自民党内でもとくに統一教会との関係が深いことが露呈したというのに、「反省している」と口にしただけ。それで何事もなかったかのような顔をして、ここまで政調会長の座に居座りつづけてきたこと自体が異常だったのだ。
しかも、萩生田氏は、札幌と大阪の法務局から「人権侵犯」認定を受けた杉田水脈・衆院議員を、あろうことか政策立案に携わるポストである環境部会長代理に起用した張本人。完全に開き直った杉田議員は、いまも差別発言を繰り返している状態だ。
そればかりか、萩生田氏は安倍元首相や森元首相の子飼いとして、教育業界や自治体に圧力をかける別働隊として暗躍。実際、安倍元首相が血道を上げていた教科書批判の尖兵として教科書会社に圧力をかけたり(既報参照→https://lite-ra.com/2019/09/post-4960.html)、森元首相が目論んでいた東京五輪に絡む神宮外苑地区の再開発でも萩生田氏が都に働きかけをおこなっていたことがわかっている(既報参照→https://lite-ra.com/2022/09/post-6224.html)。
もちろん、そうした圧力体質はメディアにも発揮。2014年11月に当時の安倍首相が街頭インタビューVTRに逆ギレした『NEWS23』(TBS)生出演後、萩生田氏が自民党筆頭副幹事長として在京テレビキー局の編成局長、報道局長宛てに“報道圧力文書”を送りつけたほか、2017年8月には『グッド!モーニング』(テレビ朝日)で田原総一朗氏が「萩生田光一は加計学園問題のいわば一番の責任者」と発言したことに猛抗議。正当な論評であったにもかかわらず、放送の3日後に番組は謝罪をおこなった。さらに統一教会問題でも、萩生田氏は各メディアの番記者を通じて報道に圧力をかけたといわれている。
同じ歴史修正主義者として差別発言を繰り返している議員を重要ポストに就け、圧力をかけることで政治や行政を歪め、報道を封じ込める。まさに萩生田氏は“悪夢の安倍政権”を側近として支え、いまも安倍元首相とそっくりの手法で権力を維持しているのだ。しかも、萩生田氏といえば、自身のブログに安倍元首相と加計学園・加計孝太郎理事長らとバーベキューを楽しむ写真を投稿していたにもかかわらず、加計学園問題が追及されていた2017年6月に国会で「腹心の友と確認したこともないし承知していない」と答弁。安倍氏同様、“息を吐くように嘘をつく”人物なのである。
このような人物が、安倍派の裏金問題を逆に利用して総理の座を虎視眈々と狙っているとすれば、まさに地獄のような展開としか言いようがない。今後の要警戒が必要だ。(編集部)
維新にも疑惑の目だ。最大派閥・安倍派の政治資金パーティー裏金疑惑に自民党が大揺れの一方、維新にも裏金疑惑が浮上し、刑事告発されていた。この過去がネット上の注目を集めている。
発端は2019年9月、大阪のリーガロイヤルホテルで開催された政治資金パーティー「大阪維新の会 懇親会」。松井一郎前大阪市長が大阪維新の代表を務めていたころだ。
19年分の大阪維新の政治資金収支報告書(翌年公開)によれば、「懇親会」の収入は参加者5862人に対し、1億1724万円。参加費用は1人あたり2万円だった。
ホテルのHPによれば、懇親会の会場「光淋の間」の収容規模は最大2000人。収容可能人数の3倍近くが詰めかけたとは、何とも不自然である。
不審な点は他にもある。日本維新の会の音喜多駿政調会長が懇親会開催の翌日、自身のブログにこうつづっていたのだ。
〈大阪維新の会・懇親会について改めての所感をまとめておきたいと思います。とにかく人・人・人!という感じで、今年の来場者は3000名を超えて約4000名いたそうな…。チケットの番号は10000までありましたから、来場者数の3倍以上チケット購入者がいそうですね〉