■中日新聞社説■
http://www.chunichi.co.jp/article/column/editorial/CK2012061602000081.html
「一体」改革 消費増税も棚上げせよ
民自両党が「一体改革」法案の修正に大筋合意した。社会保障の抜本改革を棚上げするなど一体改革には程遠いにもかかわらず、消費税は上げるという。この際、増税も棚上げすべきではないのか。政党政治に新たな汚点を加えることになりはしないか。消費税増税を柱とする「社会保障と税の一体改革」関連法案の修正協議で、民主、自民両党が大筋合意に達した。今国会で成立すれば消費税は5%から二〇一四年四月に8%、一五年十月に10%へと引き上げられる。実際の増税前に次の衆院選が必ず行われ、その是非を問う機会があるとはいえ、法律が成立してしまえば阻止するのは至難の業だ。民主党は〇九年衆院選で消費税増税はしないと約束し、一〇年参院選は増税を掲げて惨敗した。有権者が拒否した政策をなぜ強行するのか。次の衆院選で、有権者は何を信じて投票すればいいのか。
野田佳彦首相は、本格的な少子高齢化社会を迎え、持続可能な社会保障制度を構築するための消費税増税だ、と言う。だから、社会保障と税の改革は「一体」だと。ところが年金の最低保障機能や高齢者医療制度の見直しなど、消費税増税と一体であるはずの社会保障の抜本改革は棚上げされ、有識者らによる「国民会議」で一年以内に結論を出すことになった。
与野党が協力して社会保障改革に取り組むのは是とするが、それならば改革案がまとまって必要な財源額が確定するまで、増税決定も見送るのが筋ではないか。
社会保障の全体像が見えないまま消費税増税に踏み切るのなら、最初から増税だけが狙いだったと批判されても仕方があるまい。財政への危機感は首相と共有する。今の社会保障が持続可能とも思わない。国民も同じだろう。社会保障も税も抜本改革が必要だ。それを進めるには国民の理解と同意が欠かせないが、野田内閣の努力は十分といえるだろうか。〇九年衆院選マニフェストに「書いてある」政府や国会の無駄排除に取り組まずに、「書いていない」消費税増税を強行することには、国民が納得しないだろう。民主党内に消費税増税に反対する動きがある。良識ある国会議員としては当然だ。首相はそうした議員を切り捨て、消費税増税のために自民党と組むというのか。「書いてあることは命懸けで実行する、書いてないことはやらない」。こう公言していたのは首相自身である。
http://www.chunichi.co.jp/article/column/editorial/CK2012061602000080.html
子育て支援 孫子の未来が開けない
「一体」ではなく「後退」改革ではないか。社会保障改革は軒並み見送られた。特に改革の最重要政策に挙げた子育て支援は何も進みそうにない。これでは子どもや若者たちの未来が開けない。「社会で子育てを支える」との理念を民主党政権は掲げていたはずだが、どこへいったのか。税との一体改革で、政府が全面的に撤回してしまった社会保障改革が子育て支援の新制度だ。戦後社会の構造変化で家庭と地域のつながりが弱まり、子育て家庭は孤立しがちだ。収入も伸びない。家庭の負担が格段に増している。子育ての主体は家庭だが、社会が一緒に育てる時代に来ている。社会が支え始めた介護と同じだ。社会の活力を高めるには女性の活用がカギだ。働きながら子育てしたい人には、保育所などが必要だし、子育てと両立できる柔軟な職場環境も求められている。パートで短時間だけ預けたい人、土日に働かざるを得ない人もいる。障害児や病児の受け入れも望まれている。専業主婦も孤立していたら子育ての相談をしたいし、外出するのに一時預けたい。子どもを預かる施設がきめ細かい対応のできる制度の整備が要る。幼稚園と保育所の一体化を柱とする新制度はすべての子どもたちに保育と教育を提供し、子育てを支えようとするものだ。厚生労働省や文部科学省など省庁間でバラバラの関連予算をまとめて明確化し、政府を挙げてその体制を整えることも狙う。新制度は待機児童をすぐに解消できない。自治体の責務の範囲や民間参入で保育の質をどう保つのかなど課題はあるが、自民、公明両党が反対すると改革案をあっさり引っ込めた。簡単に理念を放棄していいのか。子ども手当(現・児童手当)もすべての子どもを対象としていたが、自公を説得できず所得制限を設けた。逆に年少扶養控除は廃止され増税だけが残った。収入のある家庭には、所得税などで負担してもらう考え方もあるはずだ。一体改革とは税も合わせた社会保障の給付と負担のバランスを考えることではないのか。
低収入で結婚ができない若者に多い非正規雇用の規制も、自公に譲歩し後退した。
昨年の人口の自然減が初めて二十万人を超えた。人口減は進んでいる。次世代支援にこそ野田政権は政治生命を懸けてもらいたい。
☆兎に角、野田首相の政治生命を懸ける要点の的が間違っている。すべてが先の参院選で自民公明に負けたのが起因している。責任を取らないわ、小沢を切るわ・・・。さらにこの鈍らな民主党を消費税のアップを談合で売ろうとしている野田首相。民主党の立て直しは、豪腕小沢を中心に民主党マニフェストを旗印に霞ヶ関のシロアリ退治に専念する政府を再編成するしかない。
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