サッカールーの何でもござれ

サッカーとオーストラリアに関するサッカールーのエッセイです

長寿医療制度

2008-04-14 20:55:03 | Weblog
今月から日本で導入された高齢者対象の医療制度はどう考えてもおかしい。医療費を抑制するために仕方がないといえばそれまでだが、新しい保険証が届かないなど不手際があるし、年金だけで暮らしている高齢者からも新たに保険料を取ろうとすることがそもそも理不尽である。

まず新制度に関する告知がなっていない。オーストラリアであればこのような制度の変更であれば、新保険証が届く前に前触れの手紙が対象者全員に届く。人口2000万人のオーストラリアと1億2千万人の日本とでは手間が全然違うだろうが、やってやれないことはない。

だいたい日本の医療保険は複雑すぎるし、弱者は切り捨てられるようになっている。国民健康保険なんて特例を除けば、原則として貧乏人は保険に加入できない。ここがそもそもおかしい。

オーストラリアの場合、課税対象となる年間所得の1.5%が公的医療保険の保険料である。これを税申告の際に課税される。たとえば年間所得500万円の人は年間7.5万円取られる。

低所得者は免除されるので貧乏人でも必ず保険の恩恵を受けられる。ただし高額所得者には不利な制度でもある。貧乏人に優しい政治は金持ちには厳しい。

公的医療保険は公立病院ならびに町医者であれば多少の例外はあるが、一般治療は全額保険でカバーしてくれる。公立病院でお産すればほぼただである。これはすごい制度だ。世界に自慢していいでしょう。

ただし難点は歯の治療には使えないことと専門医にかかる場合はあまりカバーしない。オーストラリアの場合、どんな病気でも一般開業医にまず行き、そこで紹介状を書いてもらい専門医なり大病院にいくというシステムなので、ややこしい病気の場合はそれなりに高くつく。

また歯の治療もかなり高額である。金歯一本で10万円以上する場合もあるので、任意の私的保険で歯をカバーする必要がある。またこの私的保険もかなり高い。

総じていえば長時間待たされる公立病院で我慢して、虫歯にならないように注意していればどんな貧乏人でも少ない負担で公的保険にかかれるいわゆるセーフテイネットになっている。

日本のように高齢化が進んだときにこのような制度が継続できるのかどうかは疑問であるが、当面は貧乏な高齢者から保険料をふんだくるようなことは起こらないだろう。

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