煙草と塩の博物館で開催中の「和田誠と日本のイラストレーション」。
気持がいい展覧会だった。
和田誠の絵筆にかかると悪人さえもが幼児化する。
ギラギラした強い個性がほのぼのと優しくなってくる。
ひねくれじじぃの心も自然に清らかになり、効き目はサプリメント以上ですね。
入館客は大新聞社に動員された野次馬ではなく、誰もが和田誠のともだち。
天井が高く広く明るい会場は空いていて、高島屋の池田学展とは対照的だった。
展示作品はポスター・挿絵・装丁などのほか、少年時代の漫画など。
ほかに錚々たるグラフィックデザイナーの作品が加わる。
夫々に和田による思い出と解説が付いている。
交流を通して、戦後日本のグラフィックデザイン界の発展史を概観する仕掛けです。
語り口はほのぼの。空腹を忘れる愉しさだった。
和田誠とは対照的なグラフィックデザイナーに山藤章二がいる。
森生は辛辣で過激な山藤も大好きだ。
ところが何故か山藤の作品が無かった。
常に「自分が目立つのはどうも....」という和田である。
挿絵担当なのに本文作者を食ってしまう山藤とは、合わないのかな?
逆に、同じほのぼの系の安西水丸を大変持ち上げていて、なるほどなぁ、と思った。
会場外の休憩室に、週刊文春の表紙絵の全てが展示されている。
名付けて「表紙はうたう」1977年5月2日号以降の全て、である。
圧倒的な愉しさと美しさで、これを観るだけでも1日かかりそうだった。
入場料は僅か50円(一般100円)。JTに感謝。
館外の大横川親水公園を南下し、錦糸町にできた北斎記念館へ廻る小さな旅をしたい。
あ、その前に、むぎとろで昼飯を済ませておかないと。
171012
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