偏屈3爺がうち揃い、久しぶりに東京下町を歩いた。
鶯谷駅から狭い階段を言問い通りに登り、先輩と仲間たちが日展会館で開催中の絵画展へ。
毎日日曜画家の展覧会はそれなりの内容だったが、額縁が立派。
自作に自信がありありで微笑ましかった。
絵画展での噂話昔話を終え、いよいよ下町食い歩きである。
先ず、寛永寺根本中堂の裏から徳川将軍廟所、東博裏を経由し、鶯谷駅に向かった。
僅かに残る将軍家の威光と江戸情緒を見てとれるこの道は好きな道だ。
鶯谷駅の上野側改札口から電車に乗った。
8駅先御徒町駅前、吉池ビル8階にある老舗洋食屋「香味屋御徒町店」へ。
ここ、お勧めです。店員はテキパキ。店内は狭いが小綺麗。
ローストしたビーフと鯖にメンチカツ。ポテトサラダにキャベツ千切り。
ソースもポタージュスープも滅法美味く満足満足。
これに珈琲が付き値段が税込み950円也、と下町価格だった。
栄養を付けた3爺は、ここから延々と歩きはじめた。
目指すはJR秋葉原駅。
数年ぶりの秋葉原はますます壮麗になり、昔の面影はなくガッカリ。
大都会には、猥雑な街があってもいい。
駅下の「AKB48ショップ」。
何だい、女の子の顔写真を印刷したモノばっかりじゃないか。
じじぃは全然お呼びじゃないのね。そもそも誰が誰やら区別がつかないんです。
保谷偏屈先輩の案内で。どこをどう歩いたか不明のまま、旧国鉄万世橋駅高架下商店街「マーチ・エキュート・神田万世橋」へ。
長~いトンネルの中に小洒落た店と食堂が連なり、気が利いた小ものがポツリポツリ。
商品というより作品ですな。
お客もポツリポツリ。どの店が1年後もここにあるだろうか。
そして期待の、火災で焼失後、再建した「かんだやぶそば」。
以前の雰囲気は残している。午後2時過ぎても満席。金髪碧眼紳士淑女まで混じってた。
尾長鶏のような掛け声を発する女将さんは健在。
店員たちも負けずに鳴くので、店内の気分のコケッコウなこと!
蕎麦もつゆも好みの味で、蒸篭そばが税抜き680円だったかな? ここもお勧めですね。
この後、近くの甘味処「竹むら」へ。ここも満席。
外へ出て待ってろ」と文字通り指図された。
お汁粉も、木造2階建ての時代光りがする店の佇まいも、大いによろしい。
しかし問題は店主らしい白衣爺だ。何が気に入らないのかイライラ感が顔と言葉に。
最後に「支払は纏めろ」と指示された。
時間は3時。お客は殆ど男。
若い衆が多く全て男連れ。春というのに嘆かわしい風景だった。
次は淡路町から地下鉄に乗り、2駅先の本郷3丁目へ。
駅からまたまた歩き、東大赤門へ。
ここから更に歩き、また歩き、一旦外へ出て弥生町の交差点を渡り、農学部へ。
忠犬ハチ公とご主人の教授像ができたという噂を確かめに来たのだ。
銅像はできたばかりなのに、早くも薄汚れていてた。
作風は古風の極みで、彫刻作品としては如何なものか。
また像の設置場所がうらぶれている。
銅像の処遇が随分疎かなのも、東大当局が出来映えに悩んだ結果ではなかろうか。
僭越ながら森生もあんな銅像欲しくない。
ま、業績より飼い犬で評判になった教授も辛いところだ。
赤門近くに未来食材ユーグレナ・カレー・ライスがある、と覚えていたので探すつもりだった。
だが、そろそろ夕方のラッシュが始まる。
詳しく調べて、再挑戦します。
ねぐらの猫額亭に帰着したのは6時。既に日は暮れて寒さが厳しかった。
歩数計は16000歩を超えていた。どうしことか、左足の中指が痺れて痛む。ふぅ。
150316