あちこちの街で、折角丹精したチュ-リップの花が切り取られる事件が起きている。
森男は、やった奴の首をちょん切ってしまえ、と怒っている。
巾着田にも綺麗なチューリップの花が咲いている。
花壇にある汚い(失礼)貼紙によると、この町の知識人を自認する人たちの会が丹精したもの、と分かる。
尊い行為に頭が下がるけれど、また悪い癖が出て、ちょっと違うんじゃないの、と思う。
ここは「巾着田」だ。田圃と畑と原っぱの、懐かしい田舎だ。
日高の人たちは田舎を低く見て、何かと安っぽい都会風にしたがるようだが、間違いだと思う。
田舎でいいじゃないか。田舎は素晴らしい。いま、田舎は貴重品だ。自慢しよう。
巾着田に来る観光客は日比谷公園のしょぼい写しじゃなく、素朴な田舎の風景を楽しみに来るのだ、と思う。
市役所や商工会は、観光客が一年中大勢来ることを切望している、ようだ。
市民は、日高は北海道じゃないっ、もっと有名になりた~い、と願っているらしい。
だったら、チューリップじゃないでしょうが。
花壇も矩形じゃない、と思いますが......。
まさか朱に交わって赤くなったんじゃないでしょうね。
わが町を代表する知識人さんたちなのだ。
日高市の特徴は何か、何をウリにしたらいいか、等々もっと掘り下げて考察して下さい。
市役所に「ここしか無い巾着田らしさ」をもっと提案してやって下さいね。
重箱の隅、失礼しました。
▼なお、以下は日高市民の方に......。
「ソクラテスの会」という市民団体が創立15周年記念事業として、
提言「市民の財産 巾着田を考える」
という冊子を出している。(06年8月)
市の意向でまとめた「高麗地域の観光活性化に関する提言」(03年8月)は、更に新しい施設を建設し、一人でも多くの観光客をかき集め、物品を売りこむ、など「民間感覚を採りいれ」過ぎた提言だ。1周遅れのそれゆけドンドンな提言で、市役所はこれを了としている。
これに対する会の提言は、歴史を踏まえて景観を復元し、市民の憩いの場所に、などと時代の要請に沿う提言である。
ただ、会の提言は入口止まり。
チュー-リップのように、あらゆる事象を対象に、具体的に掘り下げて、たたき台を提案をして頂きたいもの。
市の「提言」も、コンセプトとしては大きな間違いは無いし、作りたがり屋な支持者も多いだろう。
けれども、実際の巾着田は無統制に、悪趣味な厚化粧を重ね、醜くなってゆくのだから。
また、これだけ立派な提言を会員仲間だけが心得ているのでは勿体無い。
一般市民に行き渡るよう工夫と努力が必要ですね。
そして、井戸蛙役人と商工会紳士たちから、巾着田を取り戻しましょう。
1冊A4判89頁500円の「提言」は、発表時は書店にあったが今は無い。売り切れだろうか。
会の所在地・連絡先電話番号などを巻末に明記して下さいね。