林 住 記

寝言 うわごと のようなもの

いい日旅立ち

2008-10-31 | 歌の翼に

「い い 日  旅 立 ち」

(谷村新司作詞作曲)

雪降る間近の北の空に向かい
過ぎ去りし日々の夢を叫ぶ時
帰らぬ人たち 熱い胸を過ぎる
せめて今日から一人きり 旅に出る
ああ 日本のどこかに
私を待ってる人がいる
いい日旅立ち 夕焼けを探しに
母の背中で聞いた歌を道連れに

岬外れに少年は魚釣り
青いススキの小道を帰るのか
私は今から想い出を作るため
砂に枯木で書くつもり さようならと
ああ 日本のどこかに
私を待ってる人がいる
いい日旅立ち 羊雲を探しに
父が教えてくれた歌を道連れに

ああ 日本のどこかに
私を待ってる人がいる
いい日旅立ち 幸せを探しに
子供の頃に歌った歌を道連れに

 

   小百合さま.... たくさん たくさん 旅しようね。

     森男め....... はいっ。はい はい はい。

......と、いい天気だからまた旅立ちする、か。
旅、ったって日帰り。甲信越を除く「関東近場の小さな旅」だ。

ああ、日本のどこかにワタシを待ってるヒトがいる、.....わけがない。
ただただ「林住記」を書くために、落穂拾いをしているだけ、でありますぅ。
景気の良い頃に買ったコンデジを道連れに.......。

Yahhoooooo 小百合さまぁぁ........   .....あっほぉぉぉぉぉ    

向こうの山から、こだまが返って来た。
新幹線にまだ、こだまってある?

出だしの「雪解け」を「雪降る」に変えてしまいました。谷村さんごめんなさい。
歌は山口百恵さんでどうぞ→「百恵さん


出版会議

2008-10-30 | 林住期

艦長さんから、急な呼び出しである。
愛車をぶつけてしまい廃車にしたので行かれない、来てくれ、と。

ご近所の椿さんを交え会議を開いた。
場所は艦長さん宅。必要なモノは全て手が届く範囲に置いてある機能的な書斎である。正確には足の踏み場も無い潜水艦的な書斎である。

艦長さんは人生80年の総決算として、古代史研究成果を自費出版するつもりだ。タイヘンな意気込みなのだ。
まぁ、それもいい、と思う。

昨年の月夜に頂いた下書きでは、タカマガハラはタカチホではなく、艦長さんのフルサトだ、という説だったと記憶していたが、その後の研究では、チョウセン半島のミマナなんだそうだ。
........う~む、どうもタイヘンな新説ですね。

まぁ、それもいい、と思う。オトコのロマンだから。
だけど出版社が怪しい。

この前聞いた東京の有名出版社は、あれこれ詳しい「お約束」を文書で寄越している。
割り込んできた出版社はもっともらしい社名で大阪にあり、これまでの遣り取りは社長じきじき全て電話だけ、とか。

1冊3000円の定価にして500冊印刷を勧められているそうだ。
印税を計算すると、奥方の医療費の足しになるかも、だそうだ。
危ない危ない。

椿さんと二人で、東京の有名出版社でほんの少々印刷を、と勧めたけれど、艦長さんは少し不機嫌になった。

緊急出版会議は役に立っただろうか。絶交されても、水をぶっ掛けた方がいいのかも。
悩ましい秋の夕暮れである。


上の2枚の写真は艦長さんの潜水艦内のような書斎。
下2枚は艦長さんが事故った坂道。

昨年の月夜の出来事は「月がとっても青いから」をご覧下さい。


名歌三夕

2008-10-28 | 知ったかぶり

 

                 ・ 心なき身にもあはれは知られけり 鴫立つ澤の秋の夕暮 

              ・ 見渡せば花ももみじもなかりけり 浦の苫屋の秋の夕暮 

              ・ さびしさはその色としもなかりけり 槙立つ山の秋の夕暮れ

上から西行法師、藤原定家、寂蓮の短歌だそうだ。何れも新古今集に所収されているとか。
これら「秋の夕暮」と結んだ3首の名歌を「三夕の和歌」という、とか。サンタではなくサンセキです、念の為。

鴫はシギという野鳥、鴫立つ澤は神奈川県大磯町にあり、鄙びた場所かと思いきや、「鴫立つ庵」という萱葺の庵の向こうは湘南有料道路で、車が轟々と疾走していた。庵内では萎びたじじばばが句会のようなことをやっていた。

苫はトマ、菅や茅を菰のように編み、和船の上部や小家屋を覆うのに用いるもの。
上記「鴫立つ庵」もキザに言えば苫屋でしょう。もっと上等だったかな。

菅、茅、菰は自分で調べて下さいね。

モンダイは寂蓮さんの夕暮だ。
掛詞(カケコトバ、ま、駄洒落ですか)をふんだんに取り入れた、超技巧的な短歌じゃないか、と思ふけれど、意味ワカランチンなのでパロレませんでした。まぁ、寂蓮さんも淋しかったんでせう。どなたか教へて下さいね。

ここまでシャープレス電子辞書で調べあげ、フトわが猫額亭の窓外を眺めると.......。
そこには秋。昼間でも蟋蟀が鳴いている。冷たい風が襟首をナブル。

ハッハッハハ・ハークショイ・ハークショイ・ハークショイ........。

                                              

参考文献として、「値上定食」と「いいクルマ」を閲覧して下さいね。
なお、風邪にはビタミンCが豊富な柿がいいそうで。

081028


家庭菜園

2008-10-27 | うわごと

 

食料が買えない時が来る、と国営放送に脅かされた。

対策は家庭菜園しか無い、と思う。
だが、わが猫額亭は狭く、地質は極めて悪い。新住民は概ね同様だろう。

一方、この町の原住民は広い屋敷を構え、日当たりや土質は頗るいいようだ。
だから家庭菜園を持っているお宅が多く、旦那が日曜百姓をしている。

そこで考えた。この難局を打開するにはどうすればいいか?と。
答はカンタン。菜園付き屋敷に住む未亡人とネンゴロになればいいのだ。

菜園付き未亡人はいませんかぁ?


弐千円札の秘密

2008-10-26 | 知ったかぶり

小渕首相発案の二千円札があまり流通していないワケが分った。

表は沖縄の守礼の門、裏側右下隅に小さく紫式部、左に平安ヤサ男が二人描いてある。
問題はこの二人なんです。

二人は「源氏物語絵巻」の「鈴虫」の章から採用した。
右が光源氏で左が当時の天皇(冷泉院)さまでおはしまする。

冷泉院さまは父天皇さまの後妻で継母と光源氏が間違いを犯して生まれたお子であられられらられるそうな。
光氏は天皇さまの令息でありながら、というかご令息だからというか、相手構わず.........。ね。

お札の光氏は当時50歳。実子冷泉院さまは30歳あまり。
二人はお互いに父子である事を悟りながら、知れっとして中秋の名月に宮中で会っている。

これ、マズイですねぇ、お札には。
小渕首相の思いつきで、ドサクサで作ったから、時と場合は構わなかったそうだ。

海外での源氏物語の評判はロイヤルポルノストーリーだそうです。
そんな紙幣が海外に流れたらトンデモナイ。(イギリス王室は喜ぶかもしれないが)
ということに気付いた政府は流通させまい、としているのだったのだ。

ところが何故か沖縄では流通しているのだ。
日銀那覇支店が「二千円札流通促進委員会」なんてものをこしらえた。
会は普及に一役買った人を「二千円札大使」に認定する、とか。
つまり沖縄だけで流通させようとする当局の陰謀なんだ、とも。

これ、永六輔氏の説です。
永氏は、噂ですよ、と強調していますが。

永六輔と矢崎泰久の対談集「ふたりの品格」講談社刊は、数ある品格本とは異なる。
内容は問題発言続出で、生命に関わる相当ヤバイお話しです。

二千円札のことは第13章「大人の良識を問う」に載っています。

残念なのは、永氏があちこちに火を点けておきながら、矢崎氏のあまりな過激さにうろたえて、しばしば火消し役に回ってることだ。

だが、第15章「有名人とは何か?」では、

  岸田今日子、中島啓江、由紀さおり、吉永小百合、黒柳徹子、うつみ宮土理、
  池部良、小林亞星、三輪明宏、三島由紀夫、

他の噂話が抱腹絶倒ものだ。

はじめにでは永氏が、

  この本は沢山ある品格本の中で最も品格に欠ける。
  対談相手の矢崎氏を下品の下。

と断言。

おわりにでは矢崎氏が、

  上品には偽善が付き纏う。
  下品は気楽で、気味の悪い上品より格好のいい下品がいい。

と決めつける。

まさに「本格的な品格本の誕生」です。

絵・装丁は和田誠 

「ふたりの品格」の腰巻から▼

国の格の前に問うべき格がある!
国家から入れ歯まで、政治家から沢尻エリカまで........
口角泡を飛ばし、冴えわたるふたりの掛け合い。
「現代」名物連載、ますます絶好調!


ピカソよりまこと

2008-10-25 | 色めがね

         

清水ミチコさんが南伸坊さんと一緒に和田誠さんの個展へ行った。
そしてブログで絶賛している。お互いに褒め合って、癒着関係なのだそうだ。
森男は3人とも尊敬してる。行ってみたくなり、行って見た。

原宿の小さな画廊に飾ってある絵は僅か20点。それでもお客さんは途絶えない。
全部、映画の最後の場面を、和田さんらしいのどかな油絵に仕立てていた。

山藤章二さんは対象者を老けさせ、欠点を暴きだして笑わせる。
和田誠さんは対象者を幼児化し、見る者を和ませる。
二人は肖像画界の世界的な巨匠である。

実は和田さんの絵が欲しい。けれど幸い全部赤い虫ピンが付いていた。
付いていなくたって買えるはずがないので、悩まないで済んだ。

代わりに本を3冊買った。
豚のしっぽ、犬のしっぽ、猫のしっぽ、の3冊である。
本当はピカソ展へ行くつもりだったが、本代で足が出てしまった。

山藤さんの絵は、「林住記」で随分利用させてもらっている。
けれど和田さんの絵は殆ど使っていない。
もっと使えるような、素直なブログにしなければ、と反省頻りではありますが.......。

新美術館へもサントリー美術館へも行った。
飯能では新聞販売店がピカソツアーまで組んでいるけど、両方とも空いていた。
入口は裏口に設け、アルバイトが手ぐすね引いていたが、お茶も引いていた。

あんなヘタな絵に2館で3000円も払うのが馬鹿馬鹿しくなってしまった。
絵葉書だけにしようとしたが、バラ売りはせず10枚組1050円と強気である。
全然、売れてはいなかったし、当然、買わなかった

ピカソがなにサマだぃ。ざまーみろ。

  

 ね、ピカソより和田誠さんの方が上手いでしょ。
 チャップリンは画廊(HBギャラリー)のポスターから。
 その他は「和田誠肖像画集・PEOPLE」(73年美術出版社刊)より。


おためごかし

2008-10-25 | 床屋放談

公明党の強い要請で定額減税を復活するそうだ。
何でも親子4人の標準家庭で6万5千円ほどが、来年「還付」されるようだ。
果たして結構か?.......毛だらけ灰だらけじゃないか。

満額6万5千円を年金生活者全員に恵んでくれるわけではない。
いつの間にか年金から差っ引かれてた源泉徴収所得税額が6万5千円なら、やっと6万5千円が還ってくるだけの話であり、もともと年金生活者の財布に入ってしかるべきだったカネである。

大体、普通の年金生活者の確定所得税支払額は高くてせいぜい3~5万円じゃないか。お役人や前日銀総裁は別ですよ。
もともと自分のカネの3~5万円が還って来るに過ぎない話。

65万円を、新たに恵んでくれるならともかく、最大でたったの6万5千円だ。
これっぽっちでは諸物価高騰や医療費増に備えて預金するだけ。消費には回せない。

選挙を控えて、公明党はそんなオタメゴカシをせずに、もっと自民党を監視し、自分たちの議員特権の廃止や、不届き役人の征伐に力を発揮したらどう?
ま、とりあえず、そーかそーかとばかり言ってる学会の皆さんよ、目を醒ませぇ。

                   

てなことを自動車整備工場で、社長たった一人を相手に、ガンガン演説した。
社長は賛同か同情してくれたらしく、76020円の修繕費を1020円負けてくれた。
二つ星れすとらん定食1食半分の小さなシアワセだ。

定額減税の財源は、またもや赤字国債の発行、つまり国民からの借金とか。
財政再建増税派のヨサノダイジンよ、国家国民のために、抗議の辞任をしないのかい?

おためごかし(御為倒し)=表面は相手の為になるように見せかけ、
実は自分の利益を図ること、だそうで........。


坂道

2008-10-24 | 林住期

この秋はじめて、山を越えて飯能駅まで歩いた。

春先までは多峰主山と天覧山を縦走(大袈裟)して行ったものである。
しかし夏中怠けていたので、坂道一つで心臓が咽喉から飛び出しそうになった。
結局二つの山頂は敬遠し、中腹の道を巻いて歩いた。

遠足の小学生たちは賑やかに囀りながら、易々と坂道を上っている。
これではいけない、毎日上ろう、と決心しかけたが、途中、青大将に道を邪魔され、もっと寒くなるまで待とう、とまた気が変わった。
気力体力は確実に下り坂だ。



・・・ 奥山の落葉踏み分け行く子らの 声聞くときぞ秋はかなしき ・・・

                                   猫額亭森麿


安心

2008-10-24 | 林住期

朝日朝刊に「あなたの安心」という連載がある。
飛ばし読みでは少し不安が残り、記事を切り抜いておき、それをまとめて読んだ。

 ・「転ばぬ先の知恵」       年々増える転倒による骨折。命落す高嶺者も
 ・「高令者の運転」         53年間無事故でも、左からの車に気付かず
 ・「お年寄り 楽々食事術」  妻に先立たれ....食べることがこんなに大変だとは
 ・「孤独死と向き合う」     男性は緊急ブザーに手を伸ばしたまま、息絶えていた
  ・「健康食品の落とし穴」   肌に良いはずが発疹。話題のサプリなのに.....
 ・「地デジ、見られますか?」購入後、相談3日に11万円。追加負担ズシリ

「 」内は連載記事題名で、その右は連載各6回のうちの1回目の見出し文言です。

ジックリ読んだ。
「あなたの安心」は「ワタシの不安」になってしまった。
知らぬが生き仏だった。

▲「加藤芳郎」絵・文とも山藤章二(85年新潮社刊「オール曲者」より)


愛の惨禍

2008-10-23 | 歌の翼に

   

見てはならぬものを見てしまった。
怖かった。

先週の第1夜で「花」に感動したので、昨夜の「シャンソン特集」を見なければ、とブログ書くのを我慢して見た。

30分近い時間内にたったの3曲。どれもシャンソンの名曲だ。
残った時間は姐さんのご前説だ。その有り難さは声量を補って余りあるものだった。
引き続きゼイタクなつくりだった。

肝心のシャンソンは...........。
あれはもう「SONGS」の範疇を超越し、譜面は凌駕して、伴奏の楽隊のご苦労はいかばかりだったか。まさに、魔女の絶叫だった。怖かった。

「愛の賛歌」では高く青い空が落っこちてきて、すっかり目が冴えてしまった。
なかなか寝付かれなかった。

                

姐さんとは誰か、ですって?
名前を書くと祟られそうです。「花・輪廻転生」をご覧下さいね。

   ▲「メイ・ベルフォール嬢」ロートレック画。


いいクルマ

2008-10-23 | 林住期

 

いいクルマが好きだ。男ですから。

と色男のホンダ氏が言っている。おニュウのオデッセイがいいと言っている。
今、車を修理に出している、今では色褪せた森生もそう思う。

 

二つ星れすとらんの帰り。最近知り合ったご同輩がクルマで送ってくれることになり、駐車場で驚いた。

な、なんと、スポーツカーなのである! 地面にピッタリ張り付いて、軽ながら逞しい!
まだ色付いていた頃、スポ-ツカーには憧れていた。湘南海岸をぶっ飛ばしたかった。持ち主も同じだったそうだ。
それが今、ようやく乗れるとは......。

乗る段になって困った。まるで茶室のにじり口である。
屋根が上がるそうなので、開けて貰って、跨いで入ればよかったが、生憎の雨。

中から手を貸してくれて、ようやく座席に納まった。

降りる時にも往生した。カラダが固まっちゃって、にじり口が通れない。
後ろから尻を押してもらってようやく脱出できた。スポーツカーは座棺だね。

 

町をヨボヨボ歩いていたら、声を掛けられた。

  森生サン、乗ってきません? 送りますよ。

ご近所の美しいママと花盛りになった姫たちが、オフロードカーから呼んでいる。
先が見えてきた頃、会社を卒業したらこの車で、極北でオーロラを追いかけよう、と思ってた。
それが、ボーイハントされちゃったのだ。えへへ。

乗る段になってちょっと困った。脚が短くなってたのだ。
脚を思いっきり上げて、イイトコ見せようとしたら、イテテテテ、足が攣ってしまった。
みんなにすっかり労わられてしまった。

修理した軽には枯葉マークが必要な歳になった。
もういいクルマを諦める男になった、のは歴然の現実である。
なにもかもお終いの秋である。

・ 見渡せば色もおカネも無かりけり 裏の苫屋の秋の夕暮 ・
                                       ........ 猫額亭森生

 

081023