林 住 記

寝言 うわごと のようなもの

百物語

2018-08-17 | 色めがね

  古より百物語という事の侍る。
  不思議なる物語の百話集う処、必ずばけもの現れ出ずると.......。
  理性では説明のつかぬ不思議なものの存在が、まだ信じられていた江戸の時代。
  当時流行した怪異譚集のかたちを借りて描く〈あやかしの物語〉。

と杉浦日向子が描いた漫画本の腰巻に書いてある。

で、盆休み中に読んでみたけれど、残念ながら化け物は現れず、ちっとも怖くなかった。
むしろ、ほんわか、まったりとしている。

絵は巧いが、ごく短い文章(特に文語体の場合)に違和感がある。
また3巻、全99話が、入口とお終いだけで中身がなく、宙ぶらりんにさせられる。
しかし、この百物語は名作漫画とされる。

実際、各巻末尾で高橋克彦・高橋源一郎・高橋治が絶賛している。

森生はそうかなぁと思った。
......もっとも、読み方がいけなかったのかもしれない。

読んだ時間は、エアコンで涼しくしていた真昼間。
うつらうつらしながら1日1冊1時間余り、計3~4時間で読み終えた。

壱・弐・参巻にもなる「百物語」。
灯りを暗くした夜中、じっくり読むべきだったようだ。
そして、一度に読むのはせいぜい2~3話にしておくべきだった。

作者が敢えて省略した中身を想像しながら。

   絵は「狸の僧の話」から。 
  
  180817



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