林 住 記

寝言 うわごと のようなもの

巨匠対決観戦報告

2008-07-31 | 色めがね

 

 こういうやり方もあったんだ、と感心した美術展だった。

東京国立博物館平成館特別企画展は、日本美術史上に燦然と輝く巨匠たちの作品対決である。
て夫々の関係は同時代の好敵手、師匠と弟子、先駆者と後継者といった関係である。

双方の違いを際立たせた説明板が面白くて分かり易く、知ったかぶりをするために、会期終了後捨てるなら頂戴したいほどである。
もちろん作品ごとの説明も良かった。

永徳対等伯。等伯肝心の「松林図屏風」が出ておらず、豪快な永徳の圧勝。ただ、等伯の邪魔をし、その心労で死んだ永徳の作風は、重過ぎてあまり好きではない。

芦雪の極端に変形強調した水墨「虎図襖」がまさに圧倒的で、彩色、上出来の「猛虎図屏風」も敵わない。応挙対芦雪は芦雪の勝ち。主催者はえこ贔屓が過ぎる。
だが応挙の「保津川図屏風」は不思議な魅力があり、結局引き分けか。

雪舟対雪村。雪舟のえぐい達磨像「慧可断臂図」で完勝。
雪舟「秋冬山水図」の実物が、小さいのには驚いた。

各1点しか展示していない「十便十宜帖」では大雅対蕪村は互角だが、大好きな蕪村の「新緑杜鵑図」が出ていたので蕪村。ほのぼのとたっぷり水気を含んだ蕪村っていいなぁ。川端康成が原稿料前借して十便十宜帖を買ったのは無理も無い。

円空対木喰。木喰の丸まっちい「自身像」が誠に愛らしく、木喰が断然いい。
較べて観ると、円空は全体に愛嬌が無くソンをしている。

若冲対蕭白は両方とも嫌い。ま、若冲なら貰ってやろうじゃないか。
蕭白の過激過剰奇天烈な作品は、よくも依頼者に納品出来たもの。蕭白の屏風の前で昼寝したら、きっとうなされるだろう。悪夢。技術は最高なんだろうが。

宗達対光琳。宗達の「蔦の細道図屏風」が瀟洒。これなら洋風建築にもピッタリ納まる現代風。烏丸光広の讃はわざと傾けて洒落ている。わが猫額亭に欲しいが大き過ぎて置き場が無い。
「風神雷神図屏風」は二人とも出ていなかった。

鉄斎対大観は「富士山図屏風」の鉄斎の勝ち。特に左の山頂俯瞰図には力が漲る。
大観作「雲中富士図屏風」は銘柄品だから展示出来るんで、仮に森男が全く同じ作品を持っていったら、門前払いを食らわされるだろう。

運慶対快慶はそういわれればなるほど。

長次郎対光悦仁清対乾山歌麿対写楽等は作品が小ぶりで、特に陶芸作品になると、黒山の人だかりで肝心の作品は見えやしない。
双眼鏡持参の高嶺者がいたが、潜望鏡も必要かもしれないね。
要は、博物館はもっと見せ方に知恵を絞って下さい。

  芦雪「虎図襖」

 主催者の朝日新聞が大量に招待券をばら撒き、森男と一緒の名山さんとはその恩恵に預かったのだが、撒き方に工夫が欲しい。
硝子ケースをべとべとの手で触りまくる女、関係の無いお喋りに夢中なおばさんたちには水族館の招待券でも上げればいい。

そうはいってもこの展覧会は、特別行政法人化の成果かもしれない。
ご苦労さまでした。

◎今回は平成館しか入らなかったけれど、
本館表慶館法隆寺宝物館東洋館など充実し、広大だ。涼しいし、食堂もある。
一日歩けば目と足が鍛えられるカルチャーリゾート。


冷し温水プール

2008-07-31 | 遠い雲

消夏法として隣町毛呂山の市民プールに通ったのは30年も前だった。
としまえんプールが良かったが、少し敷居が高かった。

なにしろアグネス・ラムさん(▼)がイメージガールを務めていた
それほどファッショナブルでセレブだった。
(いや、同系の大磯ロングビーチだったかな、まぁどっちでもいいや)

 

豊島園は親会社西武鉄道のウルトラ大社長が去って、
おやおや、大変貌をしたらしい。
これなら行けるぞ。

でもなぁ.....だがなぁ.....夢の跡だなぁ。これじゃ夢も希望も無いじゃないかぃ
こんなとほほなオッサンがプカプカしてるとは世も末じゃ。
これじゃ、客は練馬大根がゴロゴロだろう。
温水を入れ替えてくれぇ。

アグネス・ラムさんの写真は当然借り物です。
全てが素晴らしく夢中で選んでるうちに、誰のものからか分らなくなりました。ごめんなさい。

暑くて参っているオッサン(失礼)へ。
「アグネス・ラム」でグーグル画像検索をどうぞ。元気になれますよ。ダメ? プカプカしてろ。

080731


親孝行

2008-07-30 | 遠い雲

  この先を考えている葛の蔓 
             ..........猫額亭森生 

若い頃の吉川英治は雉子郎(きじろう)という名の川柳作家で、当時は貧乏のどん底だったそうだ。

             貧しさもあまりの果ては笑ひ合ひ 

これは当時絶賛を浴びた句として、川上三太郎が「川柳200年」(66年読売新聞社)で紹介している。

             みなし子の独り覚えた笛を吹き

             おふくろは俺におしめも当て兼ねず

             この先を考へてゐる豆の蔓

             お座敷でなくバッタリ道で会ひたい

             けだものと呼ばれ尽くして立志伝

以上は小沢昭一著「川柳うきよ大学」(新潮新書)に掲載してあり、林住記は全部その受け売りです。
また、一番初めの句は森生による雉子郎先生のもじりですからね。

小沢さんは同書で「なにやら後の数々の名作をしのばせる”十七文字小説”ですなぁ」と感想を書いている。全くそのとおりですね。 

      

わが猫額亭から車でおよそ1時間少し。青梅市に「吉川英治記念館」▲がある。
近くには、清楚な吉川夫人が従業員と同じ制服姿で客を迎える「紅梅苑」があり、何度も訪れいる。

30年以上も前に亡くなった父は、吉川英治を大変尊敬していた。
5人いた父の妹たちは当時にしては珍しく、横浜にある女学校を卒業していた。
しかし父は祖父の意向で、越境通学までさせられながら、商人の総領に学問は不要と小卒の学歴しか無かった。
それで、同じ小卒で成功した吉川英治に憧れていたらしい。

戦中戦後のどさくさで稼業を畳んだ父は役所に就職し、独学でいろいろ資格を取ったが管理職にはなれず、酷く鬱屈していたようだ。
森男は、そりゃぁ学歴よりも性格の所為サ、と長い間ソッポを向いていたが.....。

父が逝った歳に近付いた今、父の森生に対する下手な懐柔策を時々思い出す。
吉川信者で甘党だった父を、記念館と紅梅苑に連れてゆき、吉川夫人を拝み倒し並んだ記念写真を撮れば、どれだけ喜んだことか。

             親孝行したい時分に親はなし

◎同記念館学芸員ブログ「草思堂からにも、雉子郎作の川柳が載っております。
いいブログですから川柳はお探し下さいね。紅梅苑の青梅葛きりはなかなかの美味です▲

記念館の写真は「スタンプPON-PONコレクターへの道」さまから拝借しました。このブログ、おもしろいですよ。

080730


家族に乾杯

2008-07-29 | 拍手

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 


NHKの「家族に乾杯」は好きな番組である。

普段はながら視聴たが、27日放送の「ベトナム・ホイアン」には、TVの前に思わず座り直し、引き込まれてしまった。

いつもは国内地方都市や山漁村の住民に、鶴瓶さんや特別出演者がぶっつけ本番で話しかけ、成り行きでお宅を訪れ、面白い話を引き出している。

今回は鶴瓶さんと元横綱大乃國さんがベトナム、しかも世界遺産の港町ホイアンを訪れたのである。
市内や近郊の農村と漁村を、二人が手分けして行ったのだが、これがなんとも素晴らしい出会いの連続だった。

ホイアンの人たちは貧しい。
けれど、貧しいなりに助け合い、すこぶる付きの明朗快活と親切。子どもたちは将来の目標を持っている。
日本にはとうに無くなった気分だ。

鶴瓶さんは、父を亡くし宝籤売りで母を助ける小学生姉妹の健気さ親切さに、涙。
大乃國さんは巨体を、訪ねたお宅のお医者さんに気遣われながら、甘いものに目が無い。集まって来る子どもたちには相撲を教え夢中にさせ、大人まで参加する。

大乃國の膝の上でオシッコを漏らすとこだった赤ちゃんの、なんて愛らしいことか!

などなど、ホイアンにどっぷり、めろめろな二人が羨ましかった。

町はに陰影が濃く侘び寂び、村の風景は底抜けに明るく素朴。

母親を亡くし泣き暮らしていた天涯孤独の日本娘が、住民に癒され長逗留。元気を取り戻していたところを偶然取材されて、よく効く香辛料となっていた。
(この娘さん、もう日本には帰らず、ホイアンで大家族を作って欲しい)

 

 

 

 


 

ベトナムは過酷な戦争を体験しながらも家族や人間関係は破壊されなかったうようだ。
日本の経済界は生産拠点を中国から人件費が安く人情が穏やかなベトナムに移そうとしているようだ。
ベトナムを壊さなければいいが.......。

恐らく、ベトナム編は衛星放送chで再放送されるだろう。
是非ご覧になるようにお勧めします。ベトナムの家族に完敗でした。

TVでは未熟だったマンゴー。これは完熟宮崎産です。
橋は「日本橋」。「ベトナムスケッチ」から。

080729


暑中お見舞い

2008-07-29 | 拍手

 

 こう暑いと暑中見舞いの葉書も書けません。

でも不思議に、今のところだが、「林住記」なら何とか書けるマンネリの極み。
切手代がかからないブログで代用させて頂きます。

        暑中お見舞い申し上げます・・・

と、これだけではナンですので、いま飲んでいる「まるごと緑茶 涼煎」を写真だけですがお届けします。

冷たい水にサッと混ぜるだけ。
爽やかな緑茶の香りと、
香ばしい玄米の味わいが楽しめる「まるごと緑茶 涼煎」は、

厳選された国内産の茶葉を粉末にし、
発芽米とケールの栄養も加えた、
夏の栄養補給にぴったりの体にやさしい、
おいしい冷茶です。

とダイレクトメールにありますが、3行目までと最終行については、他人には何かと点が辛い森男が責任以って保証します。

既に90包入り1400円を使っておりますが、追加で30包入り530円を電話でファンケルさんに注文しました。

「間もなく終了!お早めに!」と煽っている。
ヤらしいけれど、お試しあれ。


不眠不休

2008-07-29 | 床屋放談

贅沢三昧をした。
真っ只中のエコも喫緊のエコも、洞爺湖でうやむやにしてしまった。
側近を休ませるため、とかで早々と夏休みをとったフフクダ氏。
国民より側近が大切。

町には、ガスの使い過ぎとガス漏れを
不眠不休で監視するふくろうクンもいるのにな。


あみだ籤

2008-07-28 | うわごと

 

公用車4123台の冬渋国交は役人の下僕。
巻添厚労はおっちょこちょいだがあと暫くは働かせよう。
外山法務は慎重の上にも慎重に残りの半分は執行署名をして貰おう。
割鍋行革はあと何度か泣かせよう。
外相、物価担当相(?)、農水相その他は居たのかな?
と思う。

「スキャンダルは、派閥は、私のむにゃむにゃを察せるか、あほじゃないか」

いま、権力を実感するウフフなとき。

どっちみちベルサイユのバカ殿や姫たちしかいない。
阿弥陀籤を引かせりゃいいのさ。
と思う。


ずっとその日ぐらし

2008-07-28 | 林住期

 

昨夜は雷雨が2度あり 少し涼しくなった
早く寝た

今朝は薄暗いうちに目が醒めてしまった

あぁ 新聞配達のバイクがやって来たぞ ご苦労さん

明るくなってきた
遠くでカナカナカナ........と蜩が鳴いたかな

と 全山一斉に カナカナカナカナカナ................ カナカナカナカナ........
土から出てきて余命7日間とか 頑張るわけだ

自分はあと何日 いや何年.........

今日することは ...........無い

あぁそうだ 冷茶を注文しようかな
それとも避暑がてら カンフーパンダを観にいこうかな

ほかには .....なにも.無い
これからもずっと その日ぐらし
それも良き哉

(去年の「その蜩」)


はりぼて

2008-07-27 | 遠い雲

 はりぼてビルだと!

五輪大会終了まで、建設工事に中止命令が出て、見苦しいから、外壁に壁紙とか。

また、テニス会場では国旗掲揚台の工事を忘れてしまい、仕方がないから屈強の男が代わりに国旗を掲げようとしたが、メンツに係る。急遽設置工事とか。
現場は気が付いていたけど、怖くて言い出せなかったとも

親中派の朝日新聞でさえ報道する北京五輪のユカイ。

 
「厳戒五輪?」 楽しみというか 気が重いというか.......

まさか、と思うだろうが、独裁国家にはこういう事が起きるんですね。
実は森男も体験済み。首領さまは元左翼独裁経営者、現進歩的文化人。

豪華リゾートホテルを建設中、首領様をお迎えする現場の平取は、現場事務所前に目隠しの大木を慌てて植えた。

別のゴルフ場ではカート置場を作り忘れた。
クラブハウスでは豪華シャンデリアを引き立てるために、吹き抜けの手摺を作り変えようとした。以下いくらでもあって割愛。そして倒産.......。

 
この「弾圧街道」は 私の「出世街道」でもあったのだ......

北京五輪はどうも盛り上がらない。
でもまだまだユカイが盛り上がるはず。楽しみましょう。

▲記事・漫画(山田紳)は朝日新聞7/26・7/24・3/18紙面から。


町内大掃除

2008-07-27 | 高麗便り

 今朝は年に何回かの町内大掃除だった。
十数軒の隣組なのに参加したのは僅かに奥さんばかり3人。
自分の庭のガーデニングとやらには熱心なくせに。

高齢化で参加出来ないのではない。どのお宅も4~50代のはずだ。
オトナが参加出来ない事情があるならコドモを出せっ。
昔、道路掃除は、向こう3軒両燐分をコドモがするものだった。

もともと道路掃除は別に大掃除の日を指定して一斉にやる必要はない。
市会議員や自治会長が巡視するためにやるようなもの。
そんなものに付き合えるかっ。

ワカモノ(30代もワカモノ)のワケが分らない残虐事件が続く。
対策は4~50代のオトナの再教育だっ。

写真の竹箒を使うとゴルフが上達するとか。これで道路掃除もお願いします。


紳士も日傘を

2008-07-26 | 床屋放談

 

 紫外線対策なんかしないことにしている。
どうせあと何年かすると、いい紫外線は必要だ、という説が出てくるだろう。
お百姓さんや屋根職人さんの皮膚癌発病率は如何なものか?聞いたこと、ありません。

紫外線より、この熱線は何とかしないといけま線。
対策として紳士は日傘を差すべきです。蒸れず、上半身が日陰になり、帽子や団扇よりずっと涼しくなります。

雨傘を最初に使った紳士は英国人のジョナス・ハンウェイ氏です。
時は18世紀、女みたいだ、と石頭たちに嘲笑され、石をぶつけられたとか。

みや竹」さんという贅沢な傘屋さんが、女4万人(まさか!)に日傘が似合う男は誰か、と聞いたら、

        1.菅原文太  2.阿部寛(誰だぃ?)  3.田村正和

と暑苦しい。次に男に聞いたら、

        1.桑田佳祐(サザンの)

とこれまた寝苦しい。
こんなケバイ男たちより、紳士、つまり貴方さまの方がずっと似合うと思います。
既に21世紀。これまで男のものは女に取られっ放し。たまには女のものを男が使っても、罰は当たらないと思いますが。

紳士用日傘をネット通販で探すとあるにはあるが、命は落しても日傘は落せない。
それほど物凄い値段です。こんなもの買える人は、冷房付きの高級車で移動するウシロメタイ男たちだ。これじゃ普及するわけがないね。

しかしよく探したら手頃な紳士用日傘がありました。

        「傘専門店リーベン」さんです。

この日傘も紫外線対策を謳っているが、そんなことはどうでもよろし。
これなら買える。

でも社長さん、万が一この記事を見たら、店名・電話番号入りで構わないから、1本プレゼントして下さいね。大宣伝しますよ。

ああ暑い。

 

参考記事:エキサイトニュース「”男の日傘”は21世紀の常識」。
▲始めの写真は記事と無関係ですが。
団扇は助六団扇です。


決意

2008-07-25 | 林住期

 ギックリ腰に時々なるのはカラダを鍛えていないカラダ。

今度の腰痛は一寸深刻で、3日間丸太ん棒のように板の間に転がっていた。
でも大分良くなり、横浜の病院へ義兄の入院見舞いにいけるほどに回復した。

ただ、椅子に腰掛けていると、立ち上がる時に筋が攣れる。腰が外れそうな恐怖だ。
粗筋を考え、筋書どおり折り目正しく立ち上がる。

もうブログは後回しにして身体を鍛えよう。
夜は9時に就寝しなけれならない。
5時に起きて涼しい内に町内巡回をしよう。ブログのネタ探しもついでにしなければ。

腹筋運動も3回からなら、いや1、2回からなら何とか始められるだろう。
青大将が潜む草むらをきれいにしよう。

午後の暑い盛りは寝転がって、積んである文庫本や新書を読破しよう。
つまみ食いはもう止そう。

と決意し、夜はまた遅くなって寝た。

今朝は寝過ごしてしまった。陽射しが暑くて、もう寝床に居られないので起きてきた。
窓を全部開け放っても、家中の扇風機を回しても汗が出る。
ニッポンは水没するのだろうか? カラダはどうなるのか? .....融けてしまうのか?

やはり.........。
カラダを鍛えるのは明日カラダ。明日は多少涼しくなるだろう。
明日でいいことは明日からすればいい。

と決意をしたが.........。

▲写真は腹筋運動中の蔓性の花。豆科らしいですが、名前は分りません。


ありがとうございません

2008-07-24 | 拍手

・・・とは憧れの檀ふみさまのご著書の題名でございます。

01年初版、04年12版と売れまくっていたのに、畏れ多くも4年間もつん読しておきました。
このところ暫く、家で謹慎していたので読んでみました。

  装丁は南伸坊先輩

タモリさんがタレント諸嬢をからかっていたように、ふみさまご自身も、

  ワタシはケチで頓馬でずっこけてるんですの、

と謙遜されていらっしゃる。

だが、どうしてどうして、才気煥発、縦横無尽、天衣無縫.....(以下略)、
なかなかの名文家であらせられられ、タダモノじゃございません。

その中で、うーむ、これは上手い譬えだな、と感心した箇所です。(81頁)

  ワープロで書く原稿は「油絵」だ、言葉を幾重にも重ねて仕上げていく。
  と曽野綾子さんがおっしゃっていたように思う。
  手書きの原稿は「墨絵」のようなものらしい。
  ワープロに馴染めば馴染むほど、何か大切なものを失いつつあるのではないか、
  と、ふと不安に思うことがある。

ふみさまはブログをやっておられないようだ。
書けば、清水ミチコさんに決して引けをとらないものになりそうだが........。

ま、美貌の上に名文家。この上ブログにまで進出することはありません。
そんな暇があれば、もっと真剣に旦那さんを探す方がいい。

そして、何もかも洗いざらい書かないで欲しい。
絶世の美女として、謎も少しは残しておいた方がステキです。

ふみさま、結構なご本をありがとうございました。

阿川佐和子嬢との掛け合い随筆「ああ言えばこう食う」(集英社文庫)は▼、
もっと赤裸々で、お互いに罵倒しまくっておりました。


山百合

2008-07-23 | 庭いじり

 山百合に悩んでいる。

まるでお汁粉に味の素を入れたような猛烈な甘い臭いは我慢しよう。
実は大迷惑な事態となったのである。
何故ならこの日影に青大将が潜んでいるのである。

3日前、腰をさすりながらおっかなびっくりギクッと来ないように、庭に出た。
.......と、草むらから躑躅の植え込みまで、通路をまたいで暗灰色の艶がある長いものが横たわり、ゆっくり動いていた!!!!、のである。

  ギャッ! 青大将のお通りだっ! ついに今年もお出ましだ!

山百合は根の周りを乾かすと消滅してしまう。それも勿体無い。
勤めている頃は草毟りなんかしたことが無かったので、山百合が自然に増えて、今頃になると、豪華絢爛、庭中むんむんと女子更衣室のように匂ったものであった。

今年も腰痛になるほど一生懸命に草毟りしたのは、蛇の棲家を無くすためであった。
全部毟りおわらないうちに腰痛が再々々発し、寝ているうちに山百合が咲き、青大将がまた今年も日影で涼んでいるのだ。

これから晩秋まで、わが猫額亭庭園はうっかり歩けないのである。
無断で庭を横切る猫共は何をしておるのカッ。

ところで。
あの時は泡食って家に逃げ込んだけど、腰はなんとも無かったんですね。
ショックで、腰は大分良くなりました。