林 住 記

寝言 うわごと のようなもの

差引増加

2012-03-30 | 庭いじり

空地へ移植した椿は合計15本にもなった▲
鉢数を減らしたので水遣りや植え替えの手間が大分省け、ようやく老後の生活が楽になるわいと思っていたが、何たること! 却って移植前より鉢数が増えてしまったのである▼

雪柳、ぼけ、ゆすら梅、庭桜など庭に植えた花木は、自分の子孫を増やそうとして根を伸ばし、根の先から子苗を成長させる習性がある。
椿も同じで、西王母、千代姫、岩根絞りなど貴種なのに、いくらでも、とんでもない所から子苗を出してくる。

そんなものは刈り取ってしまえばいいんだが、根がケチンボだから、断捨離は到底無理。また欲が出た。
天気に恵まれ、久し振りの庭弄りに熱中した結果、折角空にした椿の鉢に庭から子苗を続々掘り上げてたのである。

やれやれ、今年も鉢植え管理から逃れられないわい。
これじゃぁ当分の間、死ねないなぁ。

120330


銀杏を割りぼた餅を握る

2012-03-29 | 知ったかぶり

隣の調理台から銀杏が飛んできた。
おばばたちが、茶碗蒸しに入れる銀杏の殻を割るのに苦戦してたのだ。

包丁の柄で割ろうとして滑った弾みで、銀杏が鉄砲玉のようにこっちへ飛んできたのだ。
常在戦場油断禁物である。

  銀杏はね、紙封筒に入れてレンジでチンすりゃ、殻が弾けて簡単に実を取り出せるよ。

  だってさぁ、この福祉センターにゃ電子レンジなんてないんだってば。

  じゃぁぺンチを探してくるね。

と隣にあるシルバー人材センターへ行き、道具箱を見せてもらった。
カーじぃは小さプライヤー(ラジオペンチっていうのかな?)を選び、森生は大きい方を借りた。

  そんなにでかいんじゃ銀杏が潰れちまうわぃ、俺は道具にゃ詳しいんだぜ。

と普段はいい歳をしてスポーツカーを乗り回してるカーじぃはケチを付ける。
でもさ、でかくて正解だったぞ。ざまぁみろ、ってんだ。

怪鳥の嘴の凹んだところに銀杏をあてがい、柄を慎重に強く握る。
パチンと硬い殻は割れるが、凹み部分だけ遊びがあり、実が潰れるほど嘴が食い込まない。
業者の方、こういう銀杏殻割り鋏、発売して下さいね。

  その後、カーじぃと森生は自分の調理台に戻り、ぼた餅を作った。
  指導するおっかさんが、餅米を柔らかく蒸かし、一寸捏ね、半餅にしておいてくれた。
  あんこはおっかさんが完成品を買ってきたそうだ。便利な世の中だ。

  始めに半餅とあんこを人数分に小分けにする。
  次に左の掌に置いたハンカチ大のサランラップにあんこを薄~く拡げる。
  その中心に半餅の塊を置き、サランラップを握って開く。
  最後に右手の指先であんこを薄く延ばし、半餅をあんこで完全に包む。

始めは梃子摺ったけど、5個もやったら慣れてきて、るんるん作業になってきた。
無駄口と憎まれ口が多いカーじぃより巧くなった。
合計42個のぼた餅が出来上がった。



手料理は楽しいよ。
こんなに楽しいことを、女にだけやらせているあなた、それはソンな人生です。
たまには料理をやってごらん。食器洗いは山の神にお願いして。




なお、右手にべっとりくっ付いたあんこは、洗う前に舐めちゃいました。
これ、役得です。

120329


天つゆは要らない

2012-03-28 | 知ったかぶり

 ふきのとう

手作り昼食会の主菜は、今月も野菜天麩羅だった。動物性蛋白源として小鯵と竹輪もあったよ。
今が旬の蕗の塔と芹蓬はおばぁが庭先で今朝摘んだばかりのものとか。どっさり持ち込んでくれて豪気なことである。
犬のお叱呼がかかったた恐れがなきにしもあらずだが、なぁ~に充分水洗いすればいいのさ。

 かぼちゃ

天麩羅を揚げたのはこの前と同じおじぃだった。
この人、洒落たバンダナを頭に被り、蕗のとうのように苦味走って、なかなかカッコイイ。エプロンは森生と同じ形だ。

おばぁたちはお株を奪われたのに感嘆頻り。「やっぱり男にゃ敵わないわねぇ」とだとさ。ふんっ。

 よもぎ

天麩羅は普通、天つゆにどっぷり浸して食すが、ここで新しい味わい方を教わった。
充分に水気を切った大根おろしに天つゆをかけ、それを天麩羅にほんの少しトッピングして食すのである。
天つゆといっても、蕎麦つゆをただ薄めただけ。

 しいたけ

本当は皆でがやがややってて天つゆを作り忘れたんだけど、この方法は塩分は控え目になり、血圧にいいと思う。
脇役だった大根おろしも際立つようになり、なかなかオツな味になりました。

お宅さまでも是非お試しあれ。

 せり

そのほか副菜は銀杏入り茶碗蒸し、「のらぼう」のおひたし、お麩と若布と韮の味噌汁で。
食後は森生とカーじぃ苦心の作、ぼた餅が二個だった。


一度に出すのは勿体無いので、別の記事にしますね

120328


明るく陽気にいきましょう

2012-03-27 | うわごと

  

下手糞なお笑い芸人が多い「笑点」ですね。
でもね、前から気になってた、可笑しく不思議な芸人の名前が分かった。


  ぴろき、ですぅ。

チカラが抜けてて、喧しくなく、たいへんよろし。
ちょんまげも、だぶだぶ
衣装もいいね。

時々チラリと見せる狡そうな目付き。
これまた、いい。

じじばばこそ、ぴろきさんを見習い、明るく陽気にゆきましょうね。
いひひひひ・・

  ..........なんかモンダイありますか?

  

  120327


梅満開

2012-03-26 | 高麗便り


高麗の里、清流・高岡辺り。ようやく梅が満開に。
やっと
遅い春が来たようだが、風がまだ酷く寒かった。





越生梅林や青梅梅郷は近くて遠く、お足代が必要。
高麗の梅なら歩いて行けるからね。

食事とお茶なら、樹庵(手打ち蕎麦)・万年青(珈琲とカレーライス)・シェノワ(ハンバーグステーキと珈琲)など。
というか、店はこれしかありませんが.......。

青い壷の梅は万年青の店内で。写真は全て3月25日に撮りました。

120326


椿を植えた

2012-03-23 | 庭いじり

雨になるというので薄ら寒い日だったが、空地に椿の苗木を、大急ぎで植え付けた。
苗はおよそ10年前の梅雨明けに、枝先を剪定した際、捨てるのが惜しくて挿木したものである。
始めはポットで育て、次に3号鉢に植え替え、背丈が伸びたので更に大型の5号鉢か7号鉢に移したものだ。

苗木はどれもがしかるべき品種名を持つ名花揃いであり、大切に育ててきた。
空地に移植なんて本当は勿体無く、椿好きの人がいたら差し上げたい苗木だった。
しかし近頃はご同輩宅でも鉢植えは手に負えず、さりとて庭に植える余地は無く、引き取ってくれなくなっている。

大きくなったため育てていた森生にも負担になり、軒下育ちから自然の野山に解放することにしたのである。
こんなことを毎年繰り返していたので、いつの間にか空地は椿山になりつつある。
雨の前の薄暗がりに、空地で背丈を超えるほど育った先輩椿の濃い赤が、ひっそり開いていた。

ここ数日で、この春先にはあと10鉢は解放しないとなぁ。........ふぅ

120323


新日本紀行ふたたび

2012-03-22 | 歌の翼に

NHKが放送している「新日本紀行ふたたび」で、番組冒頭に朗々と流れる音楽に歌が付くようになって久しい。
演歌か民謡歌手のような歌い方かたではあるが、格調が高く、誰が歌っているのかが気になっていた。
視聴者から問い合わせが多いとみえ、画面に「詞・歌 坂田美子」と入るようになった。

ネットで調べるとこの方、琵琶奏者なんですね。しかも、CDを出していて、物凄い美人です▼
この人に関する詳しい情報はありませんが、
まだ聴いたことのない方にお勧めします。伴奏は多分N響でしょう。

        坂田美子詞・歌 「新日本紀行」 

富田勲が作曲したこの曲、放送では第一楽章だけが演奏される。
だがYoutubeを調べていたら全曲演奏版が見つかりました。
画像は頗る美しく、旋律は日本的。胸にジンときます。
森生が持ってるCDと同じ演奏なので、指揮者と演奏は大友・東響で間違いないと思います。

        大友直人指揮 東京交響楽団演奏 「新日本紀行・全曲

更に、作曲した富田勲が指揮をしている演奏も見つかった。
こちらはご存知の冒頭の第一楽章と、普段は聴けない変曲した第二楽章で終わっている。
演奏している少年少女が素晴らしく、健気な姿が胸にぐっときて、「偉いなぁ、きみらに後は頼む」、となりますよ。

        富田勲指揮 千葉見少年少女オーケストラ演奏 「新日本紀行

オーケストラの見事な演奏に、指揮する富田さんも何だか嬉しそうですね。

この曲は懐かしく、癒され、汚れてしまった心が洗われる。
「不便はガマンするから、もう高速道路もダムも原発も要らない」とう気分になってくる。
震災以来よく聞く「故郷」は古臭く世界が小さい。こちらの方が構えが雄大です。

これからのニッポンはもはや工業や貿易で国を大きくすることはないと思う。
貧しくてもいい。農林水産業や、芸術や芸能や観光に軸足を置く方が住み易くなるんじゃないか。
と考えたりしますが......。

120322


病気自慢

2012-03-22 | 先輩のお言葉

同期会などで、心筋梗塞で危なかったことや、膀胱が縮小し括約筋が締まらなくなったことや、血圧が高めなことなどをとくとくと話している自分がいる。

一方、相手をするご同輩は心筋梗塞にはならず残念そうではあるが、血圧が森生より高いことを誇らし気に語り、腰痛肩凝り対策として岩盤浴を週一実践している、などと自慢したりする。

また多峰主山の頂上では、大猪君が太っ腹を縦に縫合したナマナマしい傷痕を見せびらかすのである。
その他帯状疱疹や不眠など、じじぃが三人寄ると、病気自慢が始まるのだった。

こういう現象を「病気自慢」といい、老人になった高嶺者に特有の症状らしい。
佐藤真一著「ご老人は謎だらけ-老年行動学が解き明かす」(光文社新書)に、病気を自慢する理由が書いてある。

    病気自慢とは自己開示である。
    自己開示とは自分に関する個人的なことを相手に話すことをさし、自己開示をすると人は親密になる。
    
自己開示には返報性があり、相手から自己開示された人は自分もそうしないと相手に悪いような気になる。

    病気は究極の個人情報だから、それを相手に話すことは究極の自己開示である。
    究極の自己開示は「あなたと仲良しになりたい」という信号である。

    開示を受けた相手の老人も自分の病気を開示して返すことで、相手の思いに応えるのである。
    
その結果、お互いに弱みを見せ合ったという親近感が強まるのだ。

著者・佐藤真一先生はまだまだ若く、現在56歳で医学博士。
現在、大阪大学大学院人間科学研究科臨床死生学・老年行動学教授で、老年行動学や認知症学会の重鎮らしい。
老人の行動をつぶさに観察してきた佐藤先生は、更に付け足している。

    自己開示は女の方が男より上手い。
    男は長年の友人でも家庭のことなどを意外に知らない。女同士では自己開示の結果何もかも分かっている。
    
年をとってからこの傾向が女には役立ち、男には妻以外に相談相手がいないという悲惨なことになる。

この本の内容は「病気自慢」のほか、なるほどそうだったのか、と言える解説がある。

    ・なぜ、耳が遠くても悪口だけは聞こえるのか?

    ・なぜ、些細なことにキレやすいのか?

    ・なぜ、子供夫婦との同居はうまくゆかないのか?

    ・なぜ、我儘な人は長寿なのか?

    ・なぜ、自分に都合の良いことしか覚えていないのか?

    ・なぜ、車の運転をいつまでもしたがるのか?

    ・なぜ、ゴミ屋敷が生まれるのか?      

等々老人に特有な不思議を23もあげて詳しく解説している。

従って、尻に蒙古班が残る若者にも、老人の行動をつぶさに知ることができる。
既に老人になったご同輩には先生の解説は少し片腹痛いけれど、自分を客観視できるという有益な書物であります。
心してお読み下さいね。

120321


昨日明日今日

2012-03-20 | 林住期

就寝前に今日一日を反省し、明日の予定を考えることになっている。

  今日も一日、ごろごろもたもたしてるだけだったよなぁ。

  梅の花はどうなってるだろうか。

  明日こそ、あれもこれもやらなければ、お天道さまに申し訳ない。

と反省しつつ、電車の時間表や行く先の地図をネットで調べ始めると、既に明日、つまり今日になっている。

昨日の明日は今日だった。
やろうとしていたことがあれもこれもあるのだった。

だが、今朝の就寝が遅かったので脳味噌の疲れが抜けず、起床前から身体は既に、どっと疲れている。
どうも一晩で昨日より体重が増えたようだ。

かわたれ時に、それをガマンできずに厠に起きたついでに、少し障子を開けて外を見た。
今朝もどんより曇っている。しめしめお天道さまはお隠れだ。

  満蔵寺の梅もわが猫額亭の梅も、咲き具合は年々歳々同じはずさ。
  

  森林公園のボランティア作業は、じじぃ一人がいたっていなくたってどうってことないさ。

  門前の吸殻や枯葉は、強烈な北風が吹き飛ばしてくれるだろう。

  それにしても、寒いなぁ。やっぱりもう少し寝てよう。

で、結局、またもやごろごろもたもたの一日で、あれもこれもは先送り。
そもそも、今日の予定を昨日から考えてたのが間違いだった。

明日は明日の風が吹くのだ。

120320


激変する世界と日本

2012-03-19 | 先輩のお言葉

”ちょっとキザですが”磯村尚徳氏の講演会を聞いてきた。

演題は「激変する世界と日本」
           ~ヨーロッパから見てどこかおかしい日本の国際感覚~

会場は老舗女子大・東京家政大学狭山校舎。西武池袋線稲荷山公園駅そば、航空自衛隊入間基地の片隅。

冷たい雨が降る広い構内。あちこちに道案内する女子大生が花のように佇んでいた。
すっかり嬉しくなって「ここで守衛として働きたいなぁ」などとはしゃいでいたおじぃがいて、情けなかった。

講演は言語明瞭、意味明快。天下の磯村節はいまだ健在。姿勢も良く、御年83歳とはオドロキだった。
大分薄くなった黒髪は染めてるのかもしれないけどね。

副題から、ご自身はパリに軸足を置き、「日本はまだまだ遅れてますな、ふんっ」、てな自虐評論を展開するかと開演前まで思っていたが、どうしてどうしてそんなことは一切無く、なかなかの国士でありました。
卒業したNHKを含め朝日や産経など日本のマスコミを猛烈批判。日教組と民主党と桜井よしこをこき下ろし、返す刀で国民の愚かさをバッサリと斬り捨て、痛快でさえあった。

講演の殆どは最近の中国の内情で権力闘争の解説は分かり易く、一方、お茶会騒ぎのアメリカに少し触れた。
氏はこの2国に対する舌鋒は、かなりキビシかった。

   ・ユーロ危機はアメリカのゴールドマン・サックス証券がギリシャに仕込んだ陰謀である。

   ・フランス在住が長いが、フランスで人種差別を体験したことがない。

   ・東日本大震災に際し、10万人の自衛隊員を被災地に僅か3日で展開したことに中国は愕然としている。

などは、ホンマかいな、と思う。しかし、

   ・アメリカのトモダチ作戦は、中国に対するアメリカの示威行動でもある。

   ・河村名古屋市長の南京事件への発言や、小泉元総理の靖国神社参拝は愚劣。ドイツなら豚箱行きだ。

   ・台頭する中国に対抗するには、インドとベトナムにもっと誼を通じていなければならない。

   ・日本の若い女性は意気盛んで大いに宜しい。反対に意気地無しの若い男どもは蹴飛ばしてやりたい。

   ・彼らを叩き直すには読み書き算盤が必要で、義務教育中でも跳び級・落第をさせよう。

   ・人を出自で差別することは悪。才能の優劣は当然あり、悪平等にはゼッタイ反対。

などは不肖森生も大賛成であります。

幼少時からの華麗な経歴を詳しく振り返ったけれど、都知事選に負けたことを全く語らなかったのは、順風満帆な人生での小さな傷、というより余程屈辱的な体験だったのだろうね。だって、銭湯で三助までやったんだもの。

講演後、予定時間を40分も超えて、色々な質問に丁寧に答えた。講演の始めから終いまで立ちっぱなしだった。
これはなかなか出来ないこと。偉い。

最後に永年ファンを自称するオトメチックなばばさまが、ごく小さな花束をプレゼント。
微笑ましかった。

  多分磯村氏は同じ演題で、全国各地で講演しているだろう。
  お近くで講演会があったら、必ずご出席しませう。決してソンはしません。

  それから、磯村氏推薦映画、メリル・ストリーブ主演「サッチャー 鉄の女の涙」を観たくなりました。

   120319


つみきのいえ

2012-03-16 | 色めがね

八王子夢市美術館で「加藤久仁生展」が開催されている。
加藤久仁生とはアニメ「つみきのいえ」の作者(原案・原画・監督)である。
展覧会には加藤が描いた膨大な数の下絵やデザインアイデアが展示されていた。

無垢の集成材で作った展示ケースや変形額や説明台は淡彩な作品群に似合い、愉しい展覧会場を演出している。
ただ照明が暗く、鉛筆画に淡彩を加えただけの小さな作品群は目を凝らしてもよく見えなかった。
やむを得ないこととはいえ、極めて残念だった。

会場には思いがけないおまけがあった。
「つみきのいえ」を特設会場で繰り返し上映しているのである。
上映時間は完全版でわずか12分。映写会場は空いていたので、
森生は4回も観た。

アニメ「つみきのいえ」には台詞や説明は無い。ただ深い陰影を付けた鉛筆画と、静謐な音楽だけ。
それでも伝わってくるものは大きく、しみじみとさせられた。

            

    Youtubeにフランス語題の動画があった。これで「おくりびと」と共にアカデミー賞を獲ったのか。
    会場で上映中の作品と題字以外は全く同じものだ。
    このアニメの素晴らしさは論より証拠、百文は一見にしかず。何はともあれご覧下さい。

                       「 House of Small Cubes

会場入口でこのアニメから生まれた絵本を売っていた。
色彩は断然アニメの方が良く、絵本は見劣りするので、結局買いませんでした。

いちばん上の挿絵は加藤久仁生さんのHPから、他はアニメ「つみきのいえ」からお借りしました。

120316


荒れる里山

2012-03-15 | 高麗便り

多峰主山周辺の里山が激変している。ブルトーザーで縦横に道を切り拓き、あっという間に山林を丸裸にした。
荒涼とした山林を見るのは辛い。こんなに破壊された多峰主山には登りたくない。


里山は人工林である。時々下刈りや間伐をしないと荒廃する。今までがそうだった。
だから埼玉県による間伐や樹木の更新が慎重で丁寧に実施されるなら、大いに賛成である。


しかし県は間伐ではなく全伐を行なわせている。そして伐採した木は殆ど現場に投げ捨てたままだ。
形の良い巨木や、珍しい樹種を残し、伐採後の後始末をしっかり実行してもらいたい。


麓にある団地住民はこの乱伐を歓迎している。日当たりがよくなり、落葉が飛んで来ず、空が広くなった、と。
だが、こんな乱暴な作業では、いつか自然から仕返しされるだろう。

120315


春は出したり入れたり

2012-03-14 | 高麗便り

日に干してふかふかになった布団で寝る。
まさに極楽気分である。

3月になってからは不順な天候が続き、布団を干せなかった。
百近くにもなると身体は冷え切り、冷たい布団を電気毛布で暖めておかないとなかなか寝付けないのであった。

大気はヒリヒリと冷たいが、今朝は久し振りに朝から晴れた。
しかも既にというか、年中薄着の予報士は「一日中晴天」と断言したはずだ。

ベランダの手摺には杉花粉が黄色くこびり付いてはいたけれど花粉症とは縁がない。
待ちかねていた布団干しが今日は久し振りにできるぞ。

ところが布団を干して間もなく、雲が湧いてきた。
日は翳り、雪でも降りそうな空模様だ。

急いで布団を取り込み、ネドコメーキングをして夜に備え終えたら、ななんと綺麗に晴れてきたではないか。
あの分厚い雲はまさに雲消霧散である。いや、雲散霧消だったかな?似たようなものさ。

まだ夕方にはマがある。極楽往生は無理にしても、寝る前の極楽気分くらいは味わっても罰は当るまい。
で、もう一度布団を干してみたらこはいかに。

また曇ってきたのである。春は出したり入れたりだった。

120314


3月11日の交響曲

2012-03-13 | 歌の翼に

 

NHKが3月10日深夜に放送した「3月11日のマーラー」は感動的だった。

東日本大震災直後の夜、1800席を完売した墨田トリフォニーホールで、会場に辿り着いた僅か105人の聴衆のために、新日本フィルによるマーラーの第5交響曲の演奏が敢行された。

巨大地震に衝撃を受けた団員たちは家族と連絡が取れず、不安で演奏どころではなかった。
しかし、ホールが損傷していないことを確認し、音楽を聴きたいという人がいる以上、たとえ非難されても音楽のチカラを示そうと余震に揺れる会場で、指揮者ダニエル・ハーディングが「驚異的な集中力に圧倒された」という鬼気迫る演奏を成し遂げた一部始終である。

団員、指揮者、事務局員、聴衆など、それぞれの行動と葛藤する胸の内を、当日演奏した交響曲を絡めながら、冷静な語り口で伝えた。
また、交響曲第5番の聴きどころの解説にもなっており、葬送行進曲で始まるこの曲が大震災直後の動揺する心を癒すには最適な構成になっていることを知った。

  森生はこの第5番に限らずマーラーには馴染みがなかった。
  だが、この番組で聴いた各楽章のサワリは親しみ易く、CDが欲しくなった。

  第4楽章はルキノ・ビスコンティの名画「ベニスに死す」に使われた。
  作曲したマーラーを知らなくても、格別に美しいこの旋律をご存知の方は多いはずです。

                グスタフ・マーラー作曲 交響曲第5番嬰ハ短調 第4楽章

なお、動画はワレリー・ゲルギエフ指揮のものです。
ハーディングが新日本フィルを指揮した、11日夜の交響曲第5番を聴きたいところですが、
とりあえず「3月11日のマーラー」の再放送を希望します。

ダニエル・バレンボイム指揮シカゴ交響楽団による全曲演奏はこちらです。

120313


津波の子供たち

2012-03-12 | 拍手

この土日は東日本大震災関連特別番組だらけだった。
どこもかしこも辛い話ばかり。数日前からこの種の番組に付き合っていて、すかり気が滅入ってしまった。

番組出演者の言うことは似たり寄ったりのご尤もな内容である。
それなりに影響力を持つ立派な人ばかりなのに、何故復興にこんなに手間取るのか。
震災特別番組は番組表を見るだけで凡その内容は分かってしまうので、11日はTVを殆ど見なかった。

しかし薀恥庵主先生が「不二草紙」で推す英国BBCドキュメンタリー「津波の子供たち」には驚いた。
被災地の状況や避難中の子供たちの日常を写す中で、巨大な災害と原発事故に対する子供たちの体験や感想や将来を淡々と伝える、ただそれだけの内容だが胸に迫る内容だった。

                 Japan’s children of tsunami

子供たちの発言は当然日本語だからよく分かる。日本の子供たちの姿に、少し元気付けられた。
凡そ1時間もかかる長い動画だが最後まで見た。

「不二草紙 本日のおススメ」は富士山麓に住む私立高校の教頭先生が毎日書いているブログです。
記事は薀蓄に富み勉強になり、特に地震予知や富士山噴火に関する記事に注目しております。

120312