”ちょっとキザですが”磯村尚徳氏の講演会を聞いてきた。
演題は「激変する世界と日本」
~ヨーロッパから見てどこかおかしい日本の国際感覚~。
会場は老舗女子大・東京家政大学狭山校舎。西武池袋線稲荷山公園駅そば、航空自衛隊入間基地の片隅。
冷たい雨が降る広い構内。あちこちに道案内する女子大生が花のように佇んでいた。
すっかり嬉しくなって「ここで守衛として働きたいなぁ」などとはしゃいでいたおじぃがいて、情けなかった。
講演は言語明瞭、意味明快。天下の磯村節はいまだ健在。姿勢も良く、御年83歳とはオドロキだった。
大分薄くなった黒髪は染めてるのかもしれないけどね。
副題から、ご自身はパリに軸足を置き、「日本はまだまだ遅れてますな、ふんっ」、てな自虐評論を展開するかと開演前まで思っていたが、どうしてどうしてそんなことは一切無く、なかなかの国士でありました。
卒業したNHKを含め朝日や産経など日本のマスコミを猛烈批判。日教組と民主党と桜井よしこをこき下ろし、返す刀で国民の愚かさをバッサリと斬り捨て、痛快でさえあった。
講演の殆どは最近の中国の内情で権力闘争の解説は分かり易く、一方、お茶会騒ぎのアメリカに少し触れた。
氏はこの2国に対する舌鋒は、かなりキビシかった。
・ユーロ危機はアメリカのゴールドマン・サックス証券がギリシャに仕込んだ陰謀である。
・フランス在住が長いが、フランスで人種差別を体験したことがない。
・東日本大震災に際し、10万人の自衛隊員を被災地に僅か3日で展開したことに中国は愕然としている。
などは、ホンマかいな、と思う。しかし、
・アメリカのトモダチ作戦は、中国に対するアメリカの示威行動でもある。
・河村名古屋市長の南京事件への発言や、小泉元総理の靖国神社参拝は愚劣。ドイツなら豚箱行きだ。
・台頭する中国に対抗するには、インドとベトナムにもっと誼を通じていなければならない。
・日本の若い女性は意気盛んで大いに宜しい。反対に意気地無しの若い男どもは蹴飛ばしてやりたい。
・彼らを叩き直すには読み書き算盤が必要で、義務教育中でも跳び級・落第をさせよう。
・人を出自で差別することは悪。才能の優劣は当然あり、悪平等にはゼッタイ反対。
などは不肖森生も大賛成であります。
幼少時からの華麗な経歴を詳しく振り返ったけれど、都知事選に負けたことを全く語らなかったのは、順風満帆な人生での小さな傷、というより余程屈辱的な体験だったのだろうね。だって、銭湯で三助までやったんだもの。
講演後、予定時間を40分も超えて、色々な質問に丁寧に答えた。講演の始めから終いまで立ちっぱなしだった。
これはなかなか出来ないこと。偉い。
最後に永年ファンを自称するオトメチックなばばさまが、ごく小さな花束をプレゼント。
微笑ましかった。
多分磯村氏は同じ演題で、全国各地で講演しているだろう。
お近くで講演会があったら、必ずご出席しませう。決してソンはしません。
それから、磯村氏推薦映画、メリル・ストリーブ主演「サッチャー 鉄の女の涙」を観たくなりました。
120319