飛耳長目 「一灯照隅」「行雲流水」

「一隅を照らすもので 私はありたい」
「雲が行くが如く、水が流れる如く」

OLDIES

2008年02月15日 22時31分40秒 | 趣味
25年ぶりに学生時代よく訪れた街を歩いた。
友人の家に続く道はあのままだろうか。
あの店はまだ営業しているのだろうか。
電車が駅に近づくにつれて気持ちが高ぶってくるのがわかった。

最近、ふとあの街はどうなっているのだろう考えることが多くなった。
なかなか訪れる機会がなかった。
降り立った駅は、大きな街に姿をかえていた。
何もなかった駅には駅ビルがたっていた。
かすかな記憶を便りに世話になった友人の下宿へと向かう。
何百回と歩いた道なのにほとんと記憶にある家がない。
きっと建物の古さからして、あの頃にもあったに違いない家も覚えていない。

夏の暑い日の夕方、あの頃は部屋にエアコンもなかったのですぐ近くの公園で参考書片手に友人とよく受験勉強をしたものだ。
その公園のシンボルだった「たこ」のオブジェはなくなり、遊具もなくなっていたが、面影だけは残っていた。

終了間際によくいってオヤジさんに笑われた銭湯は最近までは営業していた気配はあるもののマンションに建て変わろうとしていた。
銭湯の煙突だけは空に向かって伸び、あの頃と同じだった。
友人の下宿も取り壊され、きれいなアパートになっていた。

自分の青春時代を過ごした街は、大きく姿を変えていたが、目を閉じて耳を澄ますと25年前と同じ風が吹いているような気がした。

saitani
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