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三木奎吾の住宅探訪記 2nd

北海道の住宅メディア人が住まいの過去・現在・未来を探索します。
(旧タイトル:性能とデザイン いい家大研究)

木樽の風呂

2008年03月11日 13時55分15秒 | 住宅性能・設備

岩手県滝沢村の住宅見学時に発見した風呂桶。
「桶」と書くと手で持てるようなサイズを考えてしまうけれど、
こういう大型のものもやっぱり、桶なんですね。
風呂といえば、現代ではほとんどがFRP素材のユニットバスが主流。
で、そのことに疑問を呈するひともいたけれど、
圧倒的な施工性の良さから、いまや顧みられることもなくなったような気がする。
いわゆる建築家が関与する住宅でも、
こだわりなくユニットバスが施工されているのが多い。
このあたり、建築家の方たちも違いがあるようですね。

絶対にユニットバスの快適性を認めない、という方も多い。
北海道での家づくりでいちばん問題になったのが、
お風呂の問題だったのですね。
それまで一般的だった現場施工のタイル風呂では、
防水性能とか、寒さの問題への対処など、
ほぼ不可能だったので、温暖地ではそれまでホテルくらいしか需要がなかった
工場生産のユニットバスが、普及したんですね。
北海道が生んだヒット住宅設備ということで、
全国に販路を広げたメーカーもありました。

まぁ、そういう歴史的な経緯から話しても、
たぶん、温暖地の設計者はピンとこないでしょうから、
説明も面倒になったのですが、コストと性能をバランス取れば、
ユニットバスって言う選択は無理もないし、合理的と言える。
それをあえて、造作風呂にしようとするのは、
逆に建物に対する熱環境的な自信がある場合に、チャレンジするのですね。
そういう設備にするためには、水面下で努力が相当に必要。

と言う次第ですが、
にしてもこの木のお風呂は目に心地よい。
こういう風呂で毎日汗を流せる幸せを訴えかけている気がします。
昔は家に風呂があるなんていうのは、チョー贅沢なんですが、
考えてみれば色々変遷がありましたね。
はじめて住まいに風呂が入ったのは、いわゆる五右衛門風呂でした。
いま、わが家ではタイル風呂を施工して、
バスタブ本体はFRP製ですね。
こういう風呂にしたのは、ブロック造で性能にも安心があったから。
でもやっぱり、こういう木の風呂にも惹かれます、
いいなぁ・・・。

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半地下埋設暖房

2008年03月10日 07時13分31秒 | 住宅性能・設備

一昨年だったか、東北の建築家グループのみなさんに
北海道の住宅ツアーを計画して、
断熱気密、性能向上の必要性を訴求する試みをしました。
そのときに参加してくれた佐藤忠幸さんの設計住宅が
最終審査にエントリーして、
見に行くことができました。
この写真は、その家の暖房方式。
基礎断熱+土間のピット空間にFF式ストーブを2台設置して、
そこから温風を吹き出させる暖房方式を採用していました。
以前からは考えられない北方型住宅の仕様を採用していて、
実際にも2層吹き抜けの居間大空間の床・壁・天井とも温度ムラのない
均一な温熱環境が実現していました。
「素晴らしいですね」と声を掛けると、
やはり、あのときのツアー以来、積極的に北海道の温熱環境技術を採用して、
ユーザーからも「暖かくて心地いい」と言われているそうです。
なにより、自信を持ってデザインできることが、
仕事に大いにプラスになっているに違いないと感じました。

住宅の評価自体は色々な考え方があるので、
この住宅は奨励賞ということになったわけですが、
そういった経緯を知っている当方としては、やや格別の思い。
このような住宅性能の建物が建築家のデザインによって増えていくことは、
地域の住宅の質を高めるに違いないと思うのです。
デザインはかっこいいけど、寒い家というのでは
建ててくれたユーザーに苦痛を強いることになる。
そういう技術が建築の技術世界にないのなら、やむを得ないかも知れないけれど、
すでに広く社会に存在しているのに、建築家たちが知らないで、
そういう遅れた環境の建物をユーザーに提供しているのは、
基本的に、やはりまずいだろうと思う。
環境の世紀と言われ、サスティナビリティが声高に言われている中で、
建築の専門家として、どうなのでしょうか?

そういう意味で、変わりつつある現実を見られた感じがして、
うれしい思いをした次第です。
そして、建築の世界でビッグネームといわれる山下和正さんの自邸も
今回のコンテストに応募があったのですが、
その建物も、環境建築の方向を指向した、高断熱高気密仕様でした。
やはり確実に時代は変化を見せつつある。
絶対に「環境建築デザイン」というコンセプトこそ、
次の時代にもっとも大切な考え方になると思います。

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雨水利用

2008年03月09日 07時23分23秒 | 住宅性能・設備

ここんところ、あちこちで写真のような雨水利用を見ます。
家の端っこくらいに雨樋からの水を蓄える木桶。
って、だいたいが「ニッカ」のウィスキー樽なんですが、
これってなにか、符牒なのか
なぜ、サントリーではなくニッカなのか、調べてみたくなった(笑)。
で、こういう雨水利用って、市町村の自治体によって
利用範囲が限られているのが実態。
大体大都市では、こういう「中水」は下水に入れてはいけないようです。
ユーザー側から考えればこういう雨水をトイレの排水などに
利用したら、年間コストも下がるし、
上水の無駄の抑制にもつながる、と思えるのですが、
想像してみれば「水資源管理上」面倒なことを起こしたくない、
というようなお役所心理なのかなぁ、と推測してしまいますね。
でも、一方で上水には大量の塩素などを入れて
殺菌しているのですよね。
そういう部分ではどうなるのか、制度の矛盾のようなことを感じます。
多くのユーザーは、こういう雨水利用に期待感はある。
省エネではいろいろな補助政策もできているけれど、
そういうことばかりではなく、規制撤廃によって進む環境政策もある。

まぁ、日本国家って人口も大きい大国で、
法治国家なので、なかなか小回りの利く意志決定はできにくい。
それと、英語などの他言語と違って
限定性のあいまいさが残る言語なので、
「官僚」の恣意的な決定範囲が大きいのではないか、と思われます。
2バイト文字圏では、「法治」の時間経過が長くなると、
いろいろと不都合なことが大きくなってくるのではないかと危惧します。
常識的に大丈夫、というようなことについては、
常態的に法律を見直し続ける、ということが不可欠なのではないでしょうか?

この写真のお宅では、この雨水、
庭に引き込んで、「ビオトープ」の池を造作し、周囲に自然系の再生を
仕掛けておりました。
まだ1年なので、定かな効果のほどは見えておりませんでしたが、
そのように指向して、環境を考えはじめている人は多い。
そうした動きに足かせにならないような「法治」を心がけていただきたいと、
念願する次第。
ただし、自治体によっては中水利用可能というケースもあるそうです。
いよいよ、「裁量範囲」のことがらのようですね。

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燃料電池、初取材

2008年03月08日 07時38分19秒 | 住宅性能・設備

きのうはようやく終わった東北住宅大賞審査に続いて
さっそく山形県で取材が2件。
そのどちらも面白いものでしたが、
ひとつは写真の「燃料電池」を使った住宅取材。
ガソリンスタンドを経営している施主さんのご自宅で、
そういうことから燃料電池を実体験しながら、
経験値を上げようということからチャレンジしているのだそうです。
こういう設備系のお話しは、実際に人の話として聞いてから、
それから詳しい紹介パンフレットなどを見ることにしています。
はじめに実体験があってからのほうが推定が付きやすくなるし、
先入観が少なくていい。

このシステムは、石油から水素を取り出して発電に利用する本体(左)と、
その過程で発生する熱を冷却させるための水を蓄えるタンク(右)。
実用的には、発電量は1kw。
まぁ、ほぼ家庭一軒分には見合った容量になるそうです。
一方で冷却水のタンクの方は、熱を奪ったあと、お湯になるわけで、
それを現状では60度の温水にして200リッター貯湯しているそうです。
こちらも一般的な家庭一軒分に相当するレベル。
いまのところ、暖房については使用できていません。
特徴としては、石油という化石燃料を使いながら、
燃焼させるわけではないので、CO2発生がない、ということ。
原材料としてはこのほかにガスも考えられるものです。
現状ではこの装置と、電力会社からの買電の組み合わせなっているそうです。
また、暖房についてはそこまでのエネルギーは供給できないので、
現状では別に深夜電力を5時間使った大型2t超の温水器の
お湯をセントラルヒーティングで回す方式を採用しています。
データとしては、1年間の供用で夏冬平均して電気料が20000円程度。
ただし、家は床面積の大きなお宅で通常の2倍近い80坪ほどのお宅。
ふつうのサイズの住宅ならば、6掛け、7掛けで考えた方がいいかもしれません。

エネルギー戦争としては、
電気会社側のヒートポンプと、化石燃料系の燃料電池、
というのが次世代エネルギーの通り相場なんですが、
これまでの新技術の行く末を見ていると、
両方とも順調にいくものかどうか、
そうは簡単には進んでいかないのではないかと思います。
ではありますが、CO2削減という大目的はまさに正論なので、
こうした動向はチェックし続けていく必要がありますね。
また、情報が出てくれば、触れていきたいと思います。
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疲労困憊の審査終了

2008年03月07日 06時58分35秒 | 出張&旅先にて

きのうは秋田県湯沢市からスタートして
仙台市にもどってもう1件見学し、その後、審査会終了。
3日間に歩き回った総移動距離はどれくらいなのか?
ということで、写真のような移動チケットでした。
新幹線や在来線を乗り継ぎ、福島県から岩手県。秋田県、宮城県。
東北縦断4県の旅でした。
審査の様子は後ほど、JIA東北支部から発表されると思います。
その発表を待ってから、わたしの感じたことなどを書いていきたいと思います。
審査そのものでは、わたしなりに強く発言もいたしましたが、
それぞれの考え方もあり、
落ち着くところに落ち着いたのかな、というのが実感。

まぁ、しかし、審査の旅というのはなかなか過酷。
最後に審査会場に入るころには疲労も極地、という心境でした。
とくに各県で各地のJIAのみなさんから大歓迎を受けて(笑)
3連チャンのお酒を飲んだのですが、これもなかなか体力勝負(笑)。
っていうか、あんまりお酒を飲まないわたしとしては、
これが一番きついところでした。
これで、2年間審査員を務めたのですが、
やはり審査員などというものは好きこのんでやるのは大変すぎる仕事ですね。
乗りかかった船だったので、やむなく引き受けた仕事でしたが、
この辺が限界だなぁ、と思えてきました。

しかし、審査員を引き受けたことで
いろいろ体験できないことも体験できた次第です。
北海道の住宅づくりの考え方を東北に広げていくというような
そういう意味では、今回見て回ったそれぞれで、その部分は手応えも感じました。
熱環境的な部分ではずいぶん向上が見られた物件も多かったと思います。
今回は表面温度計などを使って数字に基づいた調査もすこし仕掛けられた。
できれば今後、住宅を数字で科学的に考えていく
そういう部分が育って欲しいものという気持ちは強く思いました。
ようやく肩の荷が下りた次第ですが、
これからもできるサポートはしていきたいと考えています。
「よい東北の住まい」について、
より大きな動きが始まって欲しいと念願しています。

さて、また本日からはふたたび山形など、取材行脚が始まります。
長期出張もこれで6日目。
なんか疲れもピークを越えてきましたが、
ゆっくり(笑)、がんばりたいと思います。ふ~~~~~、疲れる~~~。

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盛岡旧市街の地酒蔵元

2008年03月06日 06時37分54秒 | 出張&旅先にて

わたし、あんまりお酒は飲まないのですが、
二日続けてお酒をいただく機会にめぐまれ、体調万全であります(笑)。
ということなのですが、きのうは盛岡と近郊で2件見学。
その間の時間を縫って、旧市街の地酒蔵元の建物を見て参りました。
新酒ができたよ、と知らせる伝統的な飾り物の常緑樹のぼんぼりに
なぜか、横綱が回されておりました。
想像してみるにたぶん、製造した地酒が
品評会などで特選に選ばれたかしたのではないでしょうか?
堂々たる体躯の飾りが、いやがおうにも立派さを増していて、
いかにも笑えるプロポーションです(笑)。

その店の前には、左写真のようなショーケース。
ちょっと古い時代感覚ではありますが、
屋根の小枝葺き、腰壁の半割丸太張り、という
少ない材料の中での精一杯のデコレーションぶり。
古い街道沿いの町家の佇まいの中で、
調和しながら、それでいて一生懸命にアピールしている様子が伝わります。
今日では、こういう目につくような仕掛け、
テレビ宣伝とか、街頭看板とか、
いろいろに考えられますが、そうした手段がごく限られていただろう時代、
また、そうした発想を持った宣伝マンがいない時代、
建築に関連する職人が、どのように商売人としての施主の
要請を考えただろうと、その工夫の足跡が偲ばれます。

東北住宅大賞審査の旅、2日が終わり、
本日が秋田県湯沢から、仙台まで移動の最終日です。
きのうは大曲から湯沢まで鈍行での移動も経験いたしました。
秋田県に入った途端に外は雪景色と、吹雪模様。
まぁ、それでも生死の境をさまよった昨年のようなことはなく、
比較的、天候に恵まれての道中になっています。
しかし、本日は見学2件のあと、審査会が予定されていて
たぶん、夜8時くらいまでの長丁場。
再度、気合いを入れ直してがんばりたいと思います。ではでは。
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亜鉛閣再訪

2008年03月05日 06時34分21秒 | 住宅取材&ウラ話

さて、きのうから「東北住宅大賞」現地審査です。
昨年は車での移動で大雪に見舞われて、死ぬ思いをしたので、
ことしはおとなしく、新幹線などの列車移動で動いております。
JIAなどの建築関係の審査員の常連の古谷さんや、五十嵐さんといっしょで、
いろいろ勉強になることも多いです。
JIA東北支部さんから審査員の依頼があって、断り切れず、
お引き受けしているのですが、
まぁ、寒冷地住宅という点で、北海道の人間が入っていると
バランスも取れるというような判断なのでしょうか。

で、きのうは東北の一番南とも言えるいわきの近くの川内村。
写真の「亜鉛閣」さんの訪問でした。
郡山から直線距離で45kmということで、山道を走破するコースです。
しかし、山道なので、なかなか到着しない。
結局、食事を挟んで行きに2時間半近く掛かりました。
建築家山下和正さんの週末のくらしのための住宅です。
以前にもこのブログでご紹介したのですが、今回2度目の訪問。
はじめて行ったのは写真撮影でのときなのですが、
秋だったのできれいな紅葉を見ることができたわけですが、
今回は、ややゆるんできたとはいえ、冬。
ごらんのように建物前にある「調整池」は結氷しています。
茶目っ気のある古谷さんは、勇敢にも氷の上に乗っかっていましたが、
さすがに体重増に悩む当方は、丁重に命乞い。
この家はOMソーラーによって屋根面を暖める太陽熱を暖房として利用する計画。
中気密、というルーズな環境を前提にしているOMソーラーですが、
ここでは高断熱高気密仕様で、しかも2×6の壁厚で重厚に装備しています。
久しぶりに伺ったのですが、
温度ムラのない環境が確かめられました。

さて、この住宅を見たあと、郡山に戻り、
そこから新幹線で、仙台乗り換えで盛岡市に移動。
多くの建築家のみなさんから歓待いただいて、バタンキューです。
さて、本日は盛岡周辺で2件の住宅を見て、その後、秋田県湯沢市に。
なかなかな強行軍日程です。
しかし、住宅を見て歩くというのはやはり、面白い。
楽しみながら、おつとめがんばりたいと思います。ではでは。

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仙台のホテル室内環境研究

2008年03月04日 05時43分35秒 | 住宅性能・設備

さて、出張に来ていまして、
仙台のホテルに宿泊しています。
今回の出張は、本日からの東北住宅大賞現地審査が大きな目的ですので、
札幌から赤外線放射温度計を持参してきました。
これは、壁など各部位の表面温度を離れた位置から測定するもの。
で、今朝、いごこちがあまりよくないけれど、
1月などと比べたらまぁ、ましだなと思われた室内環境でしたが、
測定してみた次第です。
暖房は温風が吹き出してくるエアコンです。
建物はやや古いけれど、一般的なRC造建築の6階。
外気温は5時だとマイナス1度くらいでしょうか?寒いけれど、冬真っ盛りからは脱したところ。
エアコンの設定温度は写真上の通り、21度の設定にして寝ていました。
やや不快感があっての目覚めでしたが、
最悪というほどの冷却感ではありません。
しかし、北海道の家のように、体が内部から暖かいというよりは、
やはり体感的には皮膚表面しか暖かくない、という感じ。
設定温度は、これ以上高くすると寝苦しいので、この程度にしたのです。
で、温風吹き出しなので、乾燥感がきつくて
お風呂にお湯を張って、ドアを開け放して寝ていました。

測定の結果は下の3枚の写真です。
左から、壁面(天井もほぼ同じでした)・床面・窓面です。
まず、上下温度差が3度あります。
というか、足下が寒いということが見て取れます。
測定後、温度設定を上げて27度にしたのですが、
そうすると、この上下温度差が拡大し、5度を上回りました。
頭寒足熱、という健康法則がありますが、
まったく逆の結果ですね。
こういう温度差環境では、温度設定には意味がなくなる。
暖かくなりたいけれど、頭がぼーっとするばかりにしかならない。
まぁ、それはまだいいとして、ひどいのはやはり窓ですね。
お願いですから、アルミサッシはやめてください。
エアコンで暖房する一方で、冷ストーブが運転し続けているのと同じです。
窓面から、ずっと室内の温度を奪い続けているのです。
体感的にずっと冷輻射を感じ続けるのですね。

というような結果が得られたわけですが、
けっこう厳しい温度差であること、ご理解いただけたでしょうか?
こういう温度ムラのある環境はけっして「快適・健康」にはならない。
じゃぁ、なんでそんなホテルを選ぶんだ、ということになりますが、
どこのホテルでも似たり寄ったりなんですよ。
高いお金を出してもそこは関係がない。
また賃貸住宅というのも、ほとんどがこういう環境なんです、当地は。
まず、ほとんど選択の余地はないに等しいと言えます。
エトランゼにとっての冬場の仙台の環境って、こうなんです。
こういう事実、ぜひ、知って欲しいものだと思いますね。

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LCCO2の考え方

2008年03月03日 06時56分49秒 | 住宅性能・設備

地球温暖化問題への取り組みが、この7月の
洞爺湖サミットへ向けて、活発になってきました。
大変いいことだと思います。
国レベルでは、多くの取り組みが成されていますが、
そのなかでも具体的にCO2削減への指標のようなものの一般開示が
求められてきていると思います。
そんな考えを持ちながら、北方建築総合研究所(北総研)がまとめた冊子を見ていて、
わかりやすくまとめられていたのが、写真のグラフです。
スキャナーのない環境なので、デジカメで撮影しました。
すこし見にくいかも知れませんが、縦軸にCO2排出量。
横軸に建築の経年数を表しているものです。
札幌市内に建てられている125平米程度、約38坪の住宅で、
住宅性能としては「新省エネ」程度と、やや低レベルの住宅性能ではあります。
熱損失係数では、確か1.9程度だったと思います。
まぁ、比較的一般的に建てられている住宅に近い性能と言えます。
LCCO2とは、つまりその建築物が建てられ、使用され、やがて廃棄されるまでの
トータルなCO2の排出量を推定するもの。
この建物の場合で、50年経って廃棄されるまでに排出するCO2は約100t。
このうち、建築時には大体10t程度で、使用中が約8割を占めています。
なんと罪深いことをわれわれの「快適性」はしているのか、
という原理主義はこの場合、置いておいて、
この8割をいかに減らしていけるのか、が最大の問題。
札幌の場合は、そのなかでも「暖房用エネルギー」が6割を占めています。
ようするに、全体のCO2の半分を札幌では暖房として使う計算。
この部分が、もし半減されれば、トータルのCO2は25%も削減されるのですね。
したがって、初期投資段階で省エネ部分にお金を配分することは、
たいへん有益な方法と言えるわけです。

というふうに考えれば、まさに断熱気密は待ったなし。
より高性能な住宅づくりが最大の効果を発揮するのですね。
またそのように考えてくれば、残りの生活上のCO2源である
給湯・照明・調理、という部分にも工夫が生まれてくるでしょう。
幸い、温暖地ではエコキュートが大いに普及してきているので、
寒冷地用の性能向上が期待されるところですし、
それをにらみながら、自然エネルギーの利用を一層進めたいところ。
照明などでも、LEDなどの次世代型の研究がもっと進んで欲しいですね。
だんだん、時代はこういう工夫の時代に進んでいくと思いますし、
それを後押しする声の広がりも大切です。
にしてもこの冊子、たいへん有益で勉強になります。
素晴らしい仕事に感謝したいと思います。
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年間降雪量

2008年03月02日 06時13分25秒 | こちら発行人です

札幌って、実は世界的にもたいへんめずらしい都市なんですね。
というのは年間降雪量のこと。
世界の大都市のなかで、第2位の積雪量のロシア・サンクトペテルブルグの
年間3mに対して、なんと倍以上の6.3mっていうことなんです。
ふつうだったら、こんなところには大都市はできないだろうと思われる地域。
寒いだけなら経済活動ではそれほどの支障は出ないかも知れないけれど
それに積雪条件が加わると、いろいろに難しい問題が出てくる。
公共の支出として、除雪費なんていう、
どう考えても無に帰すような予算を消費しなければならない。
それでも都市として大きく成長してきたのは
明治の日本が国策として取り組んだ結果ですね。
いわば計画的な、近代欧米的なスタイルの計画都市を造ってきた。
純粋に経済的に考えたら、無駄が多くて、とても維持できないのではないか。
産業としての製造業が少ないというのは、
歴史が浅いということもあるけれど、地域的なデメリットが大きいということでしょう。

というような条件の中にわたしたちはいます。
ことしの冬は、出だしの時期が小雪で、
「まれにみる」というような状況だったのですが、
年が明けてからは、まさに帳尻を合わせるような降雪ぶり。
もういや、っていうほど雪が降り続いたと思っていたのですが、
写真のようなデータを見ると、ことしはむしろ、まだ小雪なんだとか。
まぁ、札幌人の言い伝え(笑)では、
年間に降る雪の総量はそれほどには変化がない、というのがあります。
雪は日本海の水蒸気が、大陸からの寒気団による季節風でもたらされるもの。
そういう意味では、ほぼ6ヶ月間のスパンで見れば、
確かにそう、大きな変化ってないものなのかも知れません。

そう考えると、ことしはまだ、4mちょっとの積雪なので、
あと2m近い雪、いままでの半分くらいは残っている計算になります。
雪かきの苦痛は腰のあたりに蓄積してきておりますが、
まだまだ、先は長い付き合いがありそう。
しかし、1週間ほどの出張に出るので、
その間、家人には負担が掛かるなぁ、と申し訳ない気分。
ここんとこの雪はさすがに水分が多くなっている感じで、
除雪にも骨が折れる雪なんですよね。
願わくば、帰ってくるまでドカ雪が来ないことを祈っている次第です。
でもまぁ、3月なので、もうすこしです。がんばりましょう。
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