性能とデザイン いい家大研究

こちら 住まいの雑誌・Replan編集長三木奎吾です 
いい家ってなんだろう、を考え続けます

現代人は、住む場所をどう選ぶ?

2015年08月28日 05時53分32秒 | 住宅取材&ウラ話
住宅は、集合としての住宅地に建つ場合が多い。
道路や公共エネルギーなど、集合的住宅地には利便性が高い。
歴史的には、住宅はその場所に住む理由がハッキリしていて
建てられるケースが多かった。けれど、
現代では、その条件が大きく変わってきているのかも知れない。
これまでの条件に強い決定力が薄れてきていて、
あらたな価値感の再構築の過程が進行しているのかも。
自由な選択肢が広がってきていて
その可能性も大きく拡大してきている。
そうであるので、選択に当たっての主体性が不可欠になって来た。
写真は新潟県長岡市のある住宅地の様子。
高田建築さんという設計事務所が基盤の地域ビルダーさんが
大きな敷地を住宅地として造成し、住みやすい「街」を考えていました。
道路もゆったりとカーブさせて、必然的にクルマの速度を制御し
地下水利用の共同の融雪のための放水装置まで装置している。
いわば、「地域としてのやすらぎ」に挑戦している。
まことに興味深い「住む場所」へのイマジネーションだと思いました。
下は、その会社のオフィスの様子。なんとも未来的。



どこに住むか、ということは、
そのまま、「どんなふうに生きていくのか」と同じ意味合いがあります。
歴史的には、住宅はその場所に住む理由がハッキリしていて
建てられるケースが多かった。
日本列島で定住が始まったとされる縄文では
豊かな海産物と、ブナの森のナッツ類など、
食の条件が最大の決定因子で決まっていた。
よりビッグスパンで考えると
弥生時代以降も基本的には食の生産と密接にからんだ条件で
ひとの「住み処」は基本的に決定されてきた。
一方で、世代更新というレベルで考えても、
弥生以降1世代20歳で見て、500世代くらいとなるけれど
そうした決定因子で「どこに住むか」ということは決まってきていた。

けれど、現代では、その条件が大きく変わってきている。
利便性という尺度が、クルマなどの移動手段の高度化などで
大きく変動してきているし、
所得を得る手段である職場自体も、その環境・立地が変化もしてきている。
さらに子どもの教育という要素からも、決定因子は大きく変化しうる。
追い打ちをかけるように「地域」という絆も希薄化が進んでもいる。
自由に住む場所を選択できるというのは、結構、現代的な選択肢。
家を求め、家族のシアワセを考えて
「どこに住むか」と考え、主体的に決めていくことが必要になってくる。
Replan本誌9月末発売の次号では、家づくりと住む場所について、
さまざまな事例を発掘して、考えてみる素材を探してみました。
あなたは、どこで、どんな暮らしをしたいですか?
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 住まいの瑕疵事故、94%は雨漏り | トップ | 高齢化時代の住宅デザイン »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

住宅取材&ウラ話」カテゴリの最新記事