性能とデザイン いい家大研究

こちら 住まいの雑誌・Replan編集長三木奎吾です 
いい家ってなんだろう、を考え続けます

温水ルームヒーター

2007年12月25日 06時37分29秒 | 住宅性能・設備

北海道では、まず見たことがない暖房システムとして
この写真の「温水ルームヒーター」があります。
大体が灯油を熱源とするボイラーを屋外に設置して、
そこから温水を、室内に4カ所ほど設置したヒーター装置接続場所に送るのですね。
で、ごらんのように接続して使用する。
間歇的な暖房として使えるのですが、同時に簡易なセントラルヒーティングとして
使用できるというメリットのある暖房システム。

ときどき、南東北地域で施工例を見かけることがあります。
必要な部屋だけに暖房が欲しい、というような需要に対応しているモノ。
ただし、室内で複数台を設置すれば、ある程度のセントラル暖房装置にはなる。
実際には、冬場で冷え切ってしまう床面などへの送風立ち上がりが早いので、
留守中に暖房しない場合、重宝されているそうです。
ある程度の工事は必要だけれど、
エアコン並みの工事で済むので、家電量販店ルートなどで気軽に買える。
まぁ、建築的ではない暖房、「採暖」的な暖房ということになりますね。
その意味では、逆に高断熱高気密で住宅性能がしっかりしている
そういう建物で、日射の熱取得がかなり期待できる、というような地域では、
省エネな暖房選択としてあり得るのではないか、とも考えられます。
しかし、最近は温暖地では需要が伸び悩み、
寒冷地では灯油の異常な値上がりということから電化に押され、
マーケット自体が縮小してきているのだそうです。
それと、エアコンのような室外機がセットであるわけで、
積雪寒冷地では、ボイラーも室内に置くケースが多いので、
そうしたことへの対応も、まだ十分とは言えないようです。

メーカーさんのお話を伺っていると、
やはりオール電化の需要の伸びが顕著で、
なかなか、対抗策に苦慮されているのが現実のようです。
いまや熱効率と費用のバランスでも、電化の方が安いというような現実だそうで、
そのうえ、火のない安全性ということも考え合わせれば無理もないところかも知れません。
世界的なエネルギーコストの上昇局面は
どう考えても今後、劇的に変化することはなさそうで、
こうした暖房機もユーザーの厳しい選択眼に対して
どのような打開策を打ち出せるのか、苦慮されるところですね。
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