三木奎吾の住宅探訪記 2nd

北海道の住宅メディア人が住まいの過去・現在・未来を探索します。
(旧タイトル:性能とデザイン いい家大研究)

【自分さえよければ<人に役立つヨロコビ】

2020年03月22日 06時46分54秒 | Weblog
おお、でありました。
きのう、午前中はカミさんと買い物などに出掛けた後、
家で遅いブランチを食べてから、わたしひとりで散髪へ。
で、終わってからスーパーS友の店内を歩いていたら、
薬屋さんのインショップカウンターを先頭にした行列に遭遇した。
「これはひょっとすると・・・」ということで、わたしも列の最後尾に。
ちょうど女性ふたり連れとそのどちらかの娘さん3人組とほぼ同時。
で、順番を譲って最後尾に並ぶことにした。
レディーファースト、であります(笑)。
ふだんはこういう行列は苦手でむしろ逃げ回る方なんですが、
こういったご時世で、わが家もいろいろ不足してきた。
やむを得ない方針転換(笑)であります。

で、並んでいるのはいいけれど、何のための行列かは情報がない。
たぶんマスクなどの必需品が、という期待は持つけれど
定かではないままの「情報弱者」状態であります。
そこで小学校低学年ほどと思われる女の子と仲良し作戦で、
彼女の頭越しに「ねえ、この行列、なんのためなのかわかる?」
とやさしくささやき声掛けしてみた。
そうしたらクリクリとよく動く目の表情で振り返ってくれた。
「わかった、聞いてくる」
と、元気あふれる明るい表情。すぐに行列の先頭まで走って行ってくれた。
すぐに大急ぎで復命。「マスク売っているんだって!」という報せ。
その時点でわたしを含めた4人で「やった!」であります。
「でも、ひょっとするとものすごく高く売っているのかなぁ?」
とわたしが不安そうな声で問いかけるとまた、斥候さんは走り出してくれた。
「あのね、60枚入りが400円だって!」
こういったかわいい斥候さんの報告はザワザワと行列のみなさんにも伝わる。
女の子もクリクリとよく動く目がまたまた輝きが高まる。
あ、彼女はマスクをしているので目だけが表情を伝えてくれているのです。
「行列で待っていても買えないかもなぁ」という疑問をささやく頃には
彼女はもう走り出すまでに、その「任務」に積極的になっていた。
悪い大人でパシリ使いをしたとも言えるのですが、
みんなニコニコしてくれているし、彼女も元気いっぱいでもある。
行列という無言空間ではこういった「情報」はホント必要。
並ぶこと10-20分ほどでようやく店頭にたどりつき、
ちょうどわたしの番で、残りが10数個ということで並んだ甲斐があった。
少女を含めた3人が終わってわたしも写真の通り無事ゲット。
ひとり1個という買い物限定ですので、彼女も権利行使に役立った。
見ると、大人でも十分使えるけれどやや小ぶりの60枚セット。
ほかに大ぶりのタイプの7枚セットも選べたけれど、
迷わずこっちを選択して401円也をぴったり小銭現金で購入。
やった、であります。
で、気付いて周囲を見回してみたら、先ほどの3人組の姿。
わたしはぐっと腰をかがめて頭を下げ目線を落として
「ありがとうね。おじさんも買えたよ(笑)」とお礼の声掛け。
そうしたら、わたしがこれまで見たこともないようなヨロコビの表情。
全身が柔らかく崩れるようにカラダいっぱいの歓喜表現!
表情が満面の笑みで崩れていく感じ。
「いやぁ、それほどでも〜〜」みたいなかわいいボディランゲージ。

そのあたたかい交流の残るままに家に帰ったら、
カミさんから「クルマの中でも外からわかるくらいうれしそう」
だったということでしたが、楽しい報告でカミさんも目が躍りはじめる。
きびしい雰囲気が続く状況ですが、いっときのなごみ。
少女との顛末をカミさんと話していたのですが、やはり人間、
「人の役に立つ」という喜びは、一番幸福感の高い行為なのでしょう。
あの少女の喜びの様子を見せていただいて、
パシリに利用させていただいたような当方ですが、
2重3重にこころが沸き返るような思いをさせてもらえた。
天女か、はたまた天使さまを発見できたような気が致しました。
コメント
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