三木奎吾の住宅探訪記 2nd

北海道の住宅メディア人が住まいの過去・現在・未来を探索します。
(旧タイトル:性能とデザイン いい家大研究)

【ZEHと基準義務化後退への寒冷地の心理】

2018年12月15日 06時35分11秒 | Weblog
一昨日は東北フォーラムの忘年会。
いろいろなみなさんと懇親を深めさせていただきましたが、
このブログでご紹介した2020年省エネ基準義務化の不透明化は
はじめて聞いたというみなさんが多かった。
で、皆一様にその情報を話ししたわたしに「食ってかかってくる」(笑)。
みんな「そんなバカな話があるか」と憤っているのですね。
わたしは情報を提供しているだけなのに
「義務化が不透明になった」ということは「許せない」、
そういう義憤を情報提供者であるわたしにぶつけてくるのであります(笑)。
まぁわたしも気持ちはまったく同様なのですが、
ひとりひとりからおっかない顔をされてなにか損した気分(泣)。
北海道から来ていたのはわたしひとりで、東北のみなさんが中心。
ZEHという住宅施策がどちらかといえば、
温暖地域に有利な制度設計になっていて、
寒冷地域ではもともと「暖かい家」を目標に作ってきて
結果としてそれが「省エネ」になった、というプロセスを
よくわかっているみなさん。
国が考える「省エネ」は、自分たちの志向性とは微妙に目標が違うことも
「まぁ国全体での目標達成のためには」と従来、受容してきた。
そういう心理は北海道と共有しているみなさんたちなのですね。
こうした心理からすると、余計に腹立たしくなる部分がある。
「温暖地だったら、ふつうに壁に断熱を施工すれば太陽光発電を
常識的範囲で載せればクリアできる」というZEHへの認識があって
それに対して「あたたかさ」は自分たち独自に考えて実現していて
別な基準、省エネというモノサシから、より過重な断熱付加が必要で
「そこまでしてもユーザー利益にホントになるか」と
やや懐疑的にはならざるを得ないのが寒冷地ビルダーのZEHへの共有気分。
図表のように、北海道の1.2%や東北各地域のZEHの低レベルぶりに
このことは如実に表れていると思います。
そういう温暖地偏重の住宅施策を受容してきてなお、
義務化の不透明化というのでは、憤りたくもなる。

さて、この情報が正式にアナウンスされてくると、
いったいどのような「リアクション」があるか、
このみなさんの「反応ぶり」は中央省庁へのひとつの
「警告」ではあるように思われます。
コメント
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