三木奎吾の住宅探訪記 2nd

北海道の住宅メディア人が住まいの過去・現在・未来を探索します。
(旧タイトル:性能とデザイン いい家大研究)

日本の木造技術を「ブランド」に

2013年09月07日 10時11分37秒 | Weblog



きのうはJIA北海道大会のメイン懇親会。
たいへん多くのみなさんが札幌のホテルに集まってにぎやかな大会風景。
で、約2時間ほど、全国から見えられたみなさんといっぺんにたくさんお会いできました。
やはりこういう機会はありがたいですね。
人と人とがめぐり会う、顔を合わせることがすべてのきっかけ。
そういう意味で、すこしづつのお話しでも、
得るインスピレーションはたいへん大きいものがある。
きのうは、最近北海道へのエアラインが就航したというタイからの建築家ご一行の姿も。
わたしはあんまり英語は・・・、なのですが、
説明役を買ってくれた建築家の話では、
経済成長の著しい東南アジア圏の人々にとって、
北海道というのは、たいへん魅力的な地域として羨望を集めているということ。
四季の変化が明瞭で美しいという、アジアで稀有の地域ということなのですね。
そしてアジアの中でもっとも「木造技術」が素晴らしいという
そのような印象を持ってくれているのだそうです。
しかも、木造の欠点とも言える「断熱気密性」において、
世界最先端とも言える技術レベルを同じアジア人が北海道では達成している、
というようにも思ってくれているそうです。
一方でタイなどの東南アジア地域は、人口増加も目覚ましく、
建築の需要、そのデザインへの希求も大きいものがある。
そしてヨーロッパ人たちもそうであるように
日本の木造技術への評価は大変高い。
美しくエコロジカルな木造で、ドイツ環境基準をもクリアする建築技術を持っている。
かれら社会が,建築資産をこれから大量に構築していくときに
かれらの「地域の」材料を使って、エコロジカルな建築を志向するとすれば、
日本の社会が獲得している高断熱高気密にいたるまでの
木造技術資産は、大いに活用できる可能性を持っている。
ヨーロッパがいま、エコロジーの観点から木造に注目しているように、
これから社会発展する地域からも、そのような視線が注がれている。
まさに、目からウロコが落ちるような思いが致しました。

そうか、規格大量生産型産業技術ではないけれど、
そうした木造技術を、これから発展する地域に役立ててもらう、というのは
日本という社会が今後、生き延びていくときに
大きな「産業資産」なのだということに気付かされた次第です。
欧米、というかヨーロッパ文化が、ブランド品という資産を持って
規格大量生産型の資本主義段階とは違う、
いわば次の「高付加価値」資産を作ってきたように
かたちには違いがあるけれど、
日本の「木造建築技術」というのは、そういうブランド化しうる価値を持っている。
それを、どのように「プロデュースするか」というのが肝心だけれど、
大いに気付きを得られました。
ひるがえって、同時に北海道はどのように生き延びていくべきなのか、
そういった部分でも、面白い視点も得られました。
やっぱり多くのみなさんと交流するのは、意義深いですね。
コメント
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