確実に北国にも春は迫っておりますね。
きのうは札幌から仙台へ移動。
会議に出席でしたが、昼飯と夜の食事会の両方で
期せずして天ぷらになりまして、
しかもどちらでもごらんのような「フキノトウ」の天ぷらが。
いやぁ、堪えられませんね。
夕食時には、そのうえ、タラの芽も天ぷらで味わうことが出来ました。
ひとあし早く、早春の味覚を堪能させていただきました。
仙台市の郊外では、いまフキノトウが時期なのでしょうね。
日本人の季節感の中でも、
この冬から春にかけての時期の感覚は格別。
とくに冬の間、厳しい環境に追い込まれる北国では
その思いがよりくっきりと際だつ。
思わず、「これ、どの辺で取れたんですか?」と問うてしまう。
お店の人もにっこりとほほえんで、
「ええ、この近くで・・・」とやさしく応えてくれる。
春の季節を待つ北国人らしい交歓の空気がそこに匂い立つ。
やはり、北海道と東北の人々の間には、
こうした交歓が成立するように思います。
末の娘が、その少し年上の姉に、ものを問うような
そんな雰囲気がそこに成立するのですね。
口にほおばると、
苦みと、自然の滋味がじんわりとカラダに染みこんでくる気がします。
天ぷらなので、甘みが強調されるのですが、
しかし、やはり早春の苦さは格別です。
こういう苦みは、健康にたいへん役立つのだと聞いたことがある。
厳しい冬を越えて命を再生させる自然の生命力が
その苦みに凝縮されているのだと。
ありがたく、味わいながら、
ついススメられるままに、地酒の品評会のような酒盛りに。
いっしょに酌み交わしたみなさんは、東京の方と東北の方たち。
各地で、大きな違いのある季節感の中で
ニコニコと談笑させていただきながら、つい、
さて、北海道のそんな春の訪れは、
ことしはいつまでかかるのだろうか、と心配までされる始末(笑)。
雪深く、また寒さもぶり返してきたり、
まことに一進一退を繰り返しておりますが、やがて、
北海道のとびきり苦みの利いたフキノトウ、
味わってみたいと思う次第であります。