長岡京エイリアン

日記に…なるかしらん

『軍師官兵衛』  視聴メモ 第32回『さらば、父よ!』

2014年08月21日 22時50分30秒 | 日本史みたいな
『軍師官兵衛』第32回『さらば、父よ!』(2014年8月10日 演出・本木一博)


登場する有名人・武将の『信長の野望』シリーズでのだいたいの能力評価(テロップ順)

黒田 官兵衛 孝高  …… 知力84、統率力67
 (演・岡田准一)

徳川 家康      …… 知力102、統率力65
 (演・寺尾聰)

黒田 長政      …… 知力77、統率力63
 (演・松坂桃李)

浅井 茶々姫     …… 知力16、統率力21
 (演・二階堂ふみ)

荒木 道薫(どうくん)…… 知力52、統率力83
 (演・田中哲司)

母里 太兵衛 友信  …… 知力44、統率力80
 (演・速水もこみち)

後藤 又兵衛 基次  …… 知力14、統率力75
 (演・塚本高史)

石田 三成      …… 知力92、統率力60
 (演・田中圭)

井伊 直政      …… 知力69、統率力81
 (演・東幹久)

安国寺 恵瓊     …… 知力80、統率力31
 (演・山路和弘)

池田 恒興      …… 知力56、統率力68
 (演・大橋吾郎)

蜂須賀 小六 正勝  …… 知力74、統率力90
 (演・ピエール瀧)

羽柴 小一郎 秀長  …… 知力83、統率力75
 (演・嘉島典俊)

本多 忠勝      …… 知力66、統率力84
 (演・塩野谷正幸)

榊原 康政      …… 知力45、統率力78
 (演・中村育二)

織田 信雄(のぶかつ)…… 知力39、統率力65
 (演・小堺翔太)

千 宗易
 (演・伊武雅刀)

羽柴 秀吉      …… 知力95、統率力94
 (演・竹中直人)

黒田 職隆      …… 知力72、統率力55
 (演・柴田恭兵)


ざっとの感想

●なんと、秀吉政権の天下統一と戦国時代の終焉を語る上で欠かすことのできない大戦争「小牧・長久手合戦」のあれこれが、アバンタイトルでささっと処理されちゃった! いやいや、いくら官兵衛が直接タッチしていないからといっても、その扱いはないんでないかい!?
 要所要所はおさえられてはいたものの、先週や~っと初登場できた織田信長のマブダチこと池田恒興が、その討死を描写されることもなくさっさと退場! 実は人知れず、この『軍師官兵衛』で荒木村重の没落をまねいた救いようのないダメ人間として描かれていた中川清秀も、先週の賤ヶ岳合戦で討死していましたっけ。なんというさくさく進行! 血も涙もありません。
 ドラマでは奇襲戦に大成功した家康の恐ろしさだけが強調されていましたが、よく考えてみれば、この野戦で池田恒興や森長可といった、秀吉以上に信長に縁の深い武将が討死したわけで、のちのちの秀吉政権の樹立にとっては「あまりいてほしくなかった」人物が都合よく消えてくれたということは、案外、秀吉も「まぁ結果オーライかな。」と、家康も真っ青のブラックな笑みを浮かべていたのかも知れません。戦争に負けても運のいい人間・秀吉!!

 とは言っても、長久手合戦に巻き込まれた武将たちの中には、貴重な秀吉一族のルーキーだった羽柴秀次もがっつり入っていたわけで、最初っから長久手派遣軍を捨て駒にしようと考えていたわけでもなかったのでしょうが、よくよく考えてみれば、あの恐怖の徳川四天王・榊原康政の猛攻を受けておきながら生還できた秀次も、叔父さんに負けず劣らずたいがい強運ですよね。
 そうそう、さすがに『軍師官兵衛』に秀次が登場しないということはないと思うんですけれども、なんでここで秀次が初登場しないわけ!? ある意味、「逆 MVP」っていう感じでいちばんおいしいエピソードだったと思うんだけどなぁ。誰が演じるんだろ、秀次?

●戦略家としての秀吉の実力が十二分に発揮された「織田信雄と家康の分断交渉」がまるまるカット! う~、気持ちはわかるが、ヒジョ~にもったいない!! 信雄は死んだわけじゃないんだけど、先週にあるはずだった織田信孝の無念の切腹もまったく描写されなかったし……『軍師官兵衛』は信長のご遺族にむちゃくちゃ厳しすぎ! まぁ、そりゃ秀吉政権の重臣ですからね。当然ですけど。
 にしても、たった一言のセリフで俳優の才能がまるでないことがわかった小堺翔太さん、お疲れさまでした。たぶんもう再登場はない……よね?

●秀吉ふけたな~! ア~ンド、三成ヒゲにあわねぇなぁ~!! ちょっと三成くん、ファッションセンスが全身ホワイトすぎでのっけから不吉なんですけど!? なに君、これから切腹でもすんの? それは16年後まで待っててって! まぁ、切腹じゃなくて処刑だけどね。
 大丈夫か、秀吉政権? まだ大坂城が完成したばっかりよ!?

●史実の秀吉がそうしたように、小牧・長久手合戦時に織田・徳川陣営についた紀伊国と四国の征伐を第一に進言する官兵衛。しかし、それに対して秀吉は、側近の三成が進言した徳川攻めを優先すると告げ、にべもなく官兵衛プランを却下するのですが……
 やっぱ三成はアホだ。そこで徳川を攻めたら、また紀伊の雑賀・根来衆と四国の長宗我部軍が元気になって大坂に攻めてくるパターンの繰り返しじゃないかよう! せっかく徳川と停戦したんだから、まずは大坂の安全圏の確保が第一じゃないの!? 『信長の野望』をプレイする小学生だってそんなバカなギャンブルやらないよ!!
 なんかねー、いろいろと三成は関ヶ原合戦を予兆させすぎ! 早いって。もっと落ち着いて内政がんばってから暴走して!!

●私の美的センスがおかしいだけなのでしょうが……茶々姫に魅力がさほど感じられないっ! なんか、血筋や政治上の理由で彼女を側室にしなければならない秀吉がかわいそうに見えて仕方がない。う~ん、これまでの歴史ドラマでは観られることのなかった新解釈だ……イヤなのは茶々姫だけではなかったのか!

●繰り返しになりますが、秀吉政権、のっけから内部がギクシャクしすぎだって! あの『秀吉』と同じ竹中秀吉が中核だとは思えない不穏さ……官兵衛に本心を打ち明けない秀吉とか、プレゼントを払いのける茶々姫とか、エブリデイ死に装束の三成とか!! どこらへんが「太陽の子」なの!?
 なんか、かなり久しぶりに「不気味な怪優・竹中直人」を観たような気がします。爬虫類みたいにまばたきしない演技が怖いんだよなぁ、このおじさん。ともかく、かつて描かれることのなかった「怖い秀吉」を演じることに、竹中さんが並々ならぬ意欲を燃やしているのはよくわかりました。よくわかったけど、やっぱりスタートが早すぎるよう!!

●不気味な笑みを浮かべながら音もなく近づいてくる荒木村重も怖いんですが、「ずしゃーり、ずしゃーり……」と聞こえよがしに片足を引きずる音を立てながら暗い廊下を歩く官兵衛もむちゃくちゃ怖いですよね。村重も内心、「おっ、ちょっ、官兵衛かよ……ビックリさせんなよ、もう!」ってビビッてたりして。オーイ小姓くん、大坂城のライティング、もっと明るくしてちょうだい!
 あっ、このシーンの終盤から、またちょっとだけ、明智光秀の坂本城のときに流れた不安さをあおる不気味な BGMが流れたぞ! この曲、好きなんですよねぇ、大河ドラマらしくなくて。

●三成の徳川攻め案と官兵衛の四国攻め案とを戦わせた結果、けっこうあっさりと官兵衛案に考えを修正する秀吉。怒りと感服で涙目になってはいましたが、ちゃんと自分に辣言をぶつける官兵衛の意見を呑んだのだから大したものです。
 それにしても、なんなんだよ、この出来レース……という表情を浮かべる三成「」。

○蜂須賀の糸姫を演じる高畑充希さんの演技が、他のどの俳優さんよりも頭ひとつぬきんでて自由なのが、ものすご~くいいですね! そうそう、こういうフレッシュな清涼剤がないとキツいですわ、なんだか今年の秀吉政権は。窮屈で陰気なんだよなぁ、みんな。

●いくら親父のことを悪く言われたからといっても、長政、キレんの早すぎだろ! でも、のちのちの長政の史実上のエピソードをいくつか思い出してみれば、案外ものすごく忠実な長政像なんだったりして……
 にしても、『軍師官兵衛』の「軍師」もそうなんですけど、「百姓」とか、戦国時代当時にはそういうニュアンスでは使われていなかった単語をセリフで使いすぎなんじゃないだろうか。江戸時代以降じゃないんですからね。いや、タイトルからして大嘘なんだから仕方ありませんけど。官兵衛も天界で「ふ~ん、軍師だったんだ、わし。」って驚いてますよ。

●えー!! 長宗我部元親、俳優ノンクレジット&セリフなし&土下座カットのみの超冷遇!? NHK は四国地方からの受信料収入がゼロになってもかまわないとでも思っているのか!?
 でも確かに、長宗我部ほど、他の戦国大名と「からみづらい」大名もいないですよね。扱えばまるごと取りあげなければその強さがわからないし、扱おうとしなければナレーション処理だけでもいいような気がしてくるし……充分に大大名なのにねぇ~。不憫だねぇ~!
 今回もナレーションの秀吉びいきがひどかった! 「わずかふた月あまりで戦いは終わった。」って、この時期の秀吉軍を相手に2ヶ月以上も戦えたんだぞ! なぁにが「わずか」だバカヤロー!!

●関白叙任の儀って、立て烏帽子に直衣(のうし)なんていうラフなかっこうで受けていいものなの? いくら戦国時代だからって言っても、さすがにそこはフォーマルに衣冠束帯(いかんそくたい)でいかなきゃいけないんじゃないの?
 そんなの、一流企業の社長就任式にポロシャツ着てきちゃった、みたいなもんだろ……もしかしたら、いいとこはいいかもしんないけど、あたしゃ許さないよ!!(浅香光代ふうに)

●『軍師官兵衛』って、なんで徳川四天王筆頭の酒井忠次だけ出てこないんですかね? 忠次が隠居するのはもうちょっと後のこと(1588年)なんですけど、やっぱり起用するなら大物俳優にしなきゃいけないからめんどくさいのかな?
 にしても、あっさりと官兵衛のことを忘れてしまっていた家康って……「中国大返しも、全てその男が絵図を描いたと。」という榊原の助け舟を聞いても、いちおう思わせぶりな表情を浮かべながら、実は最後まで思い出せないまんまだったりして。おじいちゃーん、しっかりして!!

●以上、「高齢者の熱中症には気をつけましょう。」という NHKからのお知らせでした。

 オーイ、黒田職隆、あまりにもこの世を去るのがさっぱりしすぎ!! OL が昼休みに食べるはるさめヌードルか!? それで結局おなかがすいて夜にがっつり食べちゃうんだからせんかたねえ!!
 ともあれ恭兵さん、これまで半年間、たいへんお疲れさまでございました。とってもすばらしい存在感でした!


結論、「第33回がとてもたのしみです。」

 ついに黒田職隆が悠々と退場し、第1回からドラマに登場している主要武将は官兵衛と秀吉だけになってきました! あ、あと叔父さんの休夢。
 出るだけで安心感の生まれる恭兵さんが去ったのはたいへんに残念なのですが、その代わりのように明るい雰囲気のある高畑さんが輝いてきたのはいいですねぇ。がんばってほしいな!
 だって、発足したばかりの秀吉政権がなんだかものすっごくぎすぎすしてるから……竹中秀吉の狂気が観られるのはうれしいんですが、なんだか先が思いやられるよ! ピエールさんもそろそろ退場しちゃうだろうし。あれだよね、たぶん、秀吉のお母さんが『軍師官兵衛』に出てきてないからいけないと思うんですよ。市原悦子カモーン☆

 ぜんぜん関係ないんですが、最近になってやっと『アナと雪の女王』を DVDで観る機会ができまして、城郭ファンのわたくしとしましてはやっぱり、唄いながらたったの38秒で、峻険な雪山の山腹に本丸天守閣を築城したエルサ女王のシーンにうなってしまいますね。風雲エルサ城!! 生きた雪だるまとか雪の巨人なんかどうでもいいから、そこは尾根づたいに二ノ丸・三ノ丸・枡形虎口大手門などをかまえてほしかった。

 日本で雪山に縁のある武将といえば、これはもう佐々成政できまりなわけですが、そういえば2002年の大河ドラマ『利家とまつ』で成政を演じたのは、日本でも指折りのミュージカル俳優として有名な山口祐一郎さんでしたよ。

 せっかく『アナ雪』が大はやりしてるんですから、今回の小牧・長久手合戦にからめて成政の「さらさら越え」もちゃんと映像化して、山口さんが甲冑姿で『 Let It Go 』を熱唱すればよかったのにねぇ。ダメ? いろいろとダメ?
 まぁ、「すこ~しも 寒くないわ♪」って唄ったあと、成政はほんとに少しも寒くない九州の肥後国に転封になったあげくに切腹しちゃうんですけどね……レリゴー!!
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つはものどもが 夢のあと  ~ゲーム『 AKB1/48 アイドルと恋したら……』のおまけDVD の感想1~

2014年08月20日 23時18分00秒 | すきなひとたち
 ハ~イどうもこんばんは! そうだいでございます。みなさま、今日も一日たいへんお疲れさまでございました!
 いやぁ、今日も千葉は暑かったですねぇ、やっぱ。でも、そんな千葉での夏も、私が体感できるのはあとわずか。来年はたぶん、いくらか楽にしのげる山形での夏になるんだろうなぁと、しみじみ実感しながら、毎日新京成線に揺られて職場に向かっております。
 なんか、今月の筆記試験終了でやっとこさ「あぁ、千葉生活も今年で最後になるんだろうなぁ。」という実感が湧いてきたような気がします。まぁ、まだまだ今年も4ヶ月あるし、ほんとに大事なのはこの後の実技試験なわけなんですが、ともかくえっちらおっちら、そこへつなげるための門は汗だくでギギ~と開くことはできたわけです。数年越しになっちゃったけど……結果オーライってことで勘弁してくれい! 山形の夏……どんなんだっけなぁ!? おぼえてないねぇ、どうにも。

 さて、そんなこんなでいよいよ、雑多な我がアパートの部屋もぼちぼち引っ越しに向けての整理を本格化させていかなければ、という気運が高まってきたわけなのですが、手放せないものはチャッチャと箱詰めして山形の実家へ送っていくとして、その一方で、手に入れはしたものの「実家に持っていくのもどうかな……」と思うものはどんどん売るなり捨てるなりして減らしていかなければなりません。
 そこらへんの選定とか、部屋がみるみるうちにスッキリしていく様子も楽しくて休日にいろいろやっているのですが、そんな中、このような DVDが部屋の片隅から出土してきましたる次第。


プレイステーション・ポータブル専用ゲームソフト『 AKB1/48 アイドルと恋したら……』初回限定生産版BOX 収録特典メイキング DVD(3枚組)
同『 AKB1/48 アイドルとグアムで恋したら……』初回限定生産版BOX 収録特典メイキング DVD(4枚組)


 うわー、これはどうにもなんない!
 これは私があるルートで特典 DVDだけを入手したというもので、ゲームソフト自体は持っていなくてプレイも一度もしていないのですが、以前アイドル関係であーだこーだ調べものをしていた時に資料として手元に置いてはみたものの、じっくり観る時間もまるでなく、ず~っと放置していたというしろものでした。
 3~4年前の映像資料ですからね……もはやいまさら観てもなんの足しにもならないわけなのですが、このまま1秒も観ないままポイするのも惜しいような気がしますし、せっかくこのような雑記帳まがいの個人ブログもやっていることなんですから、もはや『平家物語』を読むかのような「諸行無常……」な寂寥感さえも漂いつつあるこの資料に目を通したざっとの感想をここに記し、それが終わった後で気持ちよくほふろうと思い立ちましたので、ホントにおヒマな方はお付き合いいただきたいと思います。
 なんともはや、お盆という季節にこんなに合う企画もありませんね。いや、誰も死んでねぇけど!

 まずは、ゲームソフトそのものについてから。


プレイステーション・ポータブル専用ゲームソフト『 AKB1/48 アイドルと恋したら……』(バンダイナムコゲームス 2010年12月発売)

 『 AKB1/48 アイドルと恋したら……』は、バンダイナムコゲームスより2010年12月23日に発売された、人気女性アイドルグループ「 AKB48」を題材とした恋愛シミュレーションゲーム。企画発案は、AKB48総合プロデューサーの秋元康。
 本作は、AKB48のメンバー48人全員が「プレーヤーのことを大好き」という状況の中でゲームが開始、メンバーからの誘惑や愛の告白といった障害をかわし、最後の1人になるまで47人を振り続け、自分の好きなメンバー、いわゆる「推しメン」とのハッピーエンドを目指すというゲーム内容となっている。AKB48 のコンセプト「会いに行けるアイドル」に対して、本作は「いつでもどこでも会えるアイドル」をコンセプトとしている。ゲーム対象年齢12才以上、売上本数は約41万本。
 2011年10月には続編第2弾として『 AKB1/48 アイドルとグアムで恋したら……』、2012年12月には第3弾として『 AKB1/149 恋愛総選挙』が発売されている。

 ゲームイベント中のメンバーのセリフはすべて本人によるフルボイス収録となっている。「デートイベント」、「告白前イベント」、「神告白イベント」にはメンバーごとに異なるシナリオが用意されている。デートイベントは写真のコマ送り演出となっており、メンバー1人につき約2000枚、メンバー全員で1万枚以上で構成されている。また、神告白イベントは動画のみで構成され、メンバー全員で合計約80分収録されている。

アルバムモード
 ゲーム内でプレイヤーが取得した画像や動画を閲覧するモードである。
トレーディングカード
 ゲーム内で特定条件を満たした時に取得できるフォトカード。交換モード「48トレード」を通じて、他のプレイヤーとカードを交換することも可能である。
動画
 告白シーン、承諾時のハッピーエンド、拒否時のバッドエンドの3種類の動画。
スチールフォト
 デートイベント時の様々な表情や衣装のフォト。


 いや~なんというか、実にくだらn……いやいや、男のロマンに満ちあふれたゲームですね。ファンだったら、こんなに楽しい世界もないんでしょうねぇ、ファンだったら。
 う~ん、ゲームをやってみたいという気にはまるでなりませんね。電脳世界でモテまくってもなぁ~。それだったら、お金を稼いで目標を達成するというきわめてまっとうな生き方の大切さが身に沁みて学べる『リリパット王国 リリモニといっしょプニ!』(2004年)やったほうがいいなぁ。6期メンバーのパッとしなさがたまらない!!

 さぁ、それでは早速、DVDの禁断の内容を確かめてみましょう。


初回限定生産版BOX 収録特典メイキング DVD
2010年8月時点での AKB48正規メンバーが出演している。

ディスク1「チームA メイキング」(各メンバー約5~6分、合計82分)

岩佐 美咲(当時15歳 現チームK)
 ともかく、どことなく体育会系なはっきりした言動がいいですね。「だって48人いる中の1人を選ぶんですよね? ってことはフラれるほうが絶対多いじゃないですか。」という、謙虚ながらも現実をしっかりと見据えた分析が素晴らしいです。本人の気質もいいんですが、高校生という設定でのムービーパートの撮影風景が比較的しっかりと記録されていたのも良かったです。 AKB48じゃなくても生きていけるわ、この方は。肌がきれいだな~。

多田 愛佳(当時15歳 現 HKT48チームK4)
 舌ったらずでほんわかした声質が特徴的でありながらも、言うことがけっこう冷静に自分を分析したものになっているし、テイクを重ねていくごとに演技の真剣度が増していく感じが「こやつ、やりおる……」という実力を垣間見せていますね。長~く続けていく方に違いない。にしても、撮影体制が豪華だな~! ご本人のインタビューの最中にも、後ろで本人の映らないカットの撮影を続けているというタイトな空気がいいですね。

大家 志津香(当時18歳 現チームB)
 研究生から3年の歳月を経て正式メンバーに昇格したという AKB48きっての苦労人と賞される方なのだそうですが、まさにその彼女らしいというか、夏の炎天下の原宿の交差点をカメラ目線で歩きながら長回しワンカットで演技するという過酷なロケを、実に楽しそうな表情で3テイクもこなしていました。声はなんというか「ガラッパチ」な感じなのですが、とにかく人柄と根気でここまで来たお人と見た! 人望あつそうだな~。それにしても、博多弁のアイドルって、いいよね……

片山 陽加(当時20歳 現チームB・卒業宣言済)
 いまさらなんですが、「48人ぶんのキャラクターを書き分ける」というゲームシナリオ作成の高すぎるハードルの底の知れない恐ろしさを垣間見せる片山さんのキャラクター設定でした。ふつうに美人なのに、なんでこんなコントみたいな昭和&貧乏キャラなんだ……っていうか、一緒に銭湯に行って夕ご飯つくってもらってるって、それ告白されるもなにも、もう付き合ってるってことにしとけよ、男なら!! ご本人は楽しそうに演じてたけど、つくづく幸うすい役回りだよなぁ、これ……

倉持 明日香(当時20歳 現チームBキャプテン)
 ご本人の趣味だというプロレスに関するトークをデート中に炸裂させたあまりにプレイヤーを不機嫌にさせてしまうという、これまた尋常でない設定のムービー撮影だったのですが、いくら美人であることが前提にあったのだとしても、目を見開いたアップがタクシーの中で延々と続くのって、こわいよね……こちらもやっぱり、「いちげんさんお断り」な難易度のあるキャラクター設定かと見受けました。しゃべらなければ……ってやつか。

小嶋 陽菜(当時22歳 現チームA)
 出ました、名にし負う「神7」の一角・小嶋さん! 戦国武将でいえば「北条氏康」クラスの大物のお出ましです。さすがは第1期メンバーというかなんというか、難なく撮影をこなす余裕のありっぷりが、今までのメンバーとまるで違う違う。ただ、それだけにこのメイキング映像を観る限りでは全体的にけだるいオーラが出まくっていて、ちょっと機嫌が悪いように見えなくも……スチール撮影のときに「表情の強弱という難しい撮影にも応える」なんてテロップが出てましたが、そんなん、やって当たり前だろが! 「彼女はねぇ、九九がだいたい言えるんですよ。」ってほめるようなもんだろ。

指原 莉乃(当時17歳 現 HKT48チームH)
 日本の歴史の中で「人たらしの天才」といえば羽柴秀吉なわけですが、指原さんが間違いなくその系譜につらなる才覚を持ち合わせた傑物である、ということを思い知らされた4分38秒間の映像資料でした。だいたい、「原宿の路上で土下座してプレイヤーに告白する」というシナリオをもらう時点で、「そんなことに悲観してアイドルをやめるタマじゃない」という信頼と、ファンもそれに喝采を贈るだろうという確信を制作スタッフからいただいているという証拠なのですから、このキャラクター造形の盤石さはものすごいものがありますね。「1人(好きなメンバーを)プレイしたら、2人目は指原を選んでいただけたらな、と思います。」という謙虚かつ野心的なコメントに、のちの総選挙1位獲得の萌芽を観たのは私だけではないはずです。モニターで自分のテイクを確認する視線が、完全に討論番組で相手の言質を取ろうとしてる政治家の眼だもんね。自分に厳しい人は強いよな~。

篠田 麻里子(当時24歳 現在ファッションモデル)
 続けて出ました、「神7」第2の刺客・篠田さん。戦国武将でいえば「朝倉宗滴教景」クラスの名将ですよね。ちょっと年取りすぎでしょうか。もはや大人の魅力もいいところといった余裕しゃくしゃくの演技でプレイヤーに迫ります。人によるんでしょうが、このシナリオでプレイヤーの顔についた食べかすに対して篠田さんが取った行動、私はかなりゾッとします……窓ガラスの多い場所での撮影って、大変ね!

高城 亜樹(当時18歳 現チームB)
 「ペット同伴 OKカフェって、な~んか嫌いなんだよなぁ。なんで嫌いなんだろ……」と思いながらメイキング映像を観ていたら、出演していたワンちゃんがドンピシャで飲食店内にあるまじき最悪のハプニングを起こしていたので笑ってしまいました。そんな目には遭うわカゼひいてたわで、もうふんだりけったりの高城さんに、幸あれ。ペットタレント事務所の人、アイドルの前でウンコウンコ言うんじゃない!

高橋 みなみ(当時19歳 チームA キャプテン)
 どんどん出ます、「神7」でも中核をなすこのお方、高橋さん! 戦国武将でいえば……「馬場信春」とか「酒井忠次」っていう感じですよね。戦国大名じゃないからといって決して他の方々より下に見ているというわけでないというのはわかりますよね、『信長の野望』やったことのある人なら。ライブの時には本物のアイドルが数十メートル先に確実にいるはずなのに、そこに本人が現れる可能性はほぼゼロに近いという、劇場のロビーを使った撮影というのが、ファンの心理をガッチリつかんでいて秀逸ですね。「他の誰にでもなく、このおれに!?」という選ばれた感は、こりゃあうれしいよなぁ。高橋さんって、日常生活にいたら男にむちゃくちゃモテそうな女性ですよね。それがアイドル的な人気の取り方と、似ているようで魅力の本質がまったく違うのがおもしろいです。それにしても、鼻から下がほんとに伊東四朗さんに似てるよなぁ。パーツそれぞれに愛嬌があるんですよね。

仲川 遥香(当時18歳 現 JKT48チームJ)
 なんかこう……二の腕と肩甲骨まわりが非常にまる~い感じで……当然かわいいわけなんですが、歌って踊るアイドルグループのメンバーとはにわかに信じがたいタイプに見えますよね。同時に、すぐにアイドルやめそうな子だな……とも感じてしまったのですが、現実はそれとは真逆で、いまや AKB48グループの大事な海外進出の一翼を担い、異国ジャカルタの地に骨をうずめる覚悟でがんばっておられるという情報を知って驚き入りました。芯が強い子なんだろうなぁ。それにしても、東京の川は電車もうるさいけど、自転車の往来がハンパないですね! 田舎の車よりも多く走ってんじゃないの!?

中田 ちさと(当時19歳 現チームA)
 あらためて、48パターンの告白シナリオを考えるのって、ほんとに大変なんだなぁ……ということで。「怖い夢を見たから告白する」って、それはもちろんきっかけの口実なんだろうけど、それでも言われたら「え?」って思っちゃいますよね。安眠できたらオレいらねぇのかな、みたいな。告白してくれるのはうれしいですけどね。

仲谷 明香(当時18歳 現在声優)
 「主演者のテンションが低い現場」というものがどれだけ恐ろしいものなのか、ということをまざまざと思い知らされるメイキング映像でございました……ライブの新しい振り付けを覚えるのも大変なのでしょうが、ゲームのムービーシーンだって、ファンが繰り返し見返す大切なお仕事なんですからね。そこは切り替えてチャッチャとこなしてほしいよね~、現場の制作スタッフにしてみたら。でも、どう見ても病んでいるとしか思えない告白シナリオを演じるという意味では、けっこうリアルな雰囲気が出ていてよかったかもしれません。ハピネスチャージしてよかったですね!WOW!

前田 敦子(当時19歳 現在女優)
 満を持して登場、 AKB48に織田信長のごとき覇道をあゆませた不動の看板娘・前田さん!! でも正直言って、そうとうな予算をかけたらしいクレーン撮影は、なんだかそれほど効果があるようには見えない……どんなに高度が上がっても、結局うしろが恵比寿ガーデンプレイスのまんまだから変化がないんだな。前田さんに告白されて天にも昇る気持ち、っていう感じをやりたいんだったら、前田さんと一緒に上にあがってくっていうのもよくわかんないですよね。舞い上がるんだったらあんたひとりでやってくれよ、みたいな。前田さんのやりたい演技とぶっとんだ演出とが致命的に合ってないとみました。そりゃあ、一発 OKってことにしてさっさと撤収するしかないわな。制作スタッフはつらいよ!

前田 亜美(当時15歳 現チームA)
 「もぐもぐ……あっ、そうだ。好きになってもいいですか。」ときましたか! なにが「あっ、そうだ。」じゃ!! たぶん、シナリオとしては告白する緊張をまぎらわすためにドカドカ食べちゃう女の子、といういじらしさを押したかったのかも知れませんが、これを彼女がやると、ほんとに食べるのに夢中になっちゃって告白を忘れかけてたのかな?という疑念が生じかねなくなってしまうのだから不思議です。でも、おいしそうに食事をする女性って、ほんとに素敵ですよね。だからといって、口の中にまだ食べ物が入ってる状態で告白されてもなんちゅうか本中華……ところで、「好きになってもいいですか。」って、それ告白か!? いいとしたらどうなんだー!

松原 夏海(当時20歳 現在女優)
 自分のアピールそっちのけで後輩の大家さんをゴリ推しに推しているコメントが胸を打ちます。い~い先輩だな~……先輩肌というか、いっそ男前でさえもある身のこなしとさっぱりした言動が爽快ですね。ただ、ご本人も語っているように、そんな自立心旺盛な彼女がファン相手に告白なんてするか!? というところがウィークポイントなのでありまして……ダンスで気を整えてから告白っていう、なんか武術家みたいなアプローチを見せつけられたら、生半可な男なら「いやいや、私そんな大した男じゃないんで! じじ、辞退させていただきま~っす。」って退散しかねないですよね。う~ん、恋愛ゲームとしては非常に難しいキャラクターだ! でも、こういう人って、いいよなぁ。


ディスク2「チームK メイキング」(各メンバー約5~6分、合計82分)

秋元 才加(当時22歳 当時チームKキャプテン停止中、現在女優)
 撮影風景を観てもわかる通り、ムービーシーンは2010年の8月に撮影されたものだったのですが、周知のとおりその秋の10月に秋元さんは自身の恋愛スキャンダルの責任を取るかたちでチームKキャプテンを辞任しており、翌2011年の2月にキャプテンに復帰するまでの空白期間のあいだにこのゲームソフトは発売されることとなりました。そういった非常に厳しい時期にファンに届けられることになったムービーシーンが、皮肉にも48人のメンバーの中でも屈指ともいえる秋元さんの全力を込めた名演をとらえているのが、なんともいえません。ジャージで来ちゃったというのも、彼女の実際のオーディションでのエピソードの引用であるわけなのですが、それを12月に観たファンの心中はいかほどであったか……まぁ、復帰は近いという朗報になったでしょうね。あんなに現場で制作スタッフを盛り上げてくれる人なんですから、そりゃあ簡単には見捨てられませんわな。指原さんとはまた違う味わいの人たらしですよね。前田慶次かしら?

板野 友美(当時19歳 現在歌手)
 八重歯も含めて、「おぼえやすい顔」というのはかなり重要な武器なんだなぁ、としみじみ感じました。ただ、じゃあ彼女が唄って踊る姿を観たいのかというと……正直どうでもいいというか、しいてアイドルでい続けていなくともいいんじゃないかな、という印象を受けるんですよね。なんか努力と対極の位置に魅力があるような気がするんだよなぁ。混沌に無理に摂理をつけたら混沌死んじゃった、っていう中国の故事を思い出してしまいました。板野さんは混沌か! そういう意味では、最もアイドルらしくない方なのかも知れません。それにしても、ソファとクッションのある海の家って、なんなんだろう……じゃあ、家にいたら?みたいな。板野さんの存在の謎を的確に象徴するロケーションでしたね。

内田 眞由美(当時16歳 現チームK)
 特に気になる点がない……適度に人柄もよく、適度に演技もでき、適度に AKB48のメンバーっぽい。でも、16歳の女の子なんて、ふつうで当たり前だしなぁ。アイドルって、どこか「異形」じゃなきゃいけないと思うんですが、内田さんはどうなんですかね。メイキング映像だけじゃあ、なんにもわかんなかったな。

梅田 彩佳(当時21歳 現 NMB48チームB2副キャプテン)
 トーク慣れしてるなぁ~、この人! まさに立て板に水を流すような語り口。自分の演技うんぬんそっちのけでゲームソフト自体のセールストークを朗々と続ける姿にプロの腕を見ました。梅田さんも、一般社会にいたらモテまくるお人柄なんじゃないかなぁ。アイドルグループというよりも、集団の中にぜひとも1人はいてほしい人材ですよね。頼りにしてます、せんぱ~い!



 え~、まだまだ途中ではあるのですが、例によって字数もかさんできましたので、続きはまた次回ということにしたいと思います。
 まぁ、こんなゲームの感想ですらない内容をいまさら誰が読むんだという感じなんですが、個人ブログだからよう! なまあたたか~い目でお見すごしくださいませ~。
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なんで馬に乗ってるセミがこんなにかっこいいのだろう 映画『仮面ライダー対じごく大使』 ~資料編~

2014年08月18日 23時35分43秒 | 特撮あたり
映画『仮面ライダー対じごく大使』(1972年7月16日公開 34分 東映)

 『仮面ライダー対じごく大使』は、「東映まんがまつり・へんしん大会」のプログラムとして公開された東映の中編映画作品。TV 番組『仮面ライダー』の劇場オリジナル映画第2作。
 公開当時、1972年の日本は「変身ブーム」の真っ只中にあり、テレビ各局がこぞって「変身」を見せ場とした特撮ヒーロー番組を競作し、子どもたちが「ヘンシンごっこ」に熱中していた。このブームの中、劇場版の前作『仮面ライダー対ショッカー』(3月公開)が丸の内東映のアンケート調査で人気1位になったことを受け、東映は恒例の「東映まんがまつり」の夏休みプログラム興行を「へんしん大会」と銘打ち、そのメインとして本作が制作された。
 物語は、石森章太郎によるコミカライズ版『仮面ライダー』の最終話『仮面の世界(マスカーワールド)』を原案とし、富士山麓における改造人間軍団と仮面ライダーとの攻防を描く。作品タイトルでショッカー大幹部・地獄大使の「地獄」をひらがなで表記しているのは、より広範囲の観客層へのアピールを図ったためとされる。
 なお、一文字隼人(仮面ライダー2号)は本作には登場しない。
 本作の空撮シーンでは元日本軍の特攻隊員がヘリコプターのパイロットを務め、超低空飛行で送電線の下をくぐるなど、航空法に違反すると思われる操縦をしていた。同乗した撮影の川崎龍治は高所恐怖症であったことに加え、眼前に爆炎が迫ることに恐怖を感じ、撮影助手は失禁していたという。

 本作の撮影中、主演の本郷猛役の藤岡弘が失踪して制作が中断する事態に見舞われている。
 藤岡は1972年5月、同年10月に NHKで放映予定のドラマの出演オーディションに合格していた。しかしこの一件が事後報告であったために、『仮面ライダー』制作者である東映や毎日放送とトラブルとなり、一時期行方をくらませてしまった。当時の新聞報道によれば、藤岡は川崎市内の工事現場で働いているところを発見されインタビュー記事も掲載されていたが、藤岡自身は後年のインタビューで伊豆方面を放浪していたと述べている。
 主演俳優の不在という事態にまず TV本編の制作現場が大混乱となり、その結果、本来ならば本作で新登場するはずだった改造人間カミキリキッドが、第66話『ショッカー墓場 よみがえる怪人たち』(7月1日放映)に先行登場する対応が取られた。
 また、本作ではショッカー大幹部・地獄大使との対決を打ち出す一方で、公開前にもう1人の大幹部・死神博士との決着を TV本編で終結させる予定だったが、それも藤岡の失踪によって撮影スケジュールが大きく狂うこととなる。死神博士との決着は延期になり、死神博士の正体として用意された改造人間ギリザメスは、第67話『ショッカー首領出現!ライダー危うし』(7月8日放映)に通常の改造人間として登場することとなった。この混乱を経て、第68話『死神博士 恐怖の正体!』(7月15日放映)の撮影時に藤岡が復帰し、本作公開前日の放映となった同話で死神博士はイカデビルをその正体として仮面ライダー1号に倒され、新サイクロン号の登場も本作の公開に間に合わせることに成功した。
 なお、本作の中盤での山場となった朝霧高原ロケは梅雨時にずれ込み、湿気のためにピントが合わず、撮影に苦労したという。
 番組プロデューサーの平山亨と阿部征司は、藤岡のオーディション参加やその後の失踪は彼の所属事務所社長の命令だったのではないかと見解を示している。
 本件の後、藤岡とその所属事務所は、励ましの声を送り続けたファンへの感謝として後援会「本郷猛の会」を発足した。その一方、TV シリーズでは藤岡のスケジュール調整が行われ、後の「ゲルショッカー編」では本郷の出番が極力減らされる形となり、藤岡は他 TVドラマへの出演数を増やしていった。


あらすじ
 仮面ライダー1号こと本郷猛と滝和也は東日本ロードレースに出場するが、ショッカーの妨害を受ける。ショッカーは富士山頂の大要塞にスーパー破壊光線砲を設置し、日本全土を焼き払う作戦を進めていた。これを阻止しようとする仮面ライダー1号の前に、カミキリキッド率いる改造人間軍団が立ち塞がる。


登場する改造人間
カミキリキッド …… 二見 忠男(声の出演 41歳)
 別名「レーザー怪人」、「催眠怪人」。
 富士の樹海に生息するカミキリムシを元にした改造人間。頭部の触角からレーザー光線、口から相手を麻痺させる白い痺れガスを噴出する。左手のツメは鋭利なハサミ状になっている。弱点は脚部と、頭部の電極部分。
 立花レーシングクラブを襲撃し、痺れガスで立花藤兵衛らを眠らせて誘拐する。その後、富士山頂の大要塞に潜入した1号と滝を迎え撃つ。
 当時の子どもたちの人気は高く、同年8月発売の雑誌『テレビマガジン』9月号の「ショッカー怪人・人気コンテスト」では総合1位に入賞している。
 主演の藤岡弘の失踪による制作中断の都合により、本作に先駆けて TVシリーズ第66話で初登場したが、本作とは別個体と解釈されている。

再生改造人間軍団
カブトロング
 ……序盤で登場。

ハリネズラス、セミミンガ、ゴキブリ男、ギリーラ
 ……ショッカー戦闘員を指揮して出撃する。ハリネズラスがカミキリキッドと共にリーダー的役割を果たす。

ジャガーマン、サイギャング、セミミンガ
 ……朝霧高原戦で出撃する。ジャガーマンとサイギャングはオートバイ部隊、セミミンガは騎馬部隊を指揮している。

ザンジオー、海蛇男、ミミズ男、エイキング、ゴースター、プラノドン、キノコモルグ、ドクモンド、ムササビードル、ザンブロンゾ、毒トカゲ男
 ……富士山五合目でライダー1号と滝を迎撃する。ザンジオーがリーダー格となる。キノコモルグとムササビードルは TV版と異なりブーツを履いている。エイキングは TV版では巻いていなかったショッカーベルトを腰に巻いている。ミミズ男は TV版ではミミズ状の触手だった左手が右手と同じく人間型の手になっている。


おもなスタッフ
監督  …… 山田 稔(46歳)
脚本  …… 伊上 勝(41歳)
音楽  …… 菊池 俊輔(40歳)
美術  …… 高橋 章(34歳)
装飾  …… 八木 功(21歳)
編集  …… 菅野 順吉(41歳)
助監督 …… 長石 多可男(27歳)
技闘  …… 岡田 勝(22歳)
主題歌『レッツゴー!!ライダーキック』(歌・藤浩一、メール・ハーモニー)
エンディング『仮面ライダーのうた』(歌・藤浩一、メール・ハーモニー)


おもなキャスティング
本郷 猛 / 仮面ライダー1号 …… 藤岡 弘(現・弘、 26歳)
滝 和也     …… 千葉 治郎(23歳)
地獄大使     …… 潮 健児(47歳)
ユリ       …… 沖 わか子(20歳)
エミ       …… 高見 エミリー(17歳)
立花 藤兵衛   …… 小林 昭二(41歳)


 まさか、人気絶頂のさなかに公開されたこの作品もまた、あの『ゴーゴー仮面ライダー』に勝るとも劣らないトラブルに巻き込まれていたとは……藤岡さんも制作スタッフも、いろいろ大変だったんだなぁ!
 ということで、肝心カナメの本文のほうは、もうちょっと(ちょっと……?)待っててくださいね~!!
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やはり菅谷さんは法隆寺五重塔だった  ~ハロコン2014夏、最高でした~

2014年08月16日 23時00分32秒 | すきなひとたち
コンサート『 Hello!Project 2014 SUMMER ~YAPPARI!~』(2014年8月16日15時開演 東京・中野サンプラザ)

楽曲リスト
オープニングメドレー
 Juice=Juice『アレコレしたい!』(2014年 3rdシングル)
 スマイレージ『良い奴』(2014年 15thシングル)
 ℃-ute『悲しき雨降り』(2013年 22ndシングル)
 Berryz工房『すっちゃかめっちゃか~』(2013年 8thアルバム『Berryzマンション9階』収録曲)
 モーニング娘。『笑顔の君は太陽さ』(2014年 55thシングル)
6、ハロプロ研修生『青春Beatは16』(2014年 新曲)
7、佐藤優樹(モーニング娘。)・田村芽実(スマイレージ)・植村あかり(Juice=Juice)・宮本佳林(Juice=Juice)『夢見る15歳(フィフティーン)』(2010年 スマイレージ1stシングル)
8、譜久村聖(モーニング娘。)・小田さくら(モーニング娘。)・徳永千奈美(Berryz工房)・須藤茉麻(Berryz工房)・萩原舞(℃-ute)『五月雨美女がさ乱れる』(2013年 Juice=Juiceインディーズ2ndシングル)
9、石田亜佑美(モーニング娘。)・清水佐紀(Berryz工房)・夏焼雅(Berryz工房)・中島早貴(℃-ute)・福田花音(スマイレージ)・勝田里奈(スマイレージ)『ブスにならない哲学』(2011年 モベキマス)
10、鈴木香音(モーニング娘。)・熊井友理奈(Berryz工房)・菅谷梨沙子(Berryz工房)・竹内朱莉(スマイレージ)・金澤朋子(Juice=Juice)『君は自転車 私は電車で帰宅』(2012年 ℃-ute18thシングル)
11、生田衣梨奈(モーニング娘。)・鞘師里保(モーニング娘。)・飯窪春菜(モーニング娘。)・矢島舞美(℃-ute)・和田彩花(スマイレージ)・中西香菜(スマイレージ)・宮崎由加(Juice=Juice)『ゴールデンチャイナタウン』(2013年 Berryz工房32ndシングル)
12、トリプレット(モーニング娘。工藤遥・℃-ute岡井千聖・Juice=Juice高木紗友希)『 Dream Last Train 』(2014年)
13、嗣永桃子(Berryz工房)・鈴木愛理(℃-ute)・道重さゆみ(モーニング娘。)『桃色片思い』(2002年 松浦亜弥5thシングル)
14、ハロプロ研修生『恋したい新党』(2014年 新曲)
15、スマイレージ・Juice=Juice『 Help me!!』(2013年 モーニング娘。52ndシングル)
16、モーニング娘。『1億3千万総ダイエット王国』(2014年 Berryz工房34thシングル)
17、Berryz工房『 Crazy 完全な大人』(2013年 ℃-ute21stシングル)
18、℃-ute『私、ちょいとカワイイ裏番長』(2012年 スマイレージ12ndシングル『寒いね。』カップリング曲)
19、ODATOMO(小田さくら・金澤朋子)『木立を抜ける風のように』(2014年)
20、譜久村聖・嗣永桃子・熊井友理奈・福田花音『 BE HAPPY 恋のやじろべえ』(2002年 タンポポ8thシングル)
21、工藤遥・岡井千聖・萩原舞・和田彩花・田村芽実・宮崎由加・宮本佳林『 Loving you Too much 』(2012年 Berryz工房29thシングル『 cha cha SING 』カップリング曲)
22、さとのあかり(佐藤優樹・勝田里奈・植村あかり)『嗚呼、素晴らしき日々よ』(2014年)
23、道重さゆみ・菅谷梨沙子『やる気!IT'S EASY 』(2002年 後藤真希4thシングル)
 ※道重・菅谷は2009~11年に「続・美勇伝」というユニット名で活動していた。伝説復活!!
24、清水佐紀・矢島舞美・鞘師里保・石田亜佑美『 C\C(シンデレラコンプレックス)』(2008年 High-King )
 ※清水・矢島はHigh-King メンバーである。踏魂継承!!
25、生田衣梨奈・鈴木香音・飯窪春菜・徳永千奈美・須藤茉麻・夏焼雅・中島早貴・鈴木愛理・中西香菜・竹内朱莉・高木紗友希『 BE ALL RIGHT!』(2003年 11WATER )
26、吉川友(ゲスト)『いいじゃん』(2014年 7thシングル)
27、モーニング娘。『 Password is 0』(2014年 56thシングル)
28、Juice=Juice『風に吹かれて』(2014年 4thシングル)
29、スマイレージ『地球は今日も愛を育む』(2014年 新曲)
30、Berryz工房『普通、アイドル10年やってらんないでしょ!?』(2014年 35thシングル)
31、℃-ute『悲しきヘブン』(2014年 25thシングル)
32、ハロー!プロジェクト全グループ『恋愛レボリューション21 updated 』(2013年 モーニング娘。5thベストアルバム『 The Best!Updated モーニング娘。』収録曲)




《余計な言葉は差し挟まず……とにかく最高でした!!》
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元気にさけぼう、さようなら!!  ~三条会アトリエお別れ公演『ひとりごけ』~

2014年08月13日 22時56分18秒 | 日記
 くわ~い。どうもこんにちは、そうだいでございます~。夏休みもいよいよお盆を迎える段階に入りましたが、みなさま、暑さにも負けずがんばっておられますでしょうか?
 私はここ数年、お仕事のシフトの都合上、朝6時30分に起床するのが常態の生活が続くようになったためか、つい5年前くらいの私が聞いたらビックラこくような朝型人間になっておるようでして、たまにいただける休日でも、基本的にそのくらいの時間には目が覚めてしまう習性がついてしまいました。
 そんでま、久しぶりになんの予定もない本日も朝早くに起きてしまい、しかたなく明日のお仕事のための準備とか、来年1月の引越しに向けた部屋の整理とかをやっていたのですが、案の定、3時間くらい経った10時ごろに至福の2度寝タイム。そしてまた、日が高くなってギュギュギュンと急上昇した室内気温にたたき起こされるかのように、午後にまた起きるという自堕落なタイムスケジュールとなってしまいました。30すぎのおっさんが一人暮らししていると、たまの丸一日フリーはこんな無駄づかい具合になり下がってしまうんですなぁ。もったいねぇけど、そこがいいんだ!!

 今週は、16日の土曜日にわたくしめにとって生涯初の中野サンプラザ&ハロコンという、スッペシャルもいいところなビッグイベントが控えているのですが、それを目前にして貴重な休息日になりましたねい。う~ん、超ドキドキです。
 最近の我が『長岡京エイリアン』の記事の動向をご覧いただいてもおわかりのように、私は2014年に入ってからは、仕事の忙しさとか資格試験のための勉強とか、引越しの準備とかにかまけてハロー!プロジェクトの新曲のほとんどをチェックしていないという不信心ぶりになっておりまして、試験もなんとかしのいだことですし、早急にそこらへんを再起動させてコンディションを整えなければいかんのですが、まぁ~部屋はあっちぃし身体は仕事で疲れてるしで……いやいや、四の五の言わずに、聖地巡礼におもむくための精進潔斎に励みましょう。
 だってよう、8月にはハロコン、9月には℃-uteとBerryz工房の連日武道館、そして10~11月には第8代・道重リーダー卒業記念のモーニング娘。武道館コンサートときたもんだ。せいぜい健康に気をつけて、千葉ひとり暮らし最後の夏・秋にいろどりを添えることといたしましょう。自分の周囲の人間関係でいろどりを添える才覚は、私には、ない!!


 さて、先日、10日の日曜日に私は年に1回の資格試験にのぞんだわけだったのですが、午後1時から開始された1科目の試験を受けるだけで本年の1次試験は終了だったため、私は夕方ごろには早々に帰宅して、ネット上のいくつかの資格取得サイトで速報として公開された予想解答をもとにガタガタ震えながら自己採点にのぞみ、万全の態勢でのぞんだ割にはあまりにもギリギリな点数で愕然としましたが、それでもいちおう合格できそうだという手ごたえを得て、そのまま失神に近いような脱力感のままに眠ってしまいました。うれしいけど、全然うれしくない……10月には2次試験があるわけだし。

 ところが、日も落ちて暗くなった夜7時ごろにハッと目覚めた私は、「1次はなんとか合格できそうです。」という結果報告のために、自転車をかっ飛ばして20~30分ほどの距離にある、千葉市街地の三条会アトリエにおもむきました。


三条会アトリエお別れ公演 『ひとりごけ』(2014年8月2~10日 演出&主演・関 美能留)


 この日、三条会のアトリエ公演は最終日を迎えていたのですが、最終公演は午後3時開演だったので、もともと私は観劇することはできませんでした。
 それでも私が終演後のアトリエに向かったのは、それ以前の8日金曜日にこの『ひとりごけ』を観劇した際に、「10日の試験の結果が良かったら……まぁ、良くなくても終演後の打ち上げには顔を出します。」という約束を三条会の皆さんと交わしていたからだったのでした。そんでま、まぁまぁ、ショックで寝込んでしまうほどの結果ではなかったということで、「合格しそうです……ギリギリですけど。」という実に微妙な表情を浮かべながら、再びうかがうことになったのでした。「そりゃもう、3年も勉強してたんスから、100点満点ですよ、100点満点! ッたり前じゃないっすかぁ!!」と、お寿司でもつまみながら左うちわでガハハと大笑したかった……

 昼公演の打ち上げということで、私が着いた夜8時ころにはすでに座も落ち着いていたようで、アトリエには三条会の皆さんと、東西無双の「三条会『ひかりごけ』ウォッチャー」としても著名な、劇団「百景社」主宰の志賀亮史(あきふみ)さんを含めた数名がいるといった状況になっていました。

 その場では、今までがそうであったように、終電に間に合う時間まで明るい会話に花が咲くといった流れになり、そして「それじゃあ、また!」という挨拶が交わされてみなさん解散ということになったのですが、こういった「みんなが集まる場」としてのアトリエ、もっと言えば、「みんなを集めるエネルギーの集結点&起爆点」としての三条会アトリエに、正式に終点を打つのが今回のお別れ公演だったんですよね。

 思えば、私も三条会の劇団員として、この三条会アトリエの開設された2005年から2011年まで、ず~っとこの日のように、自転車をかっ飛ばして20~30分かけてこの場所に通っておりました。その後も、公演のお手伝いをしたり、あるいは完全な客としてアトリエに行くことも多かったのですが、やっぱり、ほぼ毎日のようにアルバイトを終えた夕方に集合して、笑ったり汗を流したり悩んだりしながら数時間、10人くらいの男女が集まってドカンドカンと常軌を逸した衝突実験を繰り返していた日々。その全身で記憶している空気は、やはりそう簡単には忘れられそうにありません。セリフはけっこう確実に忘れつつあるんですけどね……

 もちろん、この場ではほぼ毎年のように、アトリエにお客さんを招くアトリエ公演も企画されていたのですが、やはり私にとって印象深いのは、どれをとっても本番の公演そのものではなく、そこにいたるまでの稽古の風景のほうですね。
 特に、アトリエでは上演できないような大きめの規模の公演(東京での劇場公演とか野外公演とか)に向けての稽古のために三条会メンバーでない客演の俳優の皆さんも加わって、各人のカラーもキャラクターも新鮮だし物理的に空気もうすくなってるような気もするし……といった熱気ムンムンの状態で展開される通し稽古には、自分も出演者なのにお客さんのようにワクワクしてしまう空気に満ち満ちていました。私が記憶するかぎり、この「なにか、すごいことをしでかすぞ!」感は、当然、本番会場や別の稽古場でもそれに近いものが生まれていましたが、三条会に客演の皆さんという強力なブースターがついて発射されるということがいやおうなしに実感できるアトリエがいちばん楽しかったですよね。
 これは、残念ながら、その公演に当事者として参加する人間にしか味わえない楽しさだったと思うんですよね。一般のお客さんには提供することができない、漁船の上で漁師さんだけが味わえる料理みたいな鮮度勝負なうまみが、この約10年の歳月を経て壁にしみこんだ空間、それが私の知っている三条会アトリエなのです。そりゃあ壁に穴もあきます、置いてあるぬいぐるみも激シブな色に変わっていきます!


 今回のお別れ公演『ひとりごけ』は、タイトルを見てもわかるように、三条会が2001年の初演(第2回利賀演出家コンクール出場作品)から昨年2013年の岡山県公演まで、常にそのスタイルを変えて上演し続けてきたタイトル『ひかりごけ』(原作・武田泰淳)の最新ヴァージョンであると同時に、「ひかり」じゃなくて「ひとり」ということで、再演のようで再演でない、おそらくは三条会アトリエでしか成立しえない、つまりは最初で最後の上演となることが容易に予想できる特別な空気をもって、8月2日に公演が開始されました。

 そして、この公演は「ひとり」と言いつつも主演の関美能留さん(主宰にして演出です)のひとり芝居ではなく、日替わりで三条会の俳優3名のうちの誰かが1人出演するという形式にもなっていました。つまり、今回で一挙に3ヴァージョンの上演となるわけか! なんという大盤振る舞い。
 結局、私は8月4日と8日の2回しか観劇することができず、全ヴァージョンを観ることはかなわなかったのですが、今回の『ひとりごけ』は、どうやらその『ひとりごけ』という作品の性質から、共演者が変わるということ以外にもさまざまな要因が重なって、「毎日がそれぞれ1ヴァージョン!」というものすごい日々になっていたようなのでした。

 それはやっぱり、主演の関さんが「自分が俳優でないことを深く自覚した上で俳優になっている」という異常性のなせるわざなのではないのかと。こんな人が逃げも隠れもせずに舞台の中心に立ち続けているお芝居なんですよ!? これが異常でなくてなにが異常なのでしょうか。俳優でない人間が俳優になろうとしているのではありません。俳優でない人間が、「俳優でない状態をキープして」お芝居を続けているのです! ジャンプして空中にいるまま静止してるようなもんよ、これ!? それ、飛んでますよー!!

 私が今回、2つの回を観くらべて心底ビックリしたのは、公演スケジュール前半の4日の回よりも、終盤にさしかかった8日の回のほうが関さんに明らかに体力的な疲労の色が濃かったというのに、その8日のほうが圧倒的におもしろかった、という事実でした。

 『ひとりごけ』の物語の流れは、三条会版『ひかりごけ』の、特に2001~08年の「旧ヴァージョン」に準拠したものとなっており、原作小説で戯曲形式になっている部分を、関さんがひとりで旧ヴァージョンの演出プランを再現しながら舞台化していく、という形式をもって始まっていきます。物語の主人公格である船長と、難破した輸送船の3人の船員をあわせた「4役」をこなしながら進行させていくわけなのですが、舞台上では、旧ヴァージョンを上演するための稽古をするにあたって、さしあたって出演者がいないアトリエで、一人の演出家(関さん)が演出プランを自分で実演しながら進めていく、といった外観になっていました。ただし、演出家は自分の演じている役の相手には、まるで本当にそこにいるかのような意識をもって会話を試みているので(「好きな食べ物なに?」とか)、もしかしたら、演出家の眼には確かに、アトリエにならべられたいくつかの教室机に学生服姿で座っている役者の残像というか、「残留思念」のようなものが見えていたのかもしれません。残留思念って、それ、「幽霊」なんじゃ……まだ本物は生きてますけどね、客席でニヤニヤして。

 旧ヴァージョン『ひかりごけ』(最近の2013年ヴァージョンもそうでしたが)において、誰しも普通ならば積極的に食べたくはないものの、自身の生存のために対峙せざるを得なくなってくる重要な存在「死んだ船員の肉」という要素は、「おなかのすいた学生服姿の人間が見たマクドナルドハンバーガー」という絶妙な小道具に置換されていたわけなのですが、今回の『ひとりごけ』でもそこははずされておらず、その結果、「ひとりで全部の役を演じるんだったら、まぁそうなるよね。」といった帰結によって、演出家は誰に強制されるでもなく、無人のアトリエでばくばくとハンバーガーを3個たいらげていくこととなります。おぉ、これが、演劇をしなければ生きてゆけない芸術家の「業(ごう)」というものなのか……バンズも肉もぱっさぱさ!!

 そういえば、舞台上に最初からいる人間は確かに演出家だけなのですが、並べられた教室机のひとつには、常に座高50cm ほどの大きなクマのぬいぐるみが腰かけており、演出家は彼のことを「ごうちゃん」と呼んでいました。
 この「ごうちゃん」は、三条会版の歴代『ひかりごけ』のどのヴァージョンにも、原作小説にも登場しない『ひとりごけ』オリジナルの存在なのですが、最初から最後までまばたき一つせずに演出家の生きざまを見つめている「くされ縁」のようなその寄り添い感からするに、明らかにこのごうちゃんは、演出家の「業」が凝縮して形を持った、洞窟の鍾乳石のような結晶なのだなぁ、と感じ入ってしまいました。業ちゃん。
 いや、ぬいぐるみのごうちゃんは三条会公演、特にアトリエ公演を観に来たお客さんにとってはなじみの深い最古参の劇団員で、その名前も由来に忠実に準拠すれば漢字は「郷ちゃん」なんですけれども(2006年の野外公演『レミング』で命名)、今回の『ひとりごけ』でのごうちゃんのまなざしは、明らかに神か悪魔に近い高みにあったってわけです。首も手足も、長年の活躍で関節ぶらんぶらんなわけですが、それもまた、ただ座っているだけのぬいぐるみという肉体をとっくの昔に解脱しているあかしなんですよね。やはり、多くの人間の念がこもった人形(クマぎょう)には魂が宿るものなのだなぁ。

 話を戻しまして、『ひとりごけ』最大の脅威となった「ハンバーガー3個」ですが、私が観劇した4日の時点では、演出家はまさにそれこそ涙ぐましい熱闘をもってどうにかこうにかたいらげていました。また、この「食いたくないものを食わなければならない」というリアリティたっぷりの対決が、原作の船長にとっての人肉のイメージをいやがおうにも補強していて、セリフだけを聞いていれば強欲な悪人のようにしか見えない船長の、それとはうらはらな孤独と苦しみを力強く語ってくれています。

 そこなんですが、実はその後、演出家を演じる関さんの身になんらかの変化があったらしく、私が再び観劇した8日では実にたくみに、「演出家が3個ぜんぶ食べる」という選択肢ではない回避策がとられていたのでした。

 いや~、これがすばらしかったわけなんですよ! そこはそれ、つまらないネタばらしはせずに、実際に観たお客さんだけの楽しみにしておきたいので説明はしないのですが、あっさりとこの策に舵をとった演出の身軽さこそが、私が4日よりも8日に観た『ひとりごけ』のほうが断然おもしろいと感じた要因だったんですね。

 序盤、通常の『ひかりごけ』よりもだいぶゆるい雰囲気で「さて、と……誰もいないけど、ちょっと始めてよっか。」といった演出家のつぶやきとともにおもむろに始まる『ひとりごけ』ですが、極寒の岬で難破した船員たちという深刻なストーリーに拍車がかかるにしたがって全役をこなす演出家にのしかかる肉体的負荷もかなり重いものとなってきて、めまぐるしく立ち位置を移動して「死ぬ者」と「取り残される者たち」の両岸を行ったり来たりするうちに、中盤では息もたえだえといった苦境におちいってきます。
 そこへ例のぱさっぱさハンバーガーラッシュなんですから地獄もいいとこなわけですが、そこをひたすらストイックに一人でのりきる4日の演出家と、絶妙な「ちょっと休憩!」タイムをさしこみ窓を開けてタバコを吸う8日の演出家とで、どちらが『ひとりごけ』のオリジナリティである「アトリエお別れ公演」にふさわしいのかといえば……そりゃもう、間違いなく8日のほうなんですよねぇ。

 要するに、『ひかりごけ』の物語を一気にダッシュで走り抜けるか、ちょっとひと休みしつつも自分のペースを維持しながらゴールを目指すのか。果たしてどちらが、より「演出家がアトリエでひとりでやっている」という『ひとりごけ』らしいのか。確かに演じるのならば前者をやりたくなるのが人情なのかもしれませんが、それは今までの俳優が出てくる『ひかりごけ』で長いあいだ上演されてきたものでもあるのだし、そうなんだったら、「そりゃ休みもしますよ、俳優じゃないし!」といった実にナチュラルでありながらも、そうそう舞台上では堂々と見受けられない展開を切りひらいた8日の『ひとりごけ』に、私は「新しい! でも、そりゃそうだわ!!」と、やたらとハッとしたわけだったのでありました。

 また、私自身も含めて、「今回はタイトルも微妙にちがうし主演は演出家だし……いったいどんなお芝居になるんだ!?」という緊張感もお客さんの中にはあったかと思われたのですが、特に8日の関さんは、自らの疲労感や「この回、乗り切れるのか?」といった危険な空気を、ほんとにそんなに危なかったのかどうかは別として、実にたくみなノーガード戦法で包み隠さずお客さんにぶっちゃけて、それをお客さんの固さをほぐす特効薬に転換するという大技を「しれっ。」と展開させていました。これ、たぶん凡百の俳優にはできないことですよね、「疲れたところなんか見せられない!」とかいう、意外とお芝居そのもののおもしろさとは関係のないプライドが邪魔をして。
 そうそう、何百年もかけて型のガッチリ決まった古典芸能じゃないんですから、現代演劇の俳優は、「疲れ」や「セリフとちり」さえも、出てしまったその瞬間に上手に武器にできる柔軟性こそが身上だと思うんです。そこであたふたしちゃうと一瞬で底を見透かされちゃうもんなんですよね。もちろん、そんなにしょっちゅう出してほしくはないですけど。
 当然、「いや~、おれ疲れてるんですよ!」なんて誰も聞いてないのに前面に押し出すなんてのは問題外の0点です。その差し引き加減は、まさしくその回のお客さんの空気次第。そこを舞台上で演じながらバチコーンと読み取って、イヤミなく利用できる関さんの自由自在さに、改めて「演出家だなぁ~!!」と感じ入ってしまいました。

 そうそう、せっかくアトリエお別れ公演で、せっかく演出家が主演しているんですから、その自由さを盛り込まずにどうするんだと。もちろん、その自由さとは、「俳優」という立場を避けつつも、俳優と同じかそれ以上の重力を自らに課しながら舞台に立ってお客さんを相手にする努力と根性があってこそ効いてくる「緩和」でなければならないのでありまして、そこをしっかり心得ている関さんが繰り広げる『ひとりごけ』の世界に、「演出家の息抜きお遊び企画」などというぬるい温度は存在するはずもなかったのでした。あたり前田の太尊よ!!


 さて、『ひとりごけ』という新たな形式をとりつつも、今回もまた、原作者の武田泰淳と、それを21世紀に舞台化する三条会(関美能留)との「喰って、喰われて」の死闘は健在で、演出や出演者はいくど変われども、この『トムとジェリー』や『アンパンマン』にも似た「決着がつかないことが本質の闘い」があるかぎり、三条会の『ひかりごけ』は普遍的な魅力を持つことになるんだろうな、と私は改めて認識したのでありました。

 今回の場合は、まずタイトルが『ひとりごけ』になっていることもそうなのですが、上演するにあたって、物語中のごく一部のセリフがあえて改変されていることがありました。これは、長い作品が原作の場合はシーンをまるごとカットするという処置もあるものの、上演するとなったら原作にある文言は一字一句手を加えずにセリフにすることを遵守していた三条会としては、かなり異例なことだと私は感じました。俳優がアドリブをまじえてセリフの内容を補足解説するというパターンはありましたけど。

 とはいえ、『ひとりごけ』において改変されていたセリフ中の単語は、たった2つだけでした。
 ひとつはタイトルのとおり、「ひかりごけ」の「ひかり」が「ひとり」になっていること。そしてもうひとつは……
 いや、これはいちいちブログで説明しても、もはやそのおもしろさは全く効力を発揮しないかと思われますので、これもここでは明かさずに、あの公演を観たお客さんがただけの楽しみにしておきましょう。でも、この改変のおかげで、後半の「船長が裁かれるシーン」は、かなりはっきりした臨場感をもってお客さんの身に迫ってきたのではないのでしょうか。『ひかりごけ』における船長に匹敵する真剣さをもって、「違います! 私はただ、我慢しているだけなんです!!」と訴える「ほんとうの」生きた人間がそこにいる、と多くの方は感じたのではないのでしょうか。
 もう……これは二度と再演されることのないお芝居なんでしょうねぇ。『ひとりごけ』は。そりゃあ、「アトリエお別れ」なんですからね。


 アトリエお別れ公演『ひとりごけ』は、もちろん三条会アトリエが10年の歴史に幕を閉じるにあたって、このタイミングでしかできない特別なお芝居の上演をもってしめたいというしんみりした動機も大きかったかと思います。アトリエ開設の初年の夏からフル稼働している大型エアコンも、まだまだ現役でピンピンしてましたねぇ。
 しかし、その内容はそんな「このアトリエも最後か……」という気分に落ち込むことをまったく許さない楽しさとスペシャル感に満ち溢れており、実際に私も、終演したあとになって「あっ、お別れなんだった!」と思い出してしまうほどの、息をもつかせぬひとときとなっていました。

 また、今回は『ひとり』と言いつつも、最終的には「ひっとり~じゃな~いってぇ~ たっのし~いこっと~ねぇ~♪」という先人の至言を激しく想起させるハッピー感をもって、出演者とお客さんがいっしょになる一体感があったのではないかと思います。それもまた、決して広くはないアトリエでの公演ならではの味わいでしたね。

 ただ、私が劇団アトリエとのお別れという特別な事情をのぞいても強くあると確信したのは、「たまにはこういう公演もやらないといけない」という演出の関さんのバランス感覚上の必然のようなものでした。
 今現在、関さんは三条会の活動以外にも、さまざまなお芝居の上演のために東京をはじめとした日本全国の各都市で演出を務めているわけなのですが、公演の規模自体はこれからますます拡大して華やかになっていくのだとしても、その公演のために集まった俳優さんがたとお仕事をしてまた解散、という形式が多い昨今の演劇事情、いろんな緊張感の耐えない「スタート、ゴール。スタート、ゴール……」の繰り返しの日々なのではないのでしょうか。でも、それは現代に生きる芸術家、いや、芸術家でない人でも、自立して生活するたつきを得ている大人ならば、だれでも感じている消耗感の本質なのかも知れませんが。

 そんな中、自分の気心の知れた、全幅の信頼を寄せることのできる人間や場所で羽根を伸ばすことのできる、あたかも夏休み中に遠出して豪華なホテルに何泊かしてから自宅に帰ったお父さんが、「あぁ~、やっぱ家がいちばんだよなぁ~。」とうなってしまうような空間が必要な瞬間が確かにある。それが今回のアトリエ公演だったのではないのでしょうか。
 小説家のエッセイしかり、葛飾北斎のスケッチ画しかり、ビートたけしのオールナイトニッポンしかり、松本人志の『一人ごっつ』しかり。この際、商業的なもうけとかはどうでもいいから、世間の評価を無視した場所で自分の「いまやりたいこと」を見つけてとことんやってみたい。こういう欲求がスタート地点でありながらも、結果としてはしっかり世間の高い評価を得られる作品にしてしまうのが一流のプロだと思うのですが、今回の『ひとりごけ』こそが、まさしくそれを雄弁に証明する公演のひとつだった、というわけなのでした。

 無論、「そんなことはとっくの昔に知ってますよ。」というお客さんが集まって『ひとりごけ』は連日上演されていたわけだったのでしょうが、やはりそうなると、そんな貴重な場だった三条会アトリエがこれで最後になってしまうということが、どれほどもったいないことなのか、という思いにいたってしまいます。

 ひるがえって思えば、「われらがホーム」であるアトリエと、自分のやりたいことを見つめるアトリエ公演がいつでもできることの幸せを感じる余裕を持てなかったことが、かつて私が自分を俳優に向かないと判断した理由の本質だったような気もします。まさしく、疲れさえも楽しんで人に提示できる余裕……今さらながら、舞台上の関さんに改めてそれを教えてもらった思いでした。


「さよならは別れの言葉じゃなくて」


 三条会アトリエ、ありがとう! そして、さようなら!!
コメント
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