長岡京エイリアン

日記に…なるかしらん

さよなら細川先生 『金田一少年の事件簿 学園七不思議殺人事件』 推理編

2011年01月19日 22時21分29秒 | 愛すべきおっさんがた
 どうもこんばんは! そうだいです。なんだかよくわかんないんですけど、ニュースで「これから関東地方は寒くなります!」って報道されたとたんに、私の町はなんだかぽかぽかとあったかくなってきたような気がするんですが……たんなる私の気のせいですかね? 不思議なもんだ。
 寒い寒いっていっても、空は晴れてるから太陽の光もさんさんと降りそそいでるしねぇ。私の実家である東北なんて、今は雪がつもりまくりなんでしょう? 当たり前ですが、やっぱり関東はあったかいやね。

 さてさて、前回は私なりの細川俊之さんの思い出をつらつらとつづってみたわけなんですが、今回はその中でも特に忘れることのできない、私がいちばん最初に「俳優・細川俊之」という存在を知ることになった作品、『金田一少年の事件簿 学園七不思議殺人事件』のことをふりかえってみたいと思います。
 いや~……ずいぶんとおもしろい作品だった記憶があるんだなぁ。とはいうものの、それをTVで観た1995年4月、私はピッカピカの高校1年生! おそらく今現在、30歳のりっぱなオッサンになってしまった私がDVDかなんかで観なおしたら、おそらくは「お子ちゃまだねェ。」とさめてしまう部分もあるのでしょうが。
 観たいなぁ、『学園七不思議殺人事件』! でも、まだ観られないんだよなぁ。またひとつ、「新しいパソコンを買ったらまっさきに観るDVDリスト」に作品がノミネートされてしまいました。歯がゆいなぁ~!

 ということで、TVドラマ版『金田一少年の事件簿 学園七不思議殺人事件』で重要な役割を演じた細川俊之さんについて考えてみるのが本題なんですが……
 その前に! 実質的にはこの『学園七不思議殺人事件』の放送によって始まることになった一連の「金田一少年の事件簿」ブームについてもふれてみたいと思います。まぁすごいもんだったんだ!
 原作マンガ、ノベライズ、TVドラマ、アニメ……ちょっと今じゃあ想像のつかない景気のよさの大ブームだったのですが、私にとっては、この時のフィーバーは「愛憎あいなかばする」思い出にいろどられているのです。

 ご存じの方がおおぜいいらっしゃるのは承知の上であらためて説明させていただきますが、『金田一少年の事件簿』とは、超有名マンガ雑誌『週刊少年マガジン』(講談社)で連載されているミステリーマンガです。
 定期的な連載としては、1992年の10月から2001年の1月まで長編26作がつくられていて、いったんの連載終了後、2004年8月からは不定期連載というかたちでシリーズが再開され、そちらもすでに現在にいたるまで7作の長編が発表されているという現役の大人気シリーズです。長編のあいまにちょこちょこと発表されていた短編エピソードも、つもりつもって現在は単行本6冊分も発売されています。
 作者は「原作」と「作画」の分業体制になっており、原作は1998年の長編第21作『銀幕の殺人鬼』までは金成陽三郎、それ以降は天樹征丸(別名・亜樹直 あの伝説マンガの「キバヤシさん」のモデル!)が担当しており、すべての作品の作画はさとうふみやが手がけています。
 内容は王道の「名探偵である主人公が、身のまわりで発生した連続殺人事件の真犯人を天才的な推理で見つけだす」という、犯人あて推理もの。ひとつの事件にたいしてだいたい10回分以上の週刊連載(マンガの単行本にすると1~2冊分)が組まれているため、連載中には読者が、登場人物の誰が犯人なのかをあれこれ推理しながら展開を楽しむことができるという魅力があります。
 主人公である名探偵・金田一一(はじめ)は、名字を見ておわかりのように、あの日本を代表する名探偵・金田一耕助(1913年生まれ~没年不明、記録されているかぎりは1973年まで私立探偵として活動)のお孫さん! じっちゃんの名にかけて!!
 はじめは私立不動高校の2年生なんですが、日本マンガおなじみの「サザエさんシステム」によって、1992年の連載開始から20年ちかくたっても16~17歳の「少年」のまんまです。
 素直に考えると、はじめは1975年くらいの生まれということになります。リアルタイムだともう30代なかばなのか……今はどこでなにをしてるのか。
 でも横溝正史の原作によると、金田一耕助おじいちゃんにはお孫さんどころか、おつきあいしている恋人がいた形跡もないんですけど……マンガのほうの設定によると、はじめは金田一耕助の娘さんの長男にあたるそうです。
 ちなみに、はじめ自身は一人っ子なのですが、同じく「金田一耕助の孫」にあたる金田一二三(ふみ)という9歳の従妹がいます。
 はじめの推理力(IQ180!)と、いつでもどこでも大量に人が殺される大事件に巻き込まれるという特異体質はまさにじっちゃんゆずりなんですが、手先が器用だったりスケベだったり冗談が大好きで社交的な性格だったりするキャラクターは、あんまり似てはいません。要するに、天才的な推理力以外は、いたってフツーな日本の高校生なんですね。外見もそれほどカッコイイわけではないようです。長髪をうしろで束ねるその独特のヘアスタイルは、やはり当時1990年代前半に全盛期をむかえていた志村けんの影響……じゃ、ねぇか。

 連載開始からそろそろ20年にもなろうかとしているこのシリーズは、ふつうの単行本から愛蔵版、文庫本サイズ版、コンビニお手頃価格版とさまざまなかたちで発売され、いまや発行9000万部にも届こうかという超人気タイトルに。
 そして、そういった原作マンガの大人気にさらに火をつけることになったのが、マンガ以外でのメディアミックス戦略の大攻勢!!

 1994年から発表されている原作者・天樹征丸の手による小説版『金田一少年の事件簿』(2001年までに8作)。
 1996年と1997年に発売されたドラマCD版『金田一少年の事件簿』2作(はじめ役は関俊彦)。
 1996年から2009年に発売されたゲームソフト版『金田一少年の事件簿』7作(プレステ版のはじめ役は岩永哲哉、セガサターン版のはじめ役は草尾毅)。

 それに加えて忘れられないのが、1997~2000年という長期にわたって全148話が放送されたTVアニメ版『金田一少年の事件簿』(はじめ役は松野太紀)。
 これまた大人気のシリーズとなりまして、1996年と1999年には劇場版アニメが公開され(TVアニメシリーズに先行して公開された1996年の劇場版アニメ第1作のみ、はじめ役を山口勝平が担当)、TV放送が終了した2007年にも、新作スペシャル2本が制作されていました。
 個人的には、1998年ごろから導入された「デジタルアニメ化」によって、同じアニメなのに画質が途中から妙に鮮明になった変化にたまんない違和感をおぼえた印象があります。
 だいたいは原作マンガを忠実に映像化していたアニメ版だったのですが、総じて原作版よりも「おちゃらけムード」のなくなったシリアスな雰囲気になっています。
 アニメ制作陣の演出や絵のタッチの原作とのちがい、「放送スケジュールにあわせるにあたり、ストーリーの核心にふれないギャグ部分がカットしやすい」などといろいろと要因はあるのでしょうが、やっぱり殺人事件をあつかってる作品ですからね……そりゃ暗くもなるわな。
 あと私の記憶に強く残っているのは、1990年代後半に制作されたアニメということで、初期に放送された小室哲哉プロデュースのオープニングテーマが非常にスタイリッシュだったこと!
 円谷憂子による劇場版第1作の主題歌『Mystery of Sound』とTV版初期半年分のオープニング曲『CONFUSED MEMORIES』は、円谷さんのクールな歌声もあいまって、ものすごく印象的な冷たさを持っていました。それ自体はいいんですけど、「金田一少年シリーズ」のムードを重くしてしまった感はあります。

 ともあれ、原作マンガをルーツとして多岐に渡ってシリーズ作が増殖されていった『金田一少年の事件簿』だったわけなのですが……
 はい~、この一連のブームを語る上で決して無視することのできない、中でも最大の影響力を持つことになった派生作品が、「実写映像化シリーズ」だったんですねぇ!!

 言わずと知れた、ジャニーズアイドル主演による実写ドラマ版『金田一少年の事件簿』シリーズ!
 初代金田一一・堂本剛(16歳)による1995~97年のドラマシリーズ(2シーズン15エピソードと劇場版1作)。
 2代目金田一一・松本潤(18歳)による2001年のドラマシリーズ(7エピソード)。
 3代目金田一一・亀梨和也(19歳)による2005年のドラマスペシャル1作。

 まぁ、そうそうたる面々ですよ。あれ、はじめって、うだつのあがらない風采なんじゃ……?
 そうなんです。他の派生作品は、結果はどうあれ原作マンガのテイストを尊重した作品づくりをおこなっているのですが、実写版だけは、原作のイメージからかけはなれた独自の世界を展開しているのです。
 そのもっともわかりやすい例が上にあげた「金田一一」役のキャスティングで、アニメやゲーム、ドラマCDではじめを演じた5人の声優さんは、ふだんはいたずら好きで冗談を言って友達を笑わせるのが大好きなエロガキといった原作どおりの陽気なはじめを演じているのですが、実写版の3人はちょっとちがうんだよなぁ。
 やっぱ、3人ともトップアイドルですからね……バカっぽい陽気な高校生を演じるにしても限界があるのかな。さすがに盗んだクラスメイト女子のパンツを頭からかぶることはできないか!?
 それはともかく、やたら知的な印象が目立ってはじめらしい遊びが少なかったマツジュンと、1回しかはじめをやれなかった亀梨くんはおいといて、実写版金田一少年といえばこの人!と今でも語りぐさになっているのが、初代を演じた堂本剛なんですなぁ。

 堂本剛が演じた金田一一は、原作の金田一一とはだいぶちがったキャラクターの少年です。しかぁし! 原作と互角かそれ以上に、じっつに生き生きとした金田一少年なんですなぁ、ドラマのほうも。
 天才的な推理力を発揮するという点では同じなのですが、堂本はじめは、ふだんはだら~っと机に寝そべる無気力なダメ高校生と化しているのです。おんなじダメダメでも、原作のはじめとは全然ちがうダメライフ。それなのに、堂本はじめも原作に負けないくらいキャラクター造形に説得力がある!
 どこまで計画的なのか、どこからがやむをえない大人の事情によるものなのかはわからないのですが、堂本はじめが活躍するドラマ版『金田一少年の事件簿』は、意欲的に原作の作り上げた作品世界への挑戦を繰り返しています。
 主人公のはじめ役もさることながら、キャスティングだけでも、原作では猪突猛進型のガテン系刑事だったレギュラーキャラの剣持警部が、ドラマでは冷静で頭のキレる知性派の刑事さんになっていたり(演・古尾谷雅人)、逆に原作では知性派だったはじめのライヴァル的役割の刑事がドラマではただのイヤミなゲストキャラに格下げになっていたり。
 いろいろと意図的に原作から逸脱するようなこころみの多かった『堂本少年の事件簿』なんですが、メイン演出があの堤幸彦だったんですから、さもありなんといったところでしょうか。

 「原作」と「二次作品」がまったく違う作品になる、というのは現在に至るまでファンにとっての大問題なのですが、それを逆手にとって開き直ってしまった『堂本少年の事件簿』はたいへんな大ヒット作品になり、平均視聴率はそのシーズンに放送されたドラマの中でもトップとなる23.5%をたたき出しました。
 さぁさぁ、そんな原作とはひと味ちがった魅力にあふれていたドラマシリーズのスタートをかざったのが、かの『学園七不思議殺人事件』だったわけなのですが……

 またしても字数がかさんでしまいましたので、ほんとに核心にせまる「解決編」は、また次回だ~っ!
 謎はまだ、とけてない!!

 ホント、看板にいつわりありですよ……「細川俊之さん」と「学園七不思議殺人事件」のどっちにも、1ミリも触れてません……ひどすぎ!


《追伸》
 すでにお気づきの方も多いかと思うのですが、私は今回、そもそも『金田一少年の事件簿』シリーズが「本格推理マンガ」としてちゃんと成立しているのか?という、核爆弾クラスの大問題についてはいっさい触れていません。
 あえて素通りしたこのテーマこそが、現在の私がこのシリーズに対していだいている「愛憎あいなかばする感情」の源泉なのですが……
 次回にふれる余裕があったら取り上げてみましょうか。でもこの話をしだしたら、また長くなるぞ~!!

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