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『軍師官兵衛』  視聴メモ 第41回『男たちの覚悟』

2014年10月27日 11時45分26秒 | 日本史みたいな
『軍師官兵衛』第41回『男たちの覚悟』(2014年10月12日 演出・藤並英樹)


登場する有名人・武将の『信長の野望』シリーズでのだいたいの能力評価(テロップ順)

黒田 官兵衛 孝高  …… 知力84、統率力67
 (演・岡田准一)

徳川 家康      …… 知力102、統率力65
 (演・寺尾聰)

黒田 長政      …… 知力77、統率力63
 (演・松坂桃李)

浅井 茶々姫     …… 知力16、統率力21
 (演・二階堂ふみ)

母里 太兵衛 友信  …… 知力44、統率力80
 (演・速水もこみち)

後藤 又兵衛 基次  …… 知力14、統率力75
 (演・塚本高史)

石田 三成      …… 知力92、統率力60
 (演・田中圭)

井伊 直政      …… 知力69、統率力81
 (演・東幹久)

小西 行長      …… 知力72、統率力48
 (演・忍成修吾)

増田 長盛      …… 知力85、統率力37
 (演・有薗芳記)

豊臣 秀長      …… 知力83、統率力75
 (演・嘉島典俊)

本多 忠勝      …… 知力66、統率力84
 (演・塩野谷正幸)

榊原 康政      …… 知力45、統率力78
 (演・中村育二)

福島 正則      …… 知力45、統率力83
 (演・石黒英雄)

加藤 清正      …… 知力63、統率力81
 (演・阿部進之介)

千 利休
 (演・伊武雅刀)

豊臣 秀吉      …… 知力95、統率力94
 (演・竹中直人)


ざっとの感想

○官兵衛「徳川様……こたびの国替え、天下のためになるかどうかは、徳川様次第!」
 おぉ、ここで出ました、官兵衛の「秀吉とはもうやっとれんわ」宣言!! 豊臣政権はまだまだ続くんですが、けっこう早いうちに出ちゃいましたね。
 豊前国の城井騒動からず~っとわだかまっていた不信が、ついに今回の北条家処分で爆発した、というかたちになりました。なかなか、ここ5回ぶんほどの秀吉の暴君っぷりは常軌を逸したものがあり、それにしたがってみるみるうちに無口になっていく官兵衛の姿も痛々しいものがあったのですが、これも、元はといえば官兵衛はついつい口にしてしまった「ご運が開けました」発言に起因するものが大きいわけでありまして……
 視聴者としては、どんどん人としての魅力が下がっていく秀吉と、その陰湿なあてつけに苦悩する官兵衛を毎週観るのはツラいものがあるのですが、それだけ、ここ最近の脚本には一貫した流れがあるわけでね。信長時代にはいまひとつはっきりしなかった官兵衛中心の物語が、秀吉時代にはものすごく前面に押し出されていて、すばらしいことだとは思います。
 思うんですが……秀吉・ダーイシ・茶々の3人の魅力のなさがキッツいキッツい! 早くなんとかなってくれや~。

○右目の開きぐあいは相変わらずアレなんですが、なんだかんだいっても、やっぱり寺尾家康は精悍で肌ツヤが若々しいですよね! うん、確かに、秀吉の後の時代を担うエネルギーは持ってるわ。低音の声と身のこなしに言い知れぬスゴみがありますよね~。

●はい、予想はしてたんですが……ズコー! オープニングクレジットが終わって本編に入った瞬間に、全国の東北戦国大名ファン、枕をならべてみ~んなズコー!!
 東北平定がまるごとオールカット!? いや、気持ちはわかる! とっとと大陸出兵にいきたい気持ちはよくわかる!! でも……北条が滅んだからってハイ天下統一、ってさぁ! そりゃあ~いっぐらなんでもあんまりなんでねぇがず!?
 「源頼朝を超える史上最強の天下人」という目標を強く意識していた秀吉にとっては、例えそれがほぼ形式的な内容だったのだとしても、奥州の奥の奥までたいらげるという事業は非常に重要な意味があったと思うんですが……まぁ、確かに実質的な最後の強敵は北条家だったわけだし、しょうがねっか。
 これじゃあ、まるで九州と瓜二つの混乱っぷりを呈したその後の東北とか、翌年の九戸政実の乱とかもオール無視なんだろうなぁ……
 私自身は特に好きではないんですが、伊達政宗みたいな好キャラクターもドラマに出したらいいと思うんですが……ダメ? もう時間ない?

○官兵衛「耳の痛くなる言葉はいらぬとおおせであれば、それがしにはもはや殿下の軍師は務まりませぬ!」
 秀吉 「たわけたことを申すな! 貴様がこのわしの軍師になるかならないかは、このわしが決めることじゃあ!!」

 官兵衛と秀吉の決裂をしめす迫力の名シーンだったのですが、このときの秀吉の剣幕って、明らかに『秀吉』の渡信長のドスのきいたタンカを意識してますよね……江口信長じゃなくて。
 信長なんかハナにもひっかけない強大な権力を手中におさめた秀吉ですが……言ってることはただの成金わがままオヤジだからなぁ。人間、裕福になってもこうはなりたくないもんですね。

○ついに明帝国への出兵が間近になった段になって、李氏朝鮮王国にまったく話が通っていないという大問題が出来! その全権外交を務めたはずの小西行長は、まるでガキの使いにもならない、コンビニアルバイト初日の大学生のようなオロオロぶりを発揮!! 「ごめんなさい、まだ言ってない。」じゃないよと、あきれ返る官兵衛と利休。
 いや、そりゃあ朝鮮王国だってひとつの国家だし、そうすんなりと首を縦にふるわけもないのは当たり前なんでしょうが、話をしてないとは、いったい……穏便にすませられるとでも考えていたんでしょうか。国際戦争の話だっていうのに?
 小西の能力に問題があるのか、それとも、小西に否定的な報告をすることをためらわせた秀吉の恐怖政治がいけないのか。
 私も若いころは一方的に「小西、使えねぇ~!」などと考えていたんですが、年をとっていろいろな経験を積むと、これが段々と小西の肩も持ちたくなってくるようになるんですよね。中間管理職を苦しめるような職場は、いけませんよ……まぁ、小西は最低ですけどね。

○小西「正直に申しあげれば、それがしの首が飛びます……なにとぞ、お助けくだされ!」
 出ましたね~、この『軍師官兵衛』における、中川清秀に続く「悪役にもなれない最低ダメ人間」、認定でございます。
 なんでわしがお前の尻拭いを……という官兵衛のまなざしが哀しい。それにかまったら荒木村重の二の舞どころか、それ以上の崩壊が待っていることは間違いがありません。
 でも、まさかこんなにひどい役回りをさせられることになろうとは。小西本人も草葉の陰でオーマイゴッドですよ。

○今まで、政治に関してはかたくなに沈黙を守り続けていた利休が、ついに官兵衛もかくやというストレートな諫言を秀吉にぶつける!
 昔から、「秀吉 VS 利休」という名勝負は数多くの名優同士の演技対決で彩られてきましたが、やはり今回も、利休の権力にまったく動じない言葉の重みが勝りました。やっぱりすごいなぁ、利休って。
 それにしても、先ほどの秀吉 VS 官兵衛さえをも上回る名シーンだったわけなのですが、まるで官兵衛が2人いるような……ってか、実際に「新旧の」官兵衛役がそろい踏みしていたわけでしてね。伊武さんが利休を演じているというキャスティングが大いに奏功した共演でしたね! これにはさすがの竹中秀吉もたまらず逃走。

○利休「茶の支度が、できております。」
 う~ん、まさしく死にも動じない利休の境地が垣間見える最期のセリフでしたね。
 これにバカ正直な足軽が「あっ、切腹直前なのにスンマセン、じゃあ、寒いんでいただきます。」って答えて茶室に入ってくるまで、ちゃんとやんなきゃ! 畳びしょびしょ。

○今も昔も、夏の酷暑っていうのは身体の弱い人にとっては大敵なんですねぇ。「七五三」っていうくらいで、三歳になるまでが一苦労な時代だったんですもんね。でも、今でも「 SIDS(乳幼児突然死症候群)」だなんだって言いますから、いつの世も子どもは大切にしなきゃあいけませんね。もっとも鶴松丸だって、当時の日本の中では最高級の環境の中にいたんでしょうが。


結論、「第42回がとてもたのしみです。」

 序盤の天下統一という大ニュースも瞬時に消えうせてしまうかのような、豊臣秀長・千利休・豊臣鶴松丸の死の3連チャン!! 非常に重苦しいムードの回になってしまいましたね。まぁ、そうなるのはわかってるんだけどよう!

 そして、いよいよ大陸出兵になだれ込んでしまうわけなんですが……黒田父子は隠れもなく大陸戦線で大活躍してしまうわけなんですから、ここ最近の戦国もの大河ドラマの主人公たち(徳川家・前田利家・山内一豊・直江兼続・お江の方)のように、知らぬぞんぜぬの「エセ反戦スタイル」をとるわけにもいかないし。ドラマでどう描写されるのか、現代的な観点からみれば非常に大変な脚本の舵取りが予想されます! 「命を大事に」なんて言ってられな~い!!

 いよいよ終盤戦! がんばれ黒田ファミリー!!

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