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長岡京エイリアン

日記に…なるかしらん

最近いろいろ見たもの 『ハーブ&ドロシー』やお知らせなど

2010年12月19日 18時29分43秒 | ふつうじゃない映画
 どうもこんばんは~。そうだいです。みなさん、今日はどんな日曜日になりましたか?
 私は今日はいい買い物をしましたね。CDなんですが、かねがね買いたいと思っていたものだったので、近所のお店にならんでいたのを発見して迷わず購入いたしました。

『羊でおやすみシリーズ・番外編 俺は眠くな~い』(声の出演・若本規夫)

 やったぁ!! これ、ほしかったんだよなぁ!
 まだちゃんと聞き終わっていないので感想はまた次回にしたいと思いますが、いい買い物したわ。若本さん大好きなんですよ、私。
「ひぃつゥじィ~がァ、ぅい~っぴきいぃ~。ひつじぃ~ンがぁ~ん、にひぃ~きぃ~ぃやァ。」
 素晴らしい。これ、安眠促進用リラクゼーションCDのシリーズなんですよね……画期的に眠くなりません。おもしろいなぁ。

 さてさて今回は、最近観たり読んだりした映画、お芝居、本などのことをまとめてざっと振り返ってみたいと思います。
 なんだかわかんないけど、私としては「男ってなんだ? 女ってなんだ?」と考えてしまった作品が連続したような。まぁ、人間はほとんどの場合どっちかしかいないわけなんで、別に不思議なことじゃないんですが。

 まずはお芝居。おととい17日に小竹向原のサイスタジオで観た演劇ユニット・テアトロサンノーブルの第2回公演『この星にともる光』(今月27日まで上演)です。
 おもしろかったですねぇ。なんかおもしろかったですねぇ! なにがおもしろかったのかって、作品の「空気感」でしょうか。
 言うまでもなく私は男であって女ではないので確たることは言えないんですが、舞台の空気の「女性パーセンテージ」がかなり高いような気がした! それが新鮮なものに感じられて楽しかったんです。
 演出の方は男性のようですが、物語を作ったのはテアトロサンノーブルの中心メンバーで主演もしていた征矢かおるさん。そして出演者は8人の女と1人の男という構成。そういった印象からの先入観で勝手に私が女性っぽいと感じただけなのかもしれませんが、なーんだかそう思えてしかたなかったんですな。
 物語の設定は未来。地球人はすでにだいぶ前から宇宙に進出しており、数十年間続いている星間戦争のために男性のほとんどは戦場にかり出されているといった状況の世界です。
 舞台となっているのは、そんな戦争状態にあって、軍隊の後方支援のために戦意高揚のプロパガンダ放送をおこなっている地球の放送局のオフィスで、ほとんど女性しかいないスタッフたちの1日を追った1幕もののお芝居となっています。

 プロパガンダ放送局ということで、なにやら深刻で重い空気を想像してしまう方もいらっしゃるかもしれませんが、この作品に登場する女性のほとんどは、非常に軽いノリで現在とほとんど変わりのないダベりタイムを楽しんでいます。
 1時間半ほどの上演時間中のほとんどが他愛もない会話と笑い声の連続なんですが、ふとクリスマスが近いという話題になった時、女性たちは「いっしょに過ごす男がいねぇ!」という気分的な危機的状態を笑い飛ばそうとして、かえって「長い戦争のために男性がいない」というどうしようもなく巨大な別の危機的状態を思い出させられてしまうのです。登場人物たちは、逃れようのない状況を忘れようとして、ひたすら明るく楽しい会話を仲間と一緒に必死に続けていくのでした。
 ただ、こういったお話の流れが女性っぽいと言いたいわけじゃないんだなぁ。これは実際に舞台を観てもらわないとわからないのかもしれませんが、セリフのリズム感とそれにノッて演じている女優さんたちの「生き生き感」がとってもいいんですよね。笑いあって戦争とまったく関係のない話題で盛り上がっている時の女優さんたちの雰囲気が、「この人たち、本気で話の本筋から脱線してる!?」と錯覚させてくれるんです。
 正直いって、私も序盤は「ガールズトークっちゅうかなんちゅうか……脈絡のない会話ばっかりでキツいなぁ。」とうんざりしかけたんですが、女優さん達が逃げれば逃げるほど「戦争」の影が逆に鮮明に浮き上がってくるという不思議な「ドーナツの穴」現象にたまげました。
 おもしろかったなぁ。とても新鮮な感覚でした。
 とまぁ、「女性っぽい」だの「戦争」だのとグダグダ言いましたけど、単純に役者のみなさんがのきなみ魅力的だったのも良かった。
 特に今回は村井まどかさん(青年団)にイチコロになってしまいました。いい顔するんだよなぁ!
 このままいくと私が2010年に観た最後のお芝居は『この星にともる光』になりそうなんですが、締めくくりがこの作品でラッキーでした。よかったぁ~。 

 続きまして、同じ日に渋谷のミニシアター・イメージフォーラムで観たドキュメンタリー映画『ハーブ&ドロシー』。
 アメリカの映画なんですが、監督は日本人の佐々木芽生(めぐみ)さん。これも良かったなぁ!
 これは、ニューヨークのアパートでつつましく暮らす老夫妻の長年の趣味が、積もり積もって大変な文化財産になっちゃった!という本当のお話。
 半世紀近く連れ添ってきた元郵便局員と元図書館司書のヴォーゲル夫妻(ハーブ&ドロシー)は、低所得なアパ-ト生活ながらも、ニューヨークで活動する若手前衛アーティストたちの作品をその鋭い審美眼にしたがって買い集めるという趣味を30年以上続けていた。
 夫妻のポリシーは、「自分達の所得で買える範囲のものを買う」、「自分達の部屋におさまる大きさのものを買う」、そして「自分達の買ったものはあとでどんなに高価になっても売却しない」!
 しかし近年、アパート生活に支障をきたすほどに集結した美術品の数々を前にして、ついに夫妻は権威あるアメリカ国立美術館への寄贈を決断するのだが……という内容。

 まぁ、とんでもない2人です! 外見は本当に親しみやすい印象のおだやかな老夫妻ですし、物腰も会話のはしばしにさし込まれるユーモアやウイットもまさに生粋のニューヨーカーといった感じの身軽さ。
 しかし! ことアートに対する態度はまさにこれ「鋼鉄」。名もない作品をギラギラした眼で見つめる2人のお姿は、さながら武将か猟犬か。
 とにかく、低所得ながらも大好きなアートとペットとつれあいがいればそれでじゅうぶんという平穏な生活と、何点か売ればそれだけで豪邸に暮らせるようなコレクションを有していながらも絶対に手放さない! そして、生きているかぎり2人で素晴らしいアートを探し求め続けていく! というアグレッシブな生き方とのギャップに私はいたく感動してしまいました。こういうはげしい生き方を半世紀近くもともに分かちあえる相手に出会えたハーブ&ドロシーの奇跡……素晴らしい! これが愛なのか。
 そんなことを考えたりもしたんですが、なかなかマネのできない趣味を楽しんでいる老夫妻のユニークな生活の記録としても、観ているだけで幸せになれるあったかい映画でした。
 また、上映している渋谷イメージフォーラムっていう場所も雰囲気のいいところで! まさにミニシアター。背伸びせず適度におしゃれで適度にシンプルな空間に心からリラックスできました。さすがは渋谷!
 フィルム作品ではなかったので多少はTVのような画像の粗さがあるのですが、『ハーブ&ドロシー』、おすすめでございます!

 ところで、こういったお芝居や映画を観た同じ日、私はあいた時間を使ってちょっとした実験をこころみてみました。
 それは、JR渋谷駅から京王線下北沢駅まで歩いて行くとどのくらい時間がかかるか&ルートの確認!
 結論としては、初回は往復で1時間半かかりました。道に迷っちゃって……道筋はいちおうおぼえたんですが、まだまだ無駄のないルートは模索できそうです。
 なぜこんなことをしたのかというと! 来年2011年の1月そうそうに下北沢に1週間かよう予定があるからなのです。それにあたって、私は京王線の電車に乗らないことにしたっ!

 その下北沢にかよう予定とは、以下のとおり。

[ 公演情報 ]
三条会 東京公演
『冬物語』
 原作:シェイクスピア
 構成・演出:関美能留

日程:
2011年1月5日(水)~9日(日)
1月5日〔水)19:00
6日(木)19:00
7日(金)19:00
8日(土)14:00/19:00
9日(日)14:00
 ※開場は開演の30分前、受付開始は1時間前です

会場:
下北沢ザ・スズナリ

チケット料金:
一般:3,500円  ※年内割引:一般3,000円(12月31日まで)
学生:2,000円

チケット取扱:
電話:0120-240-540(フリーダイヤル・平日10時~18時)
 ※ご予約後、セブンイレブンでお支払・チケットの発券ができます(所定の手数料がかかります)

スズナリ電話予約:
03-3469-0511

◆出演:
榊原毅

大川潤子
立崎真紀子
橋口久男
渡部友一郎
近藤佑子

中島愛子
永栄正顕
佐々木透(リクウズルーム)

◆スタッフ:
舞台美術:石原敬
照明:岩城保

◆主催・お問い合わせ:
三条会:ticket@sanjoukai.com
    043-224-3901


 ということで、私は出演しないのですが公演の手伝いをしている予定です。正月あけてそうそうですが、みんな観に来てちょーだいませませ!
 わたくし、今まで自分の出る公演のためや他の人の公演を観るため、はたまたデエトのためなどの目的で何回も下北沢に行きました。そして、その都度あたりまえのように片道120円、往復240円の路銀を払って京王線の電車に乗ってきたわけなんですが。
 だが! だがもう我慢の限界だ! 京王線にはなんの恨みもないんですが、来年からは渋谷~下北沢の移動はお金をかけず! おのれの両脚でズンズンと勝手に行かせていただくことにいたします。
 もうこのチマチマした出費がイヤんなっちゃって。歩いて行ける距離だし、朝にそのくらい歩けばいい感じで頭も身体も回転してくると思いますんで。
 ケチと言われてもかまやしねぇ! 無駄な出費はさけるぜ。まぁ、遅刻しそうになったら迷わず電車使うけどな。
 
 さて、下北沢に関するルサンチマンはそのくらいにしておいて、次は最近読んだ本について。

 数日前に実家に帰省した時に、今年の夏に刊行された京極夏彦の「巷説百物語」シリーズの最新刊『西巷説百物語』をやっと読みました。
 まぁ……京極先生もよくやりますよね。私はもう、このシリーズにしろ「京極堂」シリーズにしろ、アッと驚くようなとびっきりのおもしろさは期待しておりません。先生が先生なりのペースで、先生自身が納得のいくような妖怪小説をコンプリートされていかれるのならばそれでよろしい。
 「巷説百物語」シリーズのネタ元になっている江戸時代の絵師・竹原春泉の妖怪画集『絵本百物語』によりますと、このシリーズで題材にされるべき妖怪は残りあと12体のようです。だいたい短編集2冊分ですか。はぁ……
 京極先生、がんばってくださいね~。でも、たま~にでいいんで、内輪ウケ以外にも読んでる人を楽しませてくれるようなサービスを入れてもらえたらうれしいんですが。
 「京極堂」シリーズの次作も、期待値ばかり上がってしまって不安でしょうがないです……だって、次のタイトル妖怪って、私がいちばん大好きな妖怪なんですからね。たのんますよ、先生!!

 あぁ~っと、いかん! そうこうしているうちに、またこんな分量になっちゃった。
 あと1つ、最近読んだものの中でもっとも気になった小説のことについては、また次回に!
 キーワードは引き続き、「男と女」。梅澤トミオ~。
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マンガ実写化の理想型とは!? 『ヌードの夜 愛は惜しみなく奪う』

2010年11月20日 10時44分47秒 | ふつうじゃない映画
 どうもこんにちは。そうだいです。最近は私の町はいい天気が続いていますが、やっぱり陽が落ちると寒くなるやね。年の瀬も近いなぁ。
 私は、昨日から始まった、所属している劇団「三条会」のアトリエ公演の手伝いをしています。22日の月曜日までやってます。
 私自身は今回から役者としては参加していないんですが、三条会はおもしろいよ! 手前味噌で申し訳ないんですが、それを承知で言わせていただきます。ぜっったいにおもしろい!
 来年あけすぐに、東京の下北沢にある劇場ザ・スズナリでも公演をしますので、来られる方はぜひとも観にきてくださいよ、おもしれぇから!

 そういえば先月の公演でいただいた花束も、今週に入ってついに最後の1輪が枯れてすっかりなくなってしまいました。こうやって時は過ぎてゆくのだねい。

 いや~、前回までやっていた「アイドルヌード」の話がとにかく長びいてしまって……調べることも山ほどあった話題だったもんで、疲れた疲れた。救いようがないのは、ぜんぶ私が勝手にやってるってことね! 仕事でもなんでもねぇのに、この労力。なのになぜやんのかっていうと、そりゃもうアナタ、楽しいからよ!!
 ブログの中で個人的にやろうと考えていたお題もいくつか残っているんですが、どれも力を入れなきゃいけないものばっかりなんで、今回は休憩ターンということで、前回にもチラっと言っていた、最近観た映画の感想みたいなものをつづってみたいと思います。

 観た映画とは、『ヌードの夜 愛は惜しみなく奪う』(監督・石井隆)。日本の新作映画で、新宿と銀座で単館上映されていました。今でも、銀座では観られるかな?
 前回までさんっざんヌードヌード言っていたので今回はそこから離れたいのですが、タイトル通り、この映画に関する世間の話題のメイントピックは、「グラビアアイドルの佐藤寛子が脱いだ!」というもの。またヌードか!
 でも、実際に作品を観てみて、あたしゃビックラこきました。この映画は佐藤さんのヌード披露ということだけでは絶対に語りきれない魅力と美学とおそろしさがある!
 ただ、佐藤さんのヌードをぬきにしても充分楽しめる、とかいった単純なおもしろさでもありません。はっきりいって、この映画で佐藤さんが演じた役は、制作された2010年の日本では、佐藤さん以外の誰にも演じることのできない役でした。そして、その役が周囲の人間達の人生に大きくからんでくるのが、この物語の大筋なのです。ただちょっと、わき役で出演したグラドルの女の子がヌードを初披露した、なんていう生やさしいものではないんです。佐藤さん、脱ぎすぎ!

 佐藤寛子さんは2002年に17歳でデビューして以来、実際に生徒会長をつとめたこともあるという清楚で知的なイメージと、それに反するかのようにグラマーな体型のアンバランスな魅力で人気を集めていました。とくに佐藤さんの場合は、ウエストのくびれがすばらしいのね! なみいるグラドルたちが割拠していた2000年代の中でもひときわ輝く、非常にメリハリのきいた美しさを持っていました。
 ところが、本人がグラビアでの仕事に専念しすぎたためか、はたまた外見通りのマジメさだったためにバラエティ番組のノリについていけなかったのか、佐藤さんは世間での知名度をいまいちあげることができませんでした。そんな中で、いつしか数年がたち20代になった彼女は水着を脱いだセミヌード写真集を発表したのですが、それも丸見えヌードが氾濫する現代においては、肝心のものが見えないもどかしいだけの作品になってしまっていたのです。
 そして! 「じゃあやってやるよ!」とばかりに佐藤さんが渾身の気合いをこめてまさに裸一貫でチャレンジしたのが、今回の映画主演だったのです。

 映画主演! そうです、間違いなく佐藤さんは主人公、この映画の台風の目となる役「れん」を演じきりました。熱演とはこのことです。こう言っちゃうと失礼なんですが、ありあまる肉体美を持っていながら、いやむしろそのせいなのか、「こんなはずじゃなかったのに、どうして……」というどん底人生を送る女に、佐藤さんは圧倒的なリアリティをもってなりきることができていたのです。そういう意味で、これは非常に残酷な映画です。

 残酷なのはそれだけではありません。この映画は血みどろグッチャグチャの連続殺人事件がからんだサスペンスです。佐藤さんをやしなっているのは、場末のストリップバーを経営している母親ですが、それを演じている大竹しのぶの力演がすごいのなんのって。「怪演」なんてもんじゃありません。
 大竹さんの犯罪もの映画のキャリアの中でも忘れてならないのが、1999年に公開された『黒い家』(監督・森田芳光)だと思うんですが、まるでそこで演じていた怪物が復活したかのようなパワフルしのぶが再びスクリーンで観られたのにはびっくりしました。10年たってるのに、元気だねぇ。
 物語がサスペンスなもんなので、詳しい内容をあまり言うわけにはいけないのですが、そんなしのぶママやこれまたキッツい姉(演・井上晴美)のいびりに耐えておぞましい犯罪の下働きをさせられる佐藤さんが、極限状態にいたってどうなってしまうのか!? これが物語の軸となっていきます。
 今回の映画は佐藤さんの役と佐藤さん本人の距離がかなり近いので、はっきり言ってしまうと、佐藤さんが「演技のうまい女優さんだな。」と思える部分はあまりありません。ただただ、素の佐藤さんが苦しみ悩んで狂っていく時間が記録されていくだけなんです。それが延々と続いたからこそ、物語終盤であんなになっちゃう佐藤さんが異様に光り輝いて見えてくるんですね。この映画は本当に、「女優じゃない方法で役を演じた」佐藤寛子を映し出すことに大成功した作品です。あと、見事な肉体美もあますことなく映し出しました。実に哀しいヌードです。

 とまぁ、ここまでは佐藤寛子さん周辺のことをつづってきたわけなんですが、実は! 私がこの映画を観てほんとにびっくりしたのは、そのあたりじゃなかったんです。
 この映画ね、ほんとに、ほんっとにマンガ的なんですよ。しかも、男が読んで喜ぶようなロマンたっぷりの映画!
 「男が読んで喜ぶ」というと、ついついエロい美女が出てくるだけの話かと考えがいきがちなんですが、そんな単純なもんじゃありません。男のロマン、それは、「大都会の片隅で孤独に、そして不器用に生きるなんの取り柄もない男に天使が舞い降りる」という展開! Oh,It's浪漫!!

 この映画の主演女優が佐藤さんならば、主演男優はなんといっても竹中直人演じる、大都会の廃工場に事務所をかまえるなんでも屋・紅次郎。これがいいんだ!
 この紅という男、だいぶ年季の入った中年ボディを引きずるようにして都会の中をはいずり回り、時には警察に泥棒と間違えられたり、また時にはヤクザもんにボコボコにされたりしながら日々を生きています。そしてそこにからんでくるのが謎の依頼人・佐藤寛子というわけなんですが……
 とにかくね、竹中さんのおさえにおさえた「枯れた中年」っぷりがいいんです! ただの「ハイテンションおやじ」じゃない、名優としての竹中さんをそうとう久しぶりに観ることができました。よかったなぁ~!

 およそ20年前に巻き込まれた「ある事件」以来、夢も希望も失ったまま、それでも都会に生き続ける男。そこに現れた不思議な美女。マ、マンガだ……
 こんな探偵くずれの中年に犯罪のにおいのする美女という取り合わせ。出会いから別れまで、最初っから最後まで、この2人はマンガ的です。当然、キャラクター設定だけでなく、セリフのかもしだす雰囲気から幻想的なカメラワークまで、ぜんぶ!
 なぜこんなにマンガ的なのか!? 答えはかんたん、監督が漫画家だから。

 ずいぶんはしょってしまいましたが、監督の石井隆というお方は、ただの漫画家さんではありません。1970年代の劇画シーンを疾走した伝説の大先生です。テーマはズバリ、「運命の女」と「女に人生を狂わされる男」~!
 ま、まんまだ! しかもこの石井先生は、画業にあきたらず1980年代からみずからの脚本を映像化せんと映画監督業にも乗り出しておられる。
 そして、その集大成ともいえる最新作が、この『ヌードの夜 愛は惜しみなく奪う』だったわけか……そのこだわり、実に30年。そりゃ気合いの入れ方が違うわ。

 とにかく荒唐無稽とも言える展開なんですが、私はそこらへんのアラよりも、役者さんたちの名演や怒涛のクライマックスに圧倒されて魅入ってしまいました。そこらへんの勢い勝負なところもマンガ的。
 決して今回の映画はマンガ原作ではないのですが、脚本も担当した石井隆という方が、映画監督である以前に漫画家である以上、作品は理想的なマンガのリズムを持ったものに生まれてくるわけなんです。こりゃもうすごいことです。
 終盤に現れる「ドゥオーモ」と呼ばれる場所の雰囲気も、設定としてはリアリティに欠ける場所なんですが、見栄えがいいからよし!なんですね。佐藤さんの最後の演技もしかりです。

 最近は、ドラマでも映画でも2次元のマンガ作品を3次元の世界でリメイクするこころみが濫発ぎみに世に出ていますが、そんなの全部が全部成功するはずがないんですね。
 だって、マンガが現実の世界に変換されるためには、その間でアダプターになる人間の人生がマンガじゃなきゃいけないんだから! 石井監督の生き方は、そんなことを教えてくれているような気がします。男と女の物語にじいちゃんになってももこだわりつづけるなんて、なかなかできるもんじゃあねぇよ!

 いろいろ言ってきましたが、私がこの映画でもっとも好きなのは、エンディングのクレジットが流れている最中のシーンです。まさにさんざん女に振り回たあげくボロボロになりはてた男に、ささやかな再生のともしびがともる、といった感じのシーン。流れてくる音楽もいいんだなぁ!

 『ヌードの夜 愛は惜しみなく奪う』。おすすめします。内容のこまかいところは気にせずに、あとちょっとグロテスクな描写も多いですが、とにかく雰囲気、しじゅう降っている雨の湿気などを感じて楽しんでいただきたい。
 でも、女の人がこれを観たらどう思うかなぁ。ロマンチックすぎて、あきれてしまうかも? ちょっと聞いてみたいな。

 しっかし、津田寛治さんって、あんな俳優さんだったっけ? こえぇこえぇ!!
  
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意外となにもなかった世紀末 『1999年の夏休み』

2010年10月03日 10時28分00秒 | ふつうじゃない映画
 おはようございます、そうだいです。雨が降るとか言われていたんですが、今のところはさわやかな秋空が広がっている晴天ですね。今日は東京やらなんやらいろんなところに行く用事があるので、私としてはなるべく天気は悪くなってほしくない……この前、新宿の韮沢靖さんのイベントに行った時はかなりキッツい大雨だったからね!
 話は変わるんですが、最近、映画を観てないなぁ。先月の『帰ってきたウルトラマン』オールナイトは別として、現在公開中の映画となると、『東京島』以来1ヶ月ほどごぶさたでしょうか。今月はねぇ……興味のあるものはあるんですけど、なかなか映画館まで行って1800円を払って観るかっちゅうとなかなか難しい。『大奥』はたぶん観るんでしょうがそんなに急ぐつもりもないし、最近なぜか多いゾンビ物もなんかちょっと。『ハナミズキ』『君に届け』なんか、映画は1人で観たい私にとってなんの楽しみもありゃしません。『食べて祈って恋をして』……あのぉ、観てないのに言うのもナンなんですが、制作する時代が違うのでは? 今の日本、そんな映画がヒットするほど景気よくないんじゃないの?
 いろいろあるんですが、『悪人』もなかなか話題になっていますね。主演のお2人の評判がよろしいようで。
 ほんとにおきれいな深津絵里さんなんですが、実は私自身は、あんまり関心がありません。これはたぶん、『踊る大捜査線』や『西遊記』などの深津さんの活躍したTVドラマをまったく観ていないからなのだと思います。「きれいな女優さん」ってだけの印象しかなくて、どんな演技をするお人なのか全然知らないんですね。
 このように深津絵里さんの出演作はまったく観ていない私なんですが、水原里絵さんの出演作は1本だけ観たことがあります。1988年に公開された映画『1999年の夏休み』です。この映画はもう何っ回も観たね! こりゃもう、とてつもない作品ですよ。
 はいそうなんです。深津絵里さんがまだ15歳だった時に、「水原里絵」という芸名で出演したのが『1999年の夏休み』なんですねぇ、ハイ。
 この映画は不思議な映画です。いろんなものが、推理小説のトリックのように幾重にも入り組んでいるような構造になってるんですね。
 最初に、この『1999年の夏休み』には原作があります。1974年に発表された少女マンガの金字塔『トーマの心臓』(原作・萩尾望都)です。とはいえ、『トーマの心臓』は「1999年」を舞台にした物語でもないし、季節も「夏休み」じゃありません。寒い冬のドイツの物語なんです。要するに、主要登場人物の関係と物語の骨組みだけをいただいて別のパッケージに入れた映画なんですね。監督は、のちに『平成ガメラシリーズ』を大ヒットさせ、『デスノート2部作』などの話題のエンタテインメント大作を立て続けに手がけることになる、金子修介。当時はまだ映画監督デビュー4年目という時期でした。
 金子監督は『トーマの心臓』原作の萩尾先生の許可を得た上で、あくまで「翻案」という形にこだわったために原作のクレジットはおこなっていません。しかし、季節などの設定はまったく違っているものの、脚本を担当した劇作家の岸田理生による言葉の数々は、原作のやりとりを丁寧に拾い上げてつむぎ出された、時に美しくまた時には謎に満ちたものになっています。
 少女マンガの伝説的名作という、わりかしガッチリした背景を持っていながら、この映画はひたすらにオリジナリティにあふれています。
 まず、舞台が近未来の1999年。確かに映画の制作された1988年当時から見れば近未来ですけど……今、2010年ですからね。日本のどこか、さわやかなシラカバに囲まれた山奥の避暑地にある全寮制の学校が舞台ということで、いかにも未来って感じの舞台装置や衣装はあんまり出てこないのですが、当然ながら携帯電話はありません。公衆電話やゴッツいパソコン、原子力で動いてるらしい高原鉄道は出てきます。そのへんの「想像しました」的近未来がいい感じ。
 その他のこの映画の特徴といえば、やはり何と言っても「男4人しかいない登場人物の役者が全員、女優」というところに尽きます。登場する4人はみんな学校の生徒なんですが、夏休みということで、寮にはそれ以外の生徒も大人の先生さえいません。そうなったら人里離れた山奥でのこと。本当の男子しかいなかったらとんでもない乱痴気騒ぎケイオスシティになりそうなもんなんですが、その4人を演じてるのが当時14~17歳の男装した短髪の美少女たちなんだから、寮はもうお耽美カラーまっしぐら。こんな映画がすでに制作されちゃってるんだから、あなどれねぇぜ1980年代。物語は基本的に愛する愛さないの3角関係に苦しむ3人の男子(見た目は完璧に女子)と、なにかとカヤの外にされることから逆にちょっかいを出そうとしてトラブルメーカーになってしまうドジっ子男子1人によってつづられていくのですが、出演している4人の女優さんの中で、2010年現在、もっとも多くの人にその美貌をたたえられている深津絵里さんが、その中でなぜかドジっ子の役を演じているんだからおもしろい。ちなみに役名は「ノリオ」です。うーん、いかにもカヤの外。
 しかしまぁ、短髪に半ズボン、男言葉の女子って……倒錯してますなぁ。しかも芸のこまかいことに、まだ男の子みたいなあどけなさの残っていた深津さん以外の3人の女優さんの声は、男子らしい発声のできる声優さんがアフレコであてています。さらに芸の細かいことに、物語のキーパーソンとなる宮島依里さん演じるキャラクターは、外見がそっくりという設定で都合3人登場する(1人3役!)のですが、もっとも出番の多い1人の声は声優さん(あの高山『名探偵コナン』みなみ!)で、それ以外の2人は宮島さん本人の声になっているというこだわりよう。でもこれ、当然ながら同じ顔の人物でも声が違ってるもんだから、不思議な違和感と同時に「さっきの人とは別人だ」という情報がすんなり伝わってくるんですよ。うまいもんだなぁ、金子監督!
 『1999年の夏休み』……まだまだ全っ然語り切れてないんですが、とにかくヘンな映画です。『トーマの心臓』でご存じの方も多いでしょうが、ストーリーもほんとにおもしろいです。でもそれ以上に、お耽美な雰囲気がとんでもない濃度で充満してるというインパクトが強いんですよね。澄んだ湖の蒼さ、夕焼けの茜色、森の朝霞……そしてそれに静かに重なるピアノの美しい旋律。
 この映画を深夜に初めて観た時、私はあまりのこっぱずかしさに前半30分はずっと自分のノドをかきむしっていたのですが、最後には素直に画面の美しさに感動してしまっていました。まだ観ていない方、観てみることをおすすめいたします。不思議なひとときを過ごせますよ。まぁ、フィクションの中の同性愛だからこそのきれいさなんでしょうね。女優さんだし。

 あんまり、未来であるということにこだわりのなかった『1999年の夏休み』だったのですが、かくいう私自身の過ごした本物の「1999年の夏休み」の実態はどうだったのかというと……

 運転免許をとるために毎日自転車で自動車学校に通ってました。

 そんなもんだろう! みなさんも、そんなもんだったでしょ!? ノストラダムスも北斗神拳もなかったよねぇ!
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思ひ出ぽろぽろin宇宙 『惑星ソラリス』

2010年08月23日 02時07分37秒 | ふつうじゃない映画
 ぱ~ぽ~ぺ~ぱ~ぽぽ~、ぺぺ~れ~ぺ~れ~、ぺれぺれぺれぺれれ~ん……
 あっ、失礼しました! どうも、そうだいです。
 いや~、昨日観た映画のテーマ曲が、ずっと頭の中で流れ続けてるんですよね。まいっちゃったなぁ!
 前回のブログにも書いた通り、私は昨日、池袋に行って何本かの映画を観てきたんですが、私の頭でエンドレスで流れているのはその中の一本、『惑星ソラリス』(監督・アンドレイ=タルコフスキー 1972年)の主題曲であるバッハのコラール前奏曲『イエスよ、われ主の名を呼ぶ』です。最初の一文だけでこの曲だとわかった人は、ちょっとおかしいです。たぶんなにか、前世で私と縁があったのでしょう。
 音声で説明できないのが申し訳ないのですが、この曲は本当にせつないです。この曲を聴いている間、私の眼には苦悩している人の姿がありありと浮かんできて、やがてその苦悩が消えていくような希望の光がかすかに見えて、曲は終わります。
 そして、この曲をテーマに選んだタルコフスキー監督の意図するところもそうなのか、『惑星ソラリス』は明らかに、何かの事情があって苦悩する人間しか登場しない物語なのです。人間どころか人間じゃないキャラクターまでも苦悩してるんだから徹底的ですね!
 昨日はまとめて何本かのいい映画を観るというビッグイベントな日だったのですが、その中でも『惑星ソラリス』は、私にとっては特に思い入れのある作品だったんです。
 私が初めて『惑星ソラリス』を観たのは18歳の時。千葉に住み始めて、東京でやっている単館上映や特集上映の映画を観に行くという楽しみをおぼえた頃のことでした。えっ、もう10年以上前なんだ、18歳って。あらま! ま、それはともかく、大森の映画館でこの映画を観終わったあと、私はショックのあまり帰り道で迷子になってしまいました。来る時はなんともなかったのに!
 「なんて、SFであることに謙虚なSF映画なんだ!」
 この映画の舞台はタイトルの通り、惑星ソラリスという遠く離れた宇宙のかなたにある星です。地球の海に似た液体に満たされたこの惑星に調査のための宇宙ステーションを建造した地球人は、優秀な研究者を送り込んで調査を開始しますが、宇宙ステーションでは予想だにしなかった異変が……というのがこの映画のあらすじ。
 その異変というのは、宇宙ステーションに入った研究員それぞれの記憶に残っている人物が、なぜか次々とステーションの中に現れるというもの。それは、惑星ソラリスの海が宇宙ステーションの人間の脳波を感じ取って、それらの脳裏に強く刻み込まれたイメージを物質化してしまう生命スープだったために引き起こされていた現象だったのです!
 とまぁ、ここまではSF的展開なんですが、ここからがさぁ大変。
 主人公のケルヴィンが物質化させてしまったのは、数年前に自殺した自分の妻だったのです。ケルヴィンは自分のせいで彼女が自殺したのだと思いつめていたために、妻のイメージがなによりも強く記憶に残っていたのです。ケルヴィンは悩みます。
 「こいつは明らかに本物の妻じゃない。でも、記憶のままの妻である以上、限りなく本物に近い。この妻と再び幸せな生活をやりなおせたら、どんなに素晴らしいだろう。しかし、しょせんこいつは人間でさえないんだ……」
 さらに困ったことに、復元された妻は、自分が本物の妻であることになんの疑いも持っていません。それなのに、ケルヴィンと過ごしたはずの地球での生活のことを何一つおぼえていないということに自分で疑問を持ってしまうのです。
 「私、なんでこんな所にいるのかしら……しかも、ケルヴィンの私を見る目がどうもおかしい。私はただ、彼を愛していたいだけなのに。」
 二人は果たして、このすれ違いをどう乗り越えるのか。別れるしかないのか? それとも、すべての障害を超えた場所に愛を見つけるのか? ここがこの映画のテーマになってくるわけなんです。つまり、さわりだけSFの設定を借りて、あとはSFらしくないテーマをひたすら深く掘り下げる作品になっている。ただのSFじゃねぇ! ここが『惑星ソラリス』の、私の大好きなポイントなんです。
 ケルヴィンは、ステーションに持ってきていた、昔の二人が仲良く映っているホームビデオを一緒に見ますが、そんな記憶の残っていない妻はなにも答えることができません。
 思い悩むケルヴィンと、それを見守ることしかできない妻。寄り添う二人は無重力の空間に浮かびながら、ただお互いがここにいるという奇跡を確かめ合うことしかできません。でも、それ以上になにが必要だというのでしょうか。
 そんなシーンのポイントポイントに流れてくるのが、例のバッハのオルガン曲なんですね。もう、哀れで哀れでホントにじーんときてしまいます。
 出演者は皆さん素晴らしい演技を見せてくれるのですが、特にステキなのが、復元された妻役のナターリャ=ボンダルチュクさん! 当時22歳ながら、ミステリアスな表情とガラスのように繊細な感情をどちらも持ち合わせた役柄を見事にやりきっておられます。とにかく外見だけじゃなく美人、美人、美人~!
 『惑星ソラリス』……昨日再確認しましたが、何十年たっても決して色あせることのない永遠の傑作です。伝説の首都高シーンやタルコフスキー印の水を使った撮影のオンパレードなど、見所のたくさんある作品ですので、2時間半以上というとんでもない長さではありますが、心が渇いてると思われた時には、ぜひともごらんになってみてください! 梅雨時には、ちょっと部屋がしめっぽくなっちゃうかも。 
 
 
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遺恨! タルコフスキー監督オールナイト

2010年08月22日 15時55分39秒 | ふつうじゃない映画
 どうもこんにちはー。そうだいです。いやぁ、今日も私の町は雲ひとつない晴天。あいかわらず暑いです!
 私は昨日の夕方から今朝にかけて、東京の池袋でかなりいい体験をしてきました。大学時代以来の親友と一緒に、映画の特集上映オールナイトイベントに参加してきたんです。お題はズバリ! 「世界の映画作家 アンドレイ・タルコフスキー」!!
 ものすんごい企画だと思います……私の場合、なかなか体調を整えた上で観ないとあっという間に夢の世界へといざなわれてしまう、ソ連の映画監督タルコフスキーの作品を、オールナイトでぶっ通して観る!
 時間は夜22時30分から翌朝6時30分まで。上映される作品は、哲学SFの最高峰『惑星ソラリス』(1972年・165分)、内容時間の7割が3人のおじさんの草原散歩だというSF果汁1%SF『ストーカー』(1979年・164分)、監督の自伝でありながらいつの間にかソ連の歴史全体までをも語ってしまう欲ばりグラフィティ『鏡』(1975年・108分)の3本で~っす。じゃーんけーんぽん! うふふふふふ!
 そりゃね、この戦慄のラインナップに驚愕のあまり、サザエさんにもなっちゃいますよ。
 ……まいりました。2時間半が2本立て続け! 3本目の108分が輝いて見えちゃいます。
 確かにどれも、1カット1カットに要される時間は非常に長く、会話の内容も噛み合ってるんだかないんだかわかんないようなやりとりが延々と続くという手法で一貫しており、正直いってかなりツラいです。
 でもというか、だからこそというか、監督が大切につむぎだしたカットは一つ一つに見事なまでの映像美が宿っており、答えの出ない会話の連続も、観る人に永遠の謎を問いかけるものになっているわけなのです。3本とも超のつく傑作であることは間違いありません。
 うう、しかしながら……戦績は惨憺たるものでした。
 『惑星ソラリス』はなんとか全部観られましたが、『ストーカー』は3分の1が記憶にナシ、『鏡』は3分の2が夢の中というていたらく。く、悔しい! またちゃんと観直さなきゃ。
 でも、私、今回生まれて初めて映画のオールナイトイベントに参加したんですが、オールナイトっておもしろいですね! 何がおもしろいって、一本を観終わったあとの空気の共有感が、普通の映画を観た時とは比べものにならないくらいに濃厚なんです。
 今回の場合は当然、一緒にきた親友と今観た映画についての話はできたわけなんですが、ある作品が終わって館内の灯りがついてから、200人くらいいる知らない人々同士がおもむろに身体を動かしてお互いの顔を見合って、
 (……起きてた?)
 (いや……なんか主人公が石投げてたとこからおぼえてない)
 という声なき会話が飛び交っていたのがとてもステキでした。なんだか学校の行事が終わったあとの全校生徒みたいでノスタルジックだったです。
 ちなみに、私のパッと見統計によると、ほぼ満員だった今回のお客さんは約200人中、30%が女性、40%が20代、60%がメガネ、80%が痩せ形という結果でした。こんな感じです、タルコフスキー先生!
 ともかく今回のオールナイト初体験は最高でした。さっそく、来月に同じ池袋の新文芸坐で行われる『帰ってきたウルトラマン 10話&シークレット連続上映オールナイト 特別企画・主演の団時朗さんと庵野秀明監督(!)のトークショー』のチケットを買ってしまいました。東京って、おそろしか所ばい~!! 実に楽しみです。
 あとオールナイトの前には、親友と落ち合ってから、別の映画館で夕方にやっていたアニメ映画『カラフル』(原恵一監督・森絵都原作)も観ました。
 『カラフル』もまた、大傑作でした! 先日、『アリエッティ』がいいと言いましたが、当然ながらまた違った良さのある作品で、個人的には『カラフル』の方がさらに好みでした。いや~、泣いた泣いた! 序盤から長めに続いた平凡な日常描写の積み重ねが、後半になってあれほどの感動アッパーパンチになって連発されてくるとは……やられたぁ! しかも、アッキーナさんが思わぬ名演技! 前々から『いいとも』を見てはただモンじゃねぇと思っていたのですが、感服いたしました。アッキーナに限らず、映画『カラフル』はストーリー・味わい・声優などすべての要素が非常に高いレベルで結びついた逸品でした。泣けます。
 そんなこんなで、昨日はとっても素晴らしい時間を過ごすことができました。
 誘ってくれた私の親友殿、どうもありがとう~!! またどっか、一緒に行きましょう!
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