華やぐ時間

時の豊潤なイメージに惹かれて 。。。。

” 奇跡の自転車 ”   ロン・マクラーティ 著

2009-03-29 00:16:26 | ★本
図書館に予約していた本が 「三冊 届きました」と 連絡あり
待ってる時は なっかなか順番が回ってこないのに 一度に三冊だなんて・・


 * あらすじ *

スミシー・アイドは43歳。 体重126キロ。 仕事は玩具の製品管理で退屈な時間を過ごし、
夜は 酒とタバコとスポーツ中継で過ごし 友達もいない日々を送っている。
そんなある日、両親が自動車事故で死亡する。 
葬儀を済ませ、遺品を整理していた彼は 父に宛てられた一通の手紙を開封する。
それは、20年以上も消息を絶っていた姉ベサニーの死亡通知だった。
スミシーは、ガレージで少年時代の自転車を発見する。
タイヤの空気が抜けているのに気づいた彼は、酔っぱらったままガソリンスタンドへ向かう。
それが、姉の眠るLAにいたる大陸横断旅行のスタートとなる。
心を病んで奇行に走りつづけた姉に振り回されながらも 温かく幸せだった家庭を思い起こしながら
いろいろな所に姉の幻影を見ながら ロサンジェルスへと自転車をこぎ続ける。


この本は スティーブン・キングが 絶賛し推奨した小説という
良い本は最初の数行で 傑作の予感があるものらしく 作家が小説の一行目に腐心する と なにかで読んだ
独白で綴られるこのロード・ノベルは ぐんぐん読ませる
主人公の年齢を忘れて読み進むと 行動や 出来事 その感想についての独白は まるで 
純情な高校生の男子のような素直さ 温かさ 可愛さが感じられる 
人の外見 風貌を取っ払うと  人の内面って こんなふうに素直なのかもしれないな
道中 出会う人々は 良い人が多かったのも幸いしたと思うが 
他人に対して 怖いアメリカ国らしく 事情も聞かずに殴ったり 発砲する警官などキレる人も登場する

夏から秋にかけて 自転車で 大陸を横断してロサンジェルスまで 姉の遺体を引き取りに行くのである
奇行を繰り返す姉に振り回されながらも 家族が姉をとても愛していたことが
自転車で走る現在と 幸せだった頃の回想で 交互に語られる
一日に 80キロ 100キロと走り続ける
酒もタバコも欲しくなくなり  口にするものは 水 バナナ リンゴ ツナのサンドイッチ
両親のいた温かい家庭を回想しながら 自分を振り返り思い出し 脂肪が落ちていき スミシーは変わっていく
隣家の幼馴染の女の子と 30年たってから 心の交流が始まる
きれいな姉が普通に生活する時間と 精神を病んで疾走する日々に 家族の心痛は どんなに大きいかと思う
読みすすんでいきながら読み終えたくないような いつまでも物語の中に居たいような気がする本である 





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