華やぐ時間

時の豊潤なイメージに惹かれて 。。。。

 映画  ” クリムト ”

2006-12-05 18:28:52 | ★映画  
画家クリムトについては  きらびやかな絵を何点か知っているだけである  
タイトルと絵が一致するのは ”接吻 ”だけ   他の絵も 特徴あるクリムトの作品は すぐにわかる
金箔を使った絵は  絵画というよりグラフィック・デザインのような雰囲気を感じる
どういう画家なのか  なんの知識も持っていないので  映画は期待して観に行った

クリムトの夢と現実が交差する映画の運びは  画家の心の軌跡を辿っているように見える
豪華なカフェや紳士たちの集うサロン お金持ちの隠し部屋は  鏡や光の使い方が幻想的である
カーテンの奥に人物が影絵のように現れて消えたり  非現実さが斬新で 抽象的な印象である 
現実の女友達と会話をしている場面なのか  憧れの女性との逢瀬を夢想している場面なのか  
あらすじだけを追っていては  わからなくなってしまう

1900年 保守的なウィーンでは クリムトの描く裸の女性がスキャンダルとなっていたが
パリでは絶賛され   パリ万博では金賞を受賞する  
フランスのアール・ヌーボーの先駆者とも言われるクリムトの時代の女性たちの衣装は きれいだった
当時 ウィーンには 「 モデルに触れないと描けない 」 と言ったクリムトの子どもが
30人いたといわれる
クリムトに関わるモデルの事などのスキャンダラスな話題や制作上の煩悶を描くというより 
自分の憧れにひたむきなクリムトの精神世界を綴ったという印象で 静けさを感じる映画だった

クリムトの描く官能と情熱にあふれた あでやかな”エロス”の世界は いまなお新しく 感動的である
生は 目くるめくようなエロスの時と共にある   熱い情熱を 華美な筆でキャンバスに載せる
ほとばしる感情が平らになっていくとき  謳歌の背中合わせに死の気配がほの見えるようで不安になる


1862年  金細工師の家庭の7人兄弟の長男として  ウィーン郊外に生まれる
ウィーン工芸美術学校に入学  のち 美術館の壁画  大学の大講堂天井画を制作
1918年  自宅で脳卒中で倒れ 入院  肺炎を併発して 55歳で死去


   


コメント (2)    この記事についてブログを書く
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2 コメント

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トラバ・コメントありがとうございます (ひらりん)
2006-12-06 22:38:09
ちょっと予想外の作品で、眠くなってしまいました。
でも、今の時代でも彼の絵がオークションで100億以上の値が付くのを知って、
ちょっと得した気分にはなりました。
タイムリーな話題が出て、配給元も一安心・・・
なーーんて、大きなお世話ですね。
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こんにちは (rei-na)
2006-12-07 09:07:43
絵画があのように絢爛豪華なので 映画もそうだろうと勝手に期待して観に行きました
どちらかというと地味な クリムトの真面目な精神世界の部分を彷徨っている映画 という感想を持ちました
だから と言うわけではありませんが わたしは (たぶん数分間のはず・・)居眠りしちゃいました  (-_-;)
世界に一つの絵とはいえ  それにしても高価な評価をされるのですねぇ
クリムトの生存中にそのような評価を見ることができたら 嬉しかったでしょうね
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