自分から語りかけて
私の会話は続かない。
ごめんくださいと肩越しに去る。
ガラスの向こうで息を吐きかけ
描くのの字に気をとられる
ぽん・で・ら・りんだの足元に
への字が躍り誘い去るのを見た。
見えないほど遥かな空が揺れて滑るのを
見た気がした。
速い風がゆくのを
あまおとの隙間に鳥の声を
見た気がした。
目を凝らしたら水平を
やっと微かに感じる。
垂直なら森へ行け。
集中しても私の耳には届かない天使の諧音。
この小さな瞳孔に
頼りない微かな睫毛の根もとが揺れる
ああ水があるよ。
微かといえば
そう。おもいがけない光。
子どもの頃の怖い夢の一つに
核ミサイルが飛んでくるというものがありました。
あの頃は、核実験がはなやかなころで、中国で核実験があると、雨が降るとあめに放射線がふくまれていて、頭の毛がぬけるという言葉が流布されましたが、その影響なのか、かなり薄くなってきました。
最近、日本の文化が薄く成ってきたように思いますが、たとえば、それは哲学の枯渇とか言論の不毛とかマスコミの傲慢とかに出ているような気がします。
なんて、ここで愚痴ってもしかたないかもしれませんが。いろいろとご迷惑かけています。
ゆうべテレビをつけたら養老孟司さんが喋っていて、唇を動かさないあの喋りかたぢゃあ私は3分の2も聞き取れませんけれど、
真理ってことばはオウム真理教にとられちゃったというニッチなことばはききとれましてそれから、
ことばというのは喋る前に聞き取る能力だというようなこと、その能力が低まっているというようなことを言っていました。これは聞き取り違いかも。
日本の風土っていうのは世界でもまれでね、江戸時代にオランダ人が日本に来てたでしょう。あの人たちは喜望峰回ってインド行って中国行ってから来るんですよね。要するに世界を知ってるわけです。その人たちが長崎に来たときに、天国みたいだと思ったというんですよ。と言うのはなんだか幸せに聞きとれたのでした。
迷惑はかかっておりません。あ、──などとしらじらしい、わたくしの書いた愚痴みたいなもののことでしょうか。それこそ申しわけありませんでした。
ネット上だけでない友達でも元気なのかそうでないのか、心配しながらほぼ何もしない小心者のわたくしであります。
お見舞い申し上げます。