椿は透明な空気を際立たせる
ユウコサンは季節のそとにいて
透明の向こうを問う
宙も目指せたとその母は言う
なにもないそらに跳ぶように
闇に澱みを隠す水を目指した
「椿コウエンが好きだったから」
とその母が言う
引かれてゆくというその好き
夜でもなく朝でもなく
椿のなかというほどの光
それは何年も前の出来事。
ユウコサンは季節のそとにいて
透明の向こうを問う
宙も目指せたとその母は言う
なにもないそらに跳ぶように
闇に澱みを隠す水を目指した
「椿コウエンが好きだったから」
とその母が言う
引かれてゆくというその好き
夜でもなく朝でもなく
椿のなかというほどの光
それは何年も前の出来事。