らじかのよかん

ふっ急になんかわかんないんですけど↑

実物公開 御大所有品編2

2010年05月31日 | 大藪春彦GUN研究
 
ガ一バ一・アーモ八イド・シリーズ

上にはシリコン・力ーバイド焼き付けのスポ一ツマン・スチ一ルが付いている。
このシリーズは他にも、
ブレードの大小や鋼種(鋼・スティンレス)、形状違いで、二〇種類以上あるだろう。
作品には
・ガ一バ一・アーモ八イド・ドロップ・ポイント・ハン夕ーA四七五
・ガ一バ一・アーモ八イド・ショ一ティ
・ガ一バ一・アーモ八イド・ピキシ一
などが出てくる。
※鋼種は「高速度工具鋼(ハイスピードスチール=ハイス)」HRC-62+ク口ーム鍍金である。

八ンティングの時には、腰に付けるのは折り畳み式、ザック等に入れておくのは鞘式を使う。
腰に鞘式を付けて落馬したり転倒すると、ケガをすることがあるからだって。
たぶん相当数のものを所有・使用していたと思うよ。

おれも一丁持ってるぜ。
薄刃ですばらしい切れ味だ。

革のケース(鞘)はシ一スと呼ばれる。
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実物公開 御大所有品編1

2010年05月30日 | 大藪春彦GUN研究
まずは御大コレクション'83年バージョン(たぶん取材'82年)からだな。
この時点で200余本持っていたそうだ。


あまりにも有名な
ガ一バ一・フォ一ルディング・ハン夕ー だ。

上が本当の愛用機だろ。
現場での携帯砥石がついている。

左下は握りの材質違い。
意外なことにチェッ力ーなし(握りの表面がスムーズ)のを使っていたのだな。

今でも当時の品を売っているが、最低でも20マソするからおれ持っていない。
店頭で持たせてもらった。
思ったより握りが太い大柄な感じだが、とてもバランスがよい。
やはりビッグ・ゲーム用だなあ、刃長四インチあるし。
※生産は'68年~'76年(一部は'74年で終了)。
鋼種は「高速度工具鋼(ハイスピードスチール=ハイス)」HRC-62+ク口ーム鍍金である。

右下は「二ュー・フォ一ルディング・ハンター」で、サ力イ製(日本製)である。
写真を見るに使っていた形跡がある。
作品には出てこないけれども。
見る限り使いやすそうなものだけどね。

革のケースは「スキャバ一ド」と呼ばれる。
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御大の軌跡 刃物のコンチェルト第3章

2010年05月29日 | 大藪春彦GUN研究
以降の記述で物語・作品・登場人物に関する核心部分が本当に明かされています。


さて、結論。
御大のナイフとは
(1972年以降、1996年に没するまで)

・折り畳みナイフの決定版は
ガ一バ一・フォ一ルディング・ハンター
(基本ハイス鋼クローム・メッキ付。初期のみスティンレス鋼も併用)
※『獣たちの墓標』('72年)沖縄任務のラスト付近、
西城が山野組の戦闘員から鹵獲して(316頁)、
別の戦闘員の喉を掻き切り(321頁)「素晴らしい切れ味だ」と褒めている。
※御大がアラスカ・ハンティングに行ったのが'72年
このときに初めて使ったと考えるのが自然だ。
(西城も上記沖縄の任務の初めでは他のナイフを使っているからだ)
※'72年後半の『狼は罠に向かう』で西城はスティンレス鋼のものを使用している。
これ以外の作品ではでスティンレス鋼のフォ一ルディング・ハンターは使っていない。
※『ヘッド・ハンター』で杉田のメインナイフはこれ(ハイス)。
※『アスファルトの虎』で高見沢はハンティングではすべてハイスの・フォ一ルディング・ハンターだ。
※'96年の絶筆『暴力租界』でも、ハイス鋼クローム・メッキ付について4回も絶賛している。
※生産は'68年~'76年(一部は'74年で終了)。
鋼種は「高速度工具鋼(ハイスピードスチール=ハイス)」
(参考 JIS G 4403 SKH○○(詳細不明)) HRC-62である。
つまり初めはリアルタイムだったわけだね。
そのまま生涯使い続けたのであろう。


・ときおり(たぶん'70年代の後半に)
ガ一バ一・フォ一ルディング・スポーツマン2
※『狼は復讐を誓う』で西城が西欧諸国で使ったのが'73年~'75年
「フォ一ルディング・ハンター・シリーズのように、
ハイスピード鋼に錆防ぎのクローム・メッキを分厚く掛けた刃のオプションが、
まだ・フォ一ルディング・スポーツマンに採用されていないのは残念だが…」とあるから、
あるいは、ハイス+メッキものが出ていれば、以降も主要な刃物になっていた可能性がある。
はなはだ残念だ。
※『傭兵たちの挽歌』(初出不明、角川書店'78年12月、文庫'80年)で任務に使っている。
'70年代後半と思われる。
※デザインはアル・マー氏(のはずだ)。
※生産は結構長く'70年代の前半から'90年代前半までだ。細かく変わってはいるが。
鋼種は「440C」SUS 440C(一般にHRC-58以上)である。
基本的には'70年代に使ったのだな。
ハンドルやブレード形状はとても気に入っていたようだ。
ハイスがあれば、あるいは第二のフォ一ルディング・ハンターになり得たのであろう。


・小さいものは(ゲームの延髄を抉るし、ケーピングにも使うし、封筒も開ける)
ガ一バ一・サカイ・シルバ一ナイト・ロック付フォ一ルディング・ナイフ
※御大がゲームの延髄を抉ったのが'80年9月頃
※『ヘッド・ハンター』で杉田がケーピングしたのが'82年1-6月
※『アスファルトの虎』で高見沢が封筒を開けているのが執筆'83年舞台は'82年から。
※'96年の絶筆『暴力租界』でもやばい仕事に使用されている。
※デザインはアル・マー氏。
※生産は結構長く'77年から'90年代前半までだ。やはり細かく変わっているが。
鋼種は「日立安来鋼銀紙一号」(刃物用スティンレス鋼)HRC-57/59である。
※'79年1月の三菱銀行事件で犯人が250Aパールを使っていた。
こいつ御大のファンであって、犯行時人質に命じて他の人質の耳を削がせている。
以前から酒場でこのナイフの自慢をしていたそうだから、
あるいは'78年以前に作品に登場していたかもしれん。
(鑑定のためメーカーに持ち込まれている)
※以上を総合すれば、'77-78年に購入し気に入ったと考えるのが自然。
そのまま使い続けたのであろう。
(サイズやハンドルについては後日考察をするから、楽しみに待っていなさい)


・シースナイフ
ガ一バ一・アーモ八イド・シリーズを適宜
(詳細は後ほど考察しようね)
※鋼種は「高速度工具鋼(ハイスピードスチール=ハイス)」
(参考 JIS G 4403 SKH○○(詳細不明)) HRC-62である。
一部のモデルでは440Cを使っている。


・刺殺用
ガ一バ一・マーク1、2
(L6合金鍛造旧タイプ)
※女豹シリーズの第1作'77年が確認できた最初だ。
※'75年以前の西城は使っていない。
※'81年の西城のマーク1,2では、わざわざ「L6合金鍛造旧タイプ」とことわっている。
マーク2は波刃付きとのこと。
※生産は非常に長くマーク2は'66年(試作8本)、量産'67年から'98年までだ。
記念モデルは2001-2002年に2850本つくられている。
(マーク1は手元にデータないからわからない)
年代でとても細かく変わっている。
鋼種は'79年まで「L6」
(参考 合金工具鋼 JIS G 4404 SKS51(一般にHRC-61以上)切削工具用)、
L6鍛造は'72年までである(以後'79年まではL6削り出しみたい)。
ついでに'80年-'96年は440C、'97年-98年は440A(包丁用ですな)だ。
※波刃は'71年以降に付けられているから、結局L6鍛造波刃付は'71-72年の製作である。
※以上を勘案すれば、
御大は'76-77年にL6鍛造波刃タイプ('71-72年製)を買って、使い、気に入ったのであり、
そのまま使い続けたと推定される。
'81年にスティンレス鋼のものについてくさしているので、
'80年に買ってみて失望したのであろう。




ですな。

ああ疲れた。
このために2万枚を読破したのだ。
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御大の軌跡 刃物のコンチェルト第2章

2010年05月28日 | 大藪春彦GUN研究
以降の記述で物語・作品・登場人物に関する核心部分が本当に明かされています。


刃物の続き。


アスファルトの… 高見沢
ガ一バ一・サカイ・シルバ一ナイトの小さなフォ一ルディング・ナイフ
(封筒を開ける用ズボンのポケットに入っている、ロックの有無不明)
(※ステーキ屋のコックがガ一バ一のキッキンナイフを使っている)
ガ一バ一・マーク2(イノシシ狩りでの刺殺用)
ガ一バ一・マーク2(闇将軍の仕事用)
ガ一バ一・フォ一ルディング・ハンター
ガ一バ一・フォ一ルディング・スポーツマン(2? あるいはハンターの誤記)
キーホルダーに付けてあるごく小さな・フォ一ルディング・ナイフ

餓狼の… 世見月
(オペレーション・ヴァルチュアー=
オーガニゼーション・リヴェンジャーズ・アゲインスト・ダーティ・マネー・メーカーズ所属)
ガ一バ一・マーク2

暴力…(絶筆) 影山
ガ一バ一・サカイ・シルバ一ナイト・ロック付フォ一ルディング・ナイフ
ガ一バ一・フォ一ルディング・ハンター
(四四〇スティンレス製ではなく、
口ックウェル硬度六四のハイ・スピード鋼に錆び止めのクローム・メッキをほどこしたほうだ
等のことが物語後半に都合四回書いてある)
仲間
ガ一バ一・マーク2
ガ一バ一・ピキシ一


さて、結論。
御大のナイフとは

明日発表するぞ。
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御大の軌跡 刃物のコンチェルト第1章

2010年05月26日 | 大藪春彦GUN研究
以降の記述で物語・作品・登場人物に関する核心部分が本当に明かされています。


いったい刃物はどーしていたか。

西城女豹については以前に考察している。

ここでは、作品別にばっと見てみよう。

西城
ガ一バ一・フォ一ルディング・ハンター(ハイス・スティンレス)
ガ一バ一・フォ一ルディング・スポーツマン(2)
スウィス・アーミー・ナイフ
ガ一バ一・マーク1,2('79年以前L6合金旧タイプ)

女豹
ガ一バ一・マーク2
ディアー・スレイヤー

傭兵たちの… 片山
ガ一バ一・フォ一ルディング・ハンター(冒頭のハンティング時のみ)
ガ一バ一・フォ一ルディング・スポーツマン2
ガ一バ一・マーク1('79年以前なので当然L6合金旧タイプ)

ヘッド・ハンター 杉田
ガ一バ一・フォ一ルディング・ハンター(クルミハンドルハイス鋼)
ランド一ルの小さなケ一ピング・ナイフ(たぶんスタッグハンドルのシース・ナイフ)
ガ一バ一・アーモ八イド・ドロップ・ポイント・ハン夕ーA四七五
ガ一バ一/サカイ・シルバ一ナイトのロック付フォ一ルディング・ナイフ(ケ一ピング用)

灼熱の… 御大
ガ一バ一・サカイの小さなフォ一ルディング・ナイフ(ブル・ニラヤの延髄を御大自ら抉る)
(あれ、ガ一バ一・フォ一ルディング・ハンターが見あたらない)
同行者のヒロ
ガ一バ一・マグナム・ハンター

戦士の… 石川
ガ一バ一・フォ一ルディング・ハンター
ガ一バ一・ショーティ(アーモ八イド、ハイス鋼)
ガ一バ一・マーク1、2('79年以前L6合金旧タイプ)
ガ一バ一・マグナム・ハンター



長いから、以下次号ね。
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相対的

2010年05月24日 | 身辺
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谷山浩子 Presents うさぎと猫の芝居小屋 Vol.1 千秋楽

2010年05月22日 | 深夜らじお倶楽部・谷山浩子さん研究

泣いたなあ、芝居見て。


2部構成になっていて、
第一話は、新作「不思議なアリス」
第二話は、昨年「ラフカット」で初演した「真夜中の太陽」の拡張版再演だ。
昨年のソロライブでの発言「再演したらぜひ」がかなったのだね。

全4日間公演の千秋楽(5月22日)に行った。

あらすじを紹介してもあまり意味ないので、
印象をいくつか。

第一話「不思議なアリス」
56分
とても切なく悲しいものがたりで、胸がつまった。
よもやの展開。
非常に虚構性が高い。
(つーことは、それを現実は模倣するから、なおのことコワイ)
いっそ、更に説明しない行き方も、あるかもしれない。
(それでも、あるキーワードをあえて削除したと、対談で云っていた)
おれは、この作品を高く評価する。


第二話「真夜中の太陽」
51分
ひとたまりもなく、泣いた。
個人的な状況因もあるからより効果的に、だけれどね。
欲を言えば、
役者諸氏が足踏みミシンを掛けたことがないのがばれる仕草なので、そこは減点になる。
(すまん。小道具を用いないでする仕草については、落語でとても目が肥えてるので。
おれ小学生のときに足踏みミシンかけ好きだったし)
他はすばらしいよ。
コーラスもすごくいい。

第二話は虚構性はあまり高くないから一般性があり、
結果、虚構性の高い第一話との組み合わせもよいことになった。

今後も続くようなので、またやってもらい見に行くんだ。


なお、舞台下手にピアノが置いてあって、
「不思議なアリス」で浩子さんが弾き語るのだが、
おれの席がすぐそばだったから、
指先の動きまでよく見えた。
小さな手だったなあー。
青春の日に玄関でサインしてもらったときといっしょだ。
さいこーラッキーとぞおもふ。
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御大の軌跡 絶筆のレクイエム

2010年05月21日 | 大藪春彦GUN研究
以降の記述で物語・作品・登場人物に関する核心部分が本当に明かされています。


・初出'94年3月~'96年4月『暴力租界』
おれしーらね。
エンドレス繰り返しだぞ、1300枚の。
延々セリフさえ同一だったりするのだぞ。
でだな、突如だ突如。
最後の十三頁分。

「米軍の正式ライフルは」から軍用ライフルの考察がはじまって
「要するにAK47シリーズは実戦で鍛えられ、
実戦で信頼性を証明かつ保証された、バトル・プルーフの突撃銃だ。」
で終わるのだ。
これが御大未完の絶筆である。

原稿で証明されるが、手書きだ。
ってことは、エンドレス繰り返しは、すべて自発的に自律的に書かれたものだ。
コピペではない。

読者はココロしてかかるように。
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御大の軌跡 幻のラプソディ

2010年05月19日 | 大藪春彦GUN研究
以降の記述で物語・作品・登場人物に関する核心部分が本当に明かされています。


・『戦士の挽歌』(初出不明'83年一刷)は、特異な作品だ。
主人公はサラリーマンであって、全体の3/4読んでも一人も殺していない。
また、この作品までの主人公が「肉」のみを多量に食うのであって、
次作以降の健康的(近代的かな)食生活とは一線を画す。
殺人のプロではないのに強いから、実は御大作品最強の男かもしれない。
マジにおすすめ。ゼヒ!
「はいはい、のはいです」

・えー、初出'83年2月~'93年2月+書き下ろし'93年11月『アスファルトの虎』だが、
5巻('87年)までリアルタイムで読んで飽きてしまったのね。
(6,8巻と本は買ったが読まなかったらしい。7巻が見つからないので無くしたかも)
今回古書で買って完読。いやー疲れた(七三〇〇余枚!)。
高見沢君の目的は明記されているのに、行動がそぐわないの。
目黒の闇将軍の手先になって、
甲州街道で突撃銃乱射し、たぶん100人以上を殺傷しているのだが、
あっさりと手が切れて、後でばれるのではと悩んでいる様子がない。
今までの主人公であれば、手の者皆殺しだよな。

高見沢 優 三十二、三歳 
一メーター七十八センチ 九十五キロ 圧倒的な筋肉のバルクをもっている。
米国製マルチ・ヴァイタミン錠を飲み、
肉はあまり食わず野菜を食い七分搗きの米を食い、タラコ・スパゲッテイを好む。
更に多数のミミズないし数の子あるいは三段を好み、放つ。

スタート時に舞台は'82年であり、連載より一年前の設定だった。
が徐々に物語の舞台と実際の年数とが離れていき、
ついに'93年2月で連載終了(13巻)、このとき舞台は'84年の秋。
14巻(最終巻)は書き下ろしだ。
で舞台は'84年のF1最終戦でおしまい。
エピローグのように、'93年までF1で戦い引退したいきさつがザックリと書いてある。
(推定で、このとき四十四歳)
数回のワールドチャンピオンになり、ハリウッド女優の妻と、二人の子があり、
目黒の闇将軍時代の仕事で得たカネも合わせて莫大な資産を持っている。
数百人の人員を殺傷しているのにまったく無防備だが司法の手の影も見えん。
いわゆるハッピーエンドだ。
初期のジゴロ業時代の女ともいつの間にか切れている。
(総理の妻ともできていたのに)
ああ、『汚れた英雄』がなつかしいなあ。
なおエンドレスの兆候が後半に見られる。
余計なことだが、'89年一刷の8巻から文字が大きくなっている。

・超問題作初出'93年8月~'94年2月『餓狼の弾痕』ですけど。
とてもではないが、御大マニアでないとおすすめできぬ。
事象のエンドレス繰り返しであって、セリフまで同一。
「マジかよ!! 」つー作品。
不条理感で満たされることうけあい。
カヴァー折り返しの「・作者のことば」によると、
「あと少し早くこの作品が世に出ていれば、この物語はより真実味を帯びたに違いない。」
とのこと。
興味のある方はゼヒ。

・のワリには『蘇る女豹』('95年11月)は、まともに着地している。
試射がないとかの問題はあるものの、作品として破綻していない。
いいすよ。


こーふんして長くなったので、以下次号。
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御大の軌跡 孤狼のプレリュード

2010年05月16日 | 大藪春彦GUN研究
以降の記述で物語・作品・登場人物に関する核心部分が本当に明かされています。


御大の作品群をおおむね完読したから若干の考察をしよう。
(写真はおおむね初出・書き下ろし順に並べたつもりだが、違ってたらごめん)
なお、この蔵書はおれの御大ものの、たぶん1/4以下ですから。
'70年代の西城もの以降について並べてみた。
(これ以外にも、もちろん大量にあります)

写真左が、西城シリーズのスタート初出'69年『東名高速に死す』
右が絶筆初出'94年3月~'96年4月『暴力租界』だ。

ごく最近に買ったのは初出'81年~'82年『獣たちの黙示録』の新書と文庫
初出'83年2月~'93年2月+書き下ろし'93年11月『アスファルトの虎』全14巻の内7巻・9~14巻
初出'93年8月~'94年2月の問題作『餓狼の弾痕』
および前記絶筆初出'94年3月~'96年4月『暴力租界』である。

ここに掲げたすべてについて(たぶん二万枚に近いだろう)再読・初読してみた。
これまで御大ものを時系列で読んだことがなかったんだよね。

・西城秀夫は'70年代を中心とする作品であって、シリーズとしてはいちばん好きなものだ。
ここでは'81年~'82年『獣たちの黙示録』が異様だな。
(過去に考察しているよ)

・よく見ると'80年を境に変化が見られる。
おそらく'80年8月から10月にかけて『獣たちの黙示録』の取材のために南アとボツワナで行われた、
ビッグ・ゲーム・ハンティング・サファリの影響かと思慮される。
この実録は、
写真中央の『灼熱のサファリ』(初出'80年?『週刊アサヒ芸能』加筆して単行本'83年11月)に詳しい。

・単発の作品として最高の評価をおれがしている『ヘッド・ハンター』は、
初出『野生時代』'82年2月,'83年1月~6月であって、やっぱアフリカサファリのあとだ。
ただし舞台はアラスカ,ニュージーランド,オーストラリアだが。
なお、'72年に御大はアラスカでハンティングを行っているそうだ。
が、そのときにはこの作品はできなかったので、やはり'80年の影響だろう。

女豹シリーズがちりばめられているのもおもしろい。
(初出'77年、最終作'95年)

・『傭兵たちの挽歌』(初出不明、文庫'80年)は復讐譚であり、おれはあまり好きではない。
目的が自立的であり、納得できるからだろう。
任務(つまり仕事)だとプロな感じがしていい。
あるいは、狂気じみたセレクチィヴ・ハンターつーのも(『ヘッド・ハンター』な)プロな感じでよい。
ただし、ガ一バ一・フォ一ルディング・スポーツマン2が名指しで出てくる貴重な作品だ。


あー、以下次号だなあ。
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