らじかのよかん

ふっ急になんかわかんないんですけど↑

2015年03月08日 | 身辺
夕刻、潜り戸を通って製造直売の行商人が来た。
箒を一本持っている。
座敷の際に座り
「これで仕舞だから安くしておく」と云う。
見ると、なかなかの出来だ。

価格交渉の結果、なにがしで購入。
で、行商人は本日の商いが終了した。

奥の座敷でじいさんが食前にちびちびやっていた。
「旦那さんがやってるのを見たら飲みたくなっちゃったよ。金は払うから飲ましてくれないかね」
たしか200円位払ったかな。

「あらまあ、こんなにいただいて」などと云いつつ、
ありあわせで酒肴の用意をする。

「んぐんぐんぐ、ああうめえなあ」

刻限になり家人がちゃぶ台につく。
行商人にも酒だけつーわけにもいかないのでご飯と菜と汁を出す。
なんやかや世間話をしつつ夕餉を共にした。

上野へ出て田舎へ帰るとか。
「ごちそうさん」
「気を付けて」


件の箒はいいものであり、以後十数年に亘り家内を清掃しつづけた。
コメント
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