らじかのよかん

ふっ急になんかわかんないんですけど↑

御大の軌跡 孤狼のプレリュード

2010年05月16日 | 大藪春彦GUN研究
以降の記述で物語・作品・登場人物に関する核心部分が本当に明かされています。


御大の作品群をおおむね完読したから若干の考察をしよう。
(写真はおおむね初出・書き下ろし順に並べたつもりだが、違ってたらごめん)
なお、この蔵書はおれの御大ものの、たぶん1/4以下ですから。
'70年代の西城もの以降について並べてみた。
(これ以外にも、もちろん大量にあります)

写真左が、西城シリーズのスタート初出'69年『東名高速に死す』
右が絶筆初出'94年3月~'96年4月『暴力租界』だ。

ごく最近に買ったのは初出'81年~'82年『獣たちの黙示録』の新書と文庫
初出'83年2月~'93年2月+書き下ろし'93年11月『アスファルトの虎』全14巻の内7巻・9~14巻
初出'93年8月~'94年2月の問題作『餓狼の弾痕』
および前記絶筆初出'94年3月~'96年4月『暴力租界』である。

ここに掲げたすべてについて(たぶん二万枚に近いだろう)再読・初読してみた。
これまで御大ものを時系列で読んだことがなかったんだよね。

・西城秀夫は'70年代を中心とする作品であって、シリーズとしてはいちばん好きなものだ。
ここでは'81年~'82年『獣たちの黙示録』が異様だな。
(過去に考察しているよ)

・よく見ると'80年を境に変化が見られる。
おそらく'80年8月から10月にかけて『獣たちの黙示録』の取材のために南アとボツワナで行われた、
ビッグ・ゲーム・ハンティング・サファリの影響かと思慮される。
この実録は、
写真中央の『灼熱のサファリ』(初出'80年?『週刊アサヒ芸能』加筆して単行本'83年11月)に詳しい。

・単発の作品として最高の評価をおれがしている『ヘッド・ハンター』は、
初出『野生時代』'82年2月,'83年1月~6月であって、やっぱアフリカサファリのあとだ。
ただし舞台はアラスカ,ニュージーランド,オーストラリアだが。
なお、'72年に御大はアラスカでハンティングを行っているそうだ。
が、そのときにはこの作品はできなかったので、やはり'80年の影響だろう。

女豹シリーズがちりばめられているのもおもしろい。
(初出'77年、最終作'95年)

・『傭兵たちの挽歌』(初出不明、文庫'80年)は復讐譚であり、おれはあまり好きではない。
目的が自立的であり、納得できるからだろう。
任務(つまり仕事)だとプロな感じがしていい。
あるいは、狂気じみたセレクチィヴ・ハンターつーのも(『ヘッド・ハンター』な)プロな感じでよい。
ただし、ガ一バ一・フォ一ルディング・スポーツマン2が名指しで出てくる貴重な作品だ。


あー、以下次号だなあ。
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